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 最近のNYの傾向の一つに、バウンサーの行き過ぎという事件が多く報道されている。例えばソーホーにある最近閉鎖されたラウンジ/バーのフォールでは客がバウンサーにレイプされた挙げ句、殺害され、クイーンズ近郊に捨てられた遺体が発見された。同じくクイーンズのクラブ・ソマでは、バウンサーに鉄バイプの様なもので殴られた客が死亡するという事件も起きている。そして、オパス22というクラブでは、帰らない客に腹を立てたバウンサーが発砲、死者に重軽傷を出すと言う惨事となった。私自身、バウンサーとはよく縁があり、一緒に仕事をしてきたが、行き過ぎな暴力というのは、あまり見たことがない。ましてや、鉄パイプに銃というのは、客が持ってきたのは見たことがあるが、バウンサーがそんなものを持った日には、という感じである。確かに酔った客を放り出すのに暴力が使われることはしばしばだが、クラブの秩序のために死に至るまでの力が使われるのは、ファシズムのようである。ステロイドで脳が冒されているのか、現代的な社会の歪みか、現代っ子の精神の病んでいる部分が露出された事例である。またNYが病んできた?

今月のジャム
 毎年、NY市ぐるみでイヴェントを行うエコー・クロージングのマーク・エコーが“サイ救済”イヴェントをNYのセントラル・パークで6/8に行った。エコーのロゴでもあるサイが絶滅の危機であるという事実を広めるのと、救済の為の費用をつのるという趣旨で、コモン、ラキム、キッド・カプリ、ルーペ・フィアスコなどが出演。天候が安定しないにもかかわらず、盛況となった。去年から2度目のこのイヴェント、税金対策以外に、いったいどんな目論みがあるのでしょうか?

今月の再公判
 一度は、警察の協力を得れないため、公判が打ち切られたノートリアスBIGの殺人に関する裁判が今年の11月から再開される決断がニューヨーク地方裁判所で、同じく6/8に出された。去年の夏に、元警察官の関与についての裁判が、この証人の協力がLA市警から得られないので、一度は遺族への法廷での経費など約1億円を市などに支払いだけという顛末となったが、再び証言などの裏付けに成りうる新情報などが出現、今回の決定となった。これで長い間、ミステリーとなっていたBIGの殺害の全貌が暴かれるか?

今月のジャム2
 毎年恒例のFM局、ホット97によるサマー・ジャムが今年もNJのジャイアンツ・ステーディアムで行われた。ウォームアップを兼ねた開演前のショウが駐車場で行われており、ノーティ・バイ・ネイチャー、ビーニ・マンなどが盛り上げ、アカデミー受賞グループ、スリー6マフィアが開演。レミー・マ、ディップ・セット、モブ・ディープ、ジェイミー・フォックスなどが出演。メリー・J・ブライジが饗宴を締めた。なお、ジャーメイン・デュプリのセットではサプライズで、ジャネット・ジャクソンとマライアが登場、会場を騒然とさせた?

今月のアニヴァーサリー
 ロッカウェア、ニュージャージー・ネッツを所有し、デフジャムの社長も務めるジェイZが、アルバム『Reasonable Doubt』の発売から10周年を記念して、6/25、レディオ・シティ・ミュージック・ホールで一夜だけのパフォーマンスを行う。数々のサプライズ・ゲストに、デフジャムの若手アーティストなどが出演する予定らしい。これを書いている段階では未見なのだが、リタイヤしたり、色々忙しいですな?





沼田 充司
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DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 (Photo by Tiger)