RaggaとくればBoy-Ken。天下のラガマフィンDee Jay約2年ぶりのフル・アルバムは正にタイトル通りのBoy-Ken World。Kin Kin風に言えば「お待っとさんでした!」。本人による『Riddim』限定のアルバム全曲解説を早速お届けしよう! ボーイ・ケン・イチ・バーン!!

● この3年の間にリリースした3枚のアルバム及びミニ・アルバムを振り返ってコメントして下さい。

『No Satisfaction』
 「この作品があったからこそ、今の俺やV.I.Pがあると言っても過言じゃない位の1枚ですね。トラックは全曲Kang Dongの制作で、レゲエ臭さにヒップホップのフレイヴァーが絶妙にいい感じで馴染んでいる曲や、100%レゲエの曲を混ぜた濃いミニ・アルバムでしたね」

『Everythin' Is Everythin'』
 「2004年までの俺の集大成。豪華なゲスト・アーティストを迎えてのファースト・フル・アルバム。レゲエをベースにヒップホップのアーティストをフィーチュアした曲、ラテン・テイストの曲、勿論レゲエ全開の曲、と今まで現場で得たスキルと経験、アーティストとして詰め込みたいものは全て詰め込んでみました」

『Education A De Key』
 「初のオール・ジャマイカ・ミックスのミニ・アルバムでしたね。スティーリー&クリーヴィのトラックでのコンビネーションや、Kang Dong作のラガリプソに乗せた“はじけて”、ヘプトーンズ“Pretty Looks”のカヴァーでトニー・カーティスをフィーチュアしてみたり、とレゲエ、ダンスホール全開の一枚でした」

● 新作『Ragga World』の収録曲について1曲ずつ解説して下さい。
“トコトンParty”
 「ダンスホールで元気にハジケて、無礼講でトコトンPartyしようぜ、って曲。Kang Dongのトラック "Universal Riddim" が更にカーニヴァル気分を引き立てる感じですね。彼は天才。イメージした世界を更に膨らませて音にする。音の引き出しが多く、歌を完璧に引き立ててくれます」

“もっと踊って”
 「ダンスホール・ヴァイブスをキャッチして、嫌なこと忘れて盛り上がろうぜ! スティクリのオケもダンスホール王道ってな感じでかなりラガってます」

“はじけて”
 「世界中のBrother & Sister、レゲエを聴いてみんなでハジケて、ハジケて、ハジケまくろうぜ!」

“情熱のRiddim”
 「未来へと繋がる今を生きろ、そして明日へと繋がるRiddimを刻もう。タフな情熱があれば、どこまでも行けるぜ、という曲。ジャズワドのトラックはシンプルだけどウネリがあって乗せやすかったですね」

“Pretty Looks〜外見と中身〜”feat. Tony Curtis
 「人は外見よりも中身が本当は大切なんだぜ、というメッセージ。トニー・カーティスにヘプトーンズのリリックを歌って貰いました。トラックはスティクリで、彼らのスタジオ2000で録りました」

“Mood For Love”
 「この世の中は男と女の愛で成り立ってんじゃないかなあ、というラヴ・ソング。ドンのトラックも最高に気に入ってます。聴いた瞬間に曲のイメージが湧きました。ミドル・テンポのトラックに哀愁と力強さがギッチリのハイグレードな出来ですね」

“Gold Digger”feat. Dabo
 「色んなプレッシャーに負けないで、弱音を吐かずいつか自分の宝の地図で財宝の在処を突き止め、その手に掴み取れ!というDaboとのコンビ曲です。『Dazzlin' Gold Vol.1』に収録」

“Worst Enemy”
 「『No Satisfaction』収録曲をKang Dongがトラックを作り直して再収録。人を責めるんじゃなく自分を責めよ、というコンシャス・チューンです」

“Children”feat. Junior Kelly
 「世界中の子供達が危険にさらされている今、それを助けるのは世界中の大人しかいないだろう、というBredren Bandのコンピ収録曲。ルーツ系の音なのでJunior Kellyとのコンビネーションもしっくりきましたね」

“Enjoy Yourself”
 「死んで燃え尽きて灰になる前に今をフルにエンジョイしようぜ、というポジティヴ・チューン。トラックはKang Dong制作の "Jungle Father Rock"。『No Satisfaction』収録曲」

“Three Little Birds”
 「言わずもがなボブ・マーリーのカヴァー。上手くいくから大丈夫、問題ない、と悩んでる人達を励ましてます」

“Don't Feel No Way”(Acoustic Version) feat. Pushim
 「聴いた人全員が笑顔になって欲しいと思って作りました。Kang Dongと長い間温めていた曲だったんで、Pushimとのプリプロの時、鳥肌もんでしたね。彼女は歌が上手いのは勿論だけど、ハートの暖かさが凄く歌声に出てる。間違いなく日本のレゲエ・ディーバですね。アルバムの方にはアコースティック・ヴァージョンを入れました」

● アルバムを制作するにあたって一番腐心したことは何ですか?
 「各曲の色をハッキリさせること。レコーディングは3ヶ月位で終わりましたね。タイトルは俺のレゲエの世界観を幅広く伝えたかったんで、俺の世界= Ragga Worldと名付けました。

● V.I.Pとしての今後の予定を教えて下さい。
 「レーベル、サウンド・システム、バンド、共に充実。『Dazzlin' Gold Vol.2』も出るし、 Shiba-Yankeeも出ます! みんなレゲエを聴いてハイになってトコトン行こうぜ!!」




"Ragga World"
Boy-Ken
[Cutting Edge / V.I.P / CTCR-14480]