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 すっかり春めいて来ましたが、突然降雪するなど、異常気象を極めて居るNYです。温暖化を進行させない為に日本の省庁などが、涙ぐましい努力? 又は立て前だけの愚行しているのに反して、NYの街はネオンや街灯で明るいです?

今月のビーフ
 最近、自身のボディ・ガードが射殺され、対応の悪さですっかり評判を落としてしまったバスタ・ライムスがまたビーフに巻き込まれているというか、ビーフを起こした。DJクルーのミックス・テープに収録されたバスタ・ライムのフリースタイルで、彼の元クルーであるリーダース・オヴ・ニュースクールのメンバー、ディンコDをディスするという部分に反応したディンコDが、バスタの現在ヒット中の「Touch It」をつかってアンサー・ソングを発表したのが発端。そのクルーのテープに収録されたバスタのライムは、「リーダースのメンバー達は、ビッチの様にふるまっている今…」というもので、ディンコ本人によると、なんの前ふりも無く、突然ディスされたという。ディンコDのその作品は、宣伝したくないが、インターネット上の某コンピューター会社のストアで購入出来るとのこと?

今月の訃報
 まだラップにブラック・コンシャスネスが残っていた頃のNYのグループ、XクランのプロフェッサーXが3/17に他界した。脳膜炎だったそうである。プロフェッサーXは、ブラック・アクティヴィスト、ソニー・カーソンの実子であり、ラップ・アーティスト、ナレーターなどで活動する他に、ブルックリンのアクション・チャーチをオーガナイズするなど、地域に根ざし、アメリカの黒人の意識を高める為の活動などを精力的に行って来た。昨年は、90年代半ばから停止していたXクランの再結成を発表したばかりの事であった。なおXクランのメンバーのシュガー・シャフトも昨年、エイズによるビールス感染症で亡くなるなど、まるでシステム的にメンバーが消えて行くようである? 合掌。

今月のビーフ解消
 一度は敵同士であったKRS1とモリー・モールがなんとアルバムを制作している。コッチ・レコードから今夏発売されるKRS1の新作は、モール氏の全面プロデュースであると最近のインターネット上のモール氏のインタヴューで語られている。氏によると「彼から電話があり、最近のヒップホップ界へのある種のステートメントとして、協力して欲しいという要請だった」との事。80年代半ばから、続いたそのビーフを覚えている人は少ないだろうが、双方のディス、アンサー・ソングは、今でもヒップホップ・クラシックスとして、全世界のダンス・フロアでかかっている?

今月のバトル
 今となっては一種の伝統芸能と化してしまったDJバトルが、豪華な審査員の下、NYのSOBで4/5に行われた。飛び込み参加有りのこのバトル、ロック・レイダが主催、ロード・フィネス監修、ロブ・スイフト、スピンバッド、DJスクラッチ、プレミア、グランド・ウィザード・シオドロが審査という、DJを底上げしていこうという熱意を感じるメンバーによるものとなった。パフォーマンスに最近、活動を再会したDJキャッシュマネー、そして97年の結果を今も不服とするDJスライスとスプリームの怨恨を晴らすバトルも行われた?





沼田 充司
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DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 (Photo by Tiger)