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 おめでとうございます。
 去年は、世界警察アメリカに、ブッシュ、パターキ、ブルームバーグ劇場に、MTAの組合のスキットまでオマケの演劇を観て来て、一体何が現実か分からないという世情でしたが、皆さんは、どんな年だったのでしょうか?

 早くもNYは、新しい条例を新年に発表、増々ビッグブラザー街道を行くという黙示録。まず、バー、クラブなどのノイズ・レヴェル、つまり騒音度を下げるという条例。罰金も莫大。そして、ライティング撲滅運動。今度は落書きをされたビルのオーナーも、それを消さないと罰せられるという連帯責任、村社会ぶり。スプレーを公道で持ち歩いているのを発見されただけでも罰せられる。更に、高所得者の税金カット。増々庶民と労働者に負担がかかる。ストが終わったとは言え、組合は新しい条件を出している。地下鉄の料金アップは必至。自由の国アメリカ?

今月のチャリティ
 12/22に、フィラデルフィアで、リル・キムによるチャリティ・イヴェントが行われた。ボクシングの伝説のチャンプ、ザブ・ジューダーも応援に駆けつけたこの恵まれない子供達の為のクリスマス・パーティでは、玩具の配給、食事などが用意され、まだまだ貧しい地区は凄まじいフィラデルフィアを一瞬明るくしたと報道されていたが、そのココロは? 実刑が決定しているキムの減刑を訴えるというアジェンダもあった。既に改心しているというアピールが、キムの弁護士のコメントで明らかとなった。結局、金次第? 尚、リル・キムは8月まで刑務所で暮らし、その後、3年間の自宅禁固が決まっている。ライターを掲げろ?

今月の逮捕
 同じ日に、ハーレムを代表し、ある意味でヒップホップの黄金期を彩ったグループ、再結成したばかりのブランド・ニュビアンのサダトXが、銃の不法所持で逮捕された。ニュビアンズの再結成まで、しばらく教師として小学生を教えていたというサダトだが、158丁目にたむろしていた少年達に、「ある男を探している」と40キャリバー、ベレッタをチラつかせたという。更に「お前ら全員殺すぞ」と意味不明の台詞を吐いて、そこから車で立ち去ったという。この少年達が警察に通報、まだ近所に居たサダトを発見するが、警察を見て、走り去ろうとした所をお縄となったらしい。ニュビアンスのツアーの日程も決まっており、新しい録音をフィーチャーしたアルバムもドロップと、期待が高まっていたなかの愚行である。そんな人じゃなかった気がするのだが?

今月のゴーストフェイス・キラー
 なんと限定でゴーストフェイスのヴィニール・フィギュアが発売される。4castという会社と、ゴースト自身による企画で、限定1,000体の9インチの人形が製作されているが、14金のゴールド・チェーンに、ゴールドのカップ(チャリス?)、更に意味不明のミックスCDが付き、人形がゴーストの有名なラインを喋るという内容らしい。プロトタイプを見せてもらったが、似てない。買った人の内、2人がゴースト本人と会えるという特典もついているらしい。なんで2人なんだ?

今月のシュートアウト
 12/21に行われたビギー・スモールのラスト・アルバムとされるお粗末なデュエット集の発売を記念して、クラブExitで行われたパーティで、3人が撃たれ、2人が刺され、1人が、ナイフなどで顔を切られたと、NY市警が翌日発表。今の所、被害者の情報や容疑者などは上がっていないが、直接ビギーやディディとは関わりがないとされている。全くビーフというネガティヴなエネルギーは、本人が死んでも廻り回る?

今月の写真
 サダトX by サイレント・アサシン




沼田 充司
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DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 (Photo by Tiger)