ジャパニーズ・レゲエ界きっての曲者、変幻自在のフロウを操るPapa Bが、ミニ・アルバム『Scorcher』をドロップ。ライヴではお馴染みのリリックなんだけど、まだ、作品化されてなかった曲を中心に、オールド・スクールな“ラガマフィン”なテイストで染め上げた聞き応えのある作品だ。

まず、すごく基本的なことなんですけど、僕は個人的にすごく良かったですね、今回のミニ・アルバム。
Papa B(以下P):同世代ぐらいに人にそう言われると安心しますね(笑)。

だからこそ、少し思ったんだけど、今回はサブ・タイトルに“Back In The Days”っていうのがある通り、“昔風の”みたいなコンセプトがついて回るんだけど、それ関係無しにジャパレゲの新作としていいものだな、って思ってるんですけど。
P:そこら辺、オレもどう受け止められるか慎重にやんなきゃな、と気を遣いましたね。ただ古いリリックを持ち出してきただけにはしたくなかったし。オケもこのリリックに合いつつ、試み的には新しいものにしたかったし。

今作は“Scorcher”っていう架空のサウンドがプレイをしている様な体裁で進行して行きますけど、“Scorcher”は架空のサウンドじゃないですよね?
P:そうですね。(マイティ・クラウンの)コージ君とスティッコ(=トゥルースフル)で組んでる別ユニットのオールディーズ・サウンドですね。夏前ぐらいから、次に“Back In The Days”的なミニ・アルバムを作るってことをコージ君と色々話してて、今回のコンセプトと“Scorcher”の音楽観は共通するものもあるし、“Scorcher”をやる時には一緒にやれれば面白いなっていうのあったんで、全体のコンセプトから絡ませてもらいました。

じゃあリリース後は“Scorcher”と帯同するみたいなことは?
P:きっちり決めてはいないですけど、それはありますね。(マイティ・)クラウンの中の、隠れ人気ユニットですから“Scorcher”は(笑)。

今回クレジットを見たらトラックは全部国産だったんですね。クオリティがみんな高いですね。
P:そうですか。今回はリリックありきだった分、トラック・メイカーに料理してもらう感覚で任せたっていうのはありますね。ただ“ラガ”がテーマなだけに、ミックスはジャマイカでやって、絶対“ラガ”なヴァイブスが欲しかったですね。

書き下ろした新曲の「Form A Line」で一緒にやってるSing Jay-Royなんですけど、彼について少しお願いします。
P:彼は福井を中心に、名古屋だったり色々歌ってきたディージェイで、もう10何年もやってるヴェテランなんですよ。あんないいディージェイだし、僕が紹介するなんて言ったらおこがましいですけど、みんなに聞いてもらいたいな、と思って参加してもらいました。

最後に“ラガマフィン”ということについてお願いします。
P:ダンスホールというかディージェイが本当に最初に盛り上がった頃の感覚だと思うんですけど、やっぱりオレたちがレゲエにハマった頃のフレイヴァーというか、当時、その“ラガマフィン”っていう言葉が一日に何回も頭に思い浮かぶっていう位、影響を受けた感覚っていうか。あの“ださカッコいい”感じが逆に新鮮で、自分の持ち味として常に根っこに残ってる部分ですね。そういうものを今回まとめて作品に出来たので非常に満足してます。


「Scorcher~Back In The Days~」
Papa B
[Toshiba EMI / TOCT-25875]