「Telephone Ting」「Liquor」の大ヒットでノリにノッているKiprichが「Mental」で来日。キュート(?)なルックスでジャマイカ国外でも大ブレイクの予感。強力なファースト・アルバム『Outta Road』をリリースする直前に行われたインタヴュー。落ち着いた対応は、既に大物並み。すっかり取材慣れしているようです。

アーティスト名は誰が付けたのでしょうか?
Kiprich(以下K):ロードマネジャーが付けた名前でね。由来? Just Like Dat……特別な意味は無いんだけど、これでやっていこうと思ったんだ。

アーティストを志した理由は? 又、憧れたアーティストは?
K:何しろ音楽を愛しているからね。エンターテイメントする事も自分に合っている。前から詞だけは書いていたんだ。たまたまそれを音楽に乗せて歌ってみたら、俺も音楽を作れるんだと思ってね。その才能に気づいた訳さ。憧れたのはシャバ・ランクス、コブラ、ニンジャマン。それにビーニ・マン。

確か99年位にシーンに登場して以来“Next Generation”の代表格として期待されてましたね。今回の大ブレイクまでの間にそうした周囲の期待をプレッシャーと感じる事はありましたか?
K:誰にでもアップ&ダウンはあるもの。まあ、新しいアーティストは続々と出てくるし、常に何かを作っていかなきゃならないから、プレッシャーが無かったと言えば嘘になるのかな。とにかくスタジオにいつもいること。どんな曲がヒットるすかは分からないから。

ブレイクした今、若い才能がハードでタフなシーンの中で勝ち上がっていくには何が必要だと思いますか?
K:音楽に自分を捧げる事。ハード・ワークなしでは成功は掴めない。音楽に対する自分の態度が大事だよ。

ファースト・アルバム完成おめでとうございます。どんなプロデューサーが参加していますか?
K:ロバート・リヴィングストン、バーチ、スノー・コーン、ファイア・リンクス、シェーン・ブラウンにスティーリー&クリーヴィも参加している。気に入ってる曲は……もちろん全曲さ。

「Telephone Ting」の様な曲ばかりでなくジャグリン系のトラックでもヒットを飛ばしていますが、どちらが得意ですか?
K:どっちが得意という事はないね。ステージでジャグリン系のダンスホール・ビートでしか出来ないのは恥ずかしい事だし。どちらも出来て、人との違い、それを見せたいんだ。

あなたが思っているオリジナリティとは何?
K:今言ったように、色々な事をマスターしている所。常にスキルの向上に努めているよ。偏ったDJ、シンガーとは思われたくないからな。

パフォーマンスする事の目的は?
K:キャリアの上でのパフォーマンスは凄く重要だ。ラジオで自分の曲に好意を持ってくれたファンに対してエンターテイメントを見せてあげる。皆に自分の持っているものを捧げるんだ。まるで、1対1の関係の様な密接な関係になれる様にね。

ヒットを連発して周囲の対応や生活は変化しましたか?
K:勿論さ。みんな前よりケアしてくれるよね。自分の育ったコミュニティでも歓迎されているよ。地元から出たスターだってね。それと、ジャマイカはヒットを出さないとやっていけないんだ。ヒットが無きゃプロデューサーからも声がかからない。ヒットのお陰で色々なプロデューサーと制作出来るんだ。

もう次のプランはありますか。
K:何も制限は無いからね。これからもポジティヴな態度で良い音楽を作って行くだけだね。ファン&リアリティをキー・ワードに音楽していくよ。



"Outta Road"
Kiprich
[VP / VP1720]