デンロイ・モーガンのDNAを受け継いだ5人で結成したモーガン・ヘリテッジは、若手の中で“音楽的良心”とも言える存在だ。彼らのステージを観てガッカリしたことは、一度も、いや、一分もない。最新作『Full Circle』を完成させて精力的にツアー中のルークスをキャッチ。

ヨーロッパ・ツアーはどんな感じですか?
Lukes(以下L):かなりいい感じだよ。元々ファン・ベースがあるし、最近のヒットで新しいファンを獲得した感じだね。

前作はデジタル・Bをプロデューサーに迎え、ある程度、彼のカラーも出ていましたが、今回は基本的に家族だけで作っていますよね? 理由は特にありますか?
L:今回は違うアプローチしたかっただよね。今回もボビー・デジタル、ドノヴァン・ジャーメイン、ロバート・リヴィングストン、ドノヴァン・ヴェネッタといった外部のプロデューサーに参加してもらっているけどね。ただ、セルフ・プロデュースの割合も増えているし、全体をまとめたのは俺達だ。

エグゼクティヴ・プロデューサーを全員で務めていますが、具体的にはどんな風に話をまとめるのでしょう?
L:一つ一つ全員で話し合って、同意を求める形で進める。

プロデューサーやゲスト・アーティストが多いことも関係していると思いますが、いろいろなフレーバーが入ったアルバムに仕上がっていますよね。
L:だから、『Full Circle』と名付けたんだ。俺達がインスピレーションを受けた音楽の要素を思い切って入れてみたからね。それをうまく混ぜたり並べたりして仕上げたんだ。

全体的に親しみやすいというか、若返った感じですね。
L:アーハッハ。リリックの内容は特にそうだろうね。その点は俺達全員で決めた方針で、今回は少し若いオーディエンスに向けた内容にしようと思って、その系統の曲を多くしたんだ。

差し支えなければ平均年齢を教えて下さい。
L:27才から32才の間だよ。

ラスタファリアンとしての視点から作った曲もありますが、ラヴ・ソングやギャル・チューンもあったのが新鮮でした。
L:デミアン・マーリーが参加してくれた「Girlz' Round Da World」や「Gangsta Groupies」は完全にそういう曲だね。何か、楽しくて若々しいことをしてみたかったんだ(笑)。

"Drop Leaf" などジャマイカで流行ったトラックを積極的に収録した理由は?
L:リディム自体もビッグだったけれど、「Your Best Friend」自体がジャマイカでナンバー・1・ヒットになったわけで、それを入れないでアルバムを出すわけにはいかないだろ?

モーガン・ヘリテッジはステージのすばらしさに定評があり、ツアーに力を注いでいますが、最近はそれと平行してジャマイカでヒットを放っているのがスゴイですよね。
L:基本的には俺達の芯となるスタイルは同じで、ステージはとても重視しているんだ。スタジオでプロデューサーと曲を作る時も、ヒットするか以上にステージできちんと同じ音が出せるのかを気にしている。ステージで再現できない曲は作らない。

ロバート・リヴィングストンの「Hail Up The Lion」もヒットしましたよね。彼との組み合わせはちょっと意外でしたが、出来はばっちりですね。
L:そうなんだよ。彼はもっとギャングスタなエリアで活躍していて、俺達とはちょっと違うけれど、違うタイプのアイディアがぶつかった時は面白いものが出てくるよね。

彼やボビー・デジタル、またお父さんのようなヴェテランと組むと、やはり勉強になります?
L:学ぶところは多いよね。オールド・スクールなトリックを教えてもらえるのがいいね。マイクの使い方のコツとか、昔のミックスのやり方とか、実際に見せてもらえるからね。

ピーターが一応リード・ヴォーカルですが、メンバー全員が歌が上手で、曲によってはリードを取る人が変わりますよね? どうやって割り振りを決めるのですか?
L:話し合って決めたりはしないんだ。曲を作っている過程ですでに誰が歌って誰が歌わないか自然に分かるんだよ。ずっと前からそうだし、最良のやり方だと思っている。

あなた方はブルックリンのブッシュウィックの生まれで、マサチューセッツ州スプリング・フィールドで育ち、数年前にジャマイカに引っ越したのですよね? そのバックグランドはどう音楽に反映されていると思います?
L:実は、何も変わってないんだよね。アメリカに居た時から、ジャマイカのカルチャーの中で育ったから。ジャマイカに引っ越した時も、家から家の引っ越しと同じような感覚だった。

音楽活動をしやすいように戻ったのですか?
L:いや、親父が30数年アメリカに居て、「もう疲れた、帰りたい」って言い出したんだ。それなら、俺達も一緒に行こうって話になった。確かに戻ってからもっと活動しやすくなったね。今でもアメリカと半々で住んでいる感じだけど。

「愛知 Reggae Bleeze」と「九州レゲエフェスタ」に出演するために来日直前ということで、日本のファンに一言お願いします。
L:ラスタマン・ヴァイブレーションをゲットしに、絶対に来て欲しい。楽しい感じの曲から、シリアスな曲までバッチリ演奏して、すごくいいショウにするから。




"Full Circle"
Morgan Heritage
[VP / VPCD1685-2]




Morgan Heritage 来日公演決定!
【愛知 Reggae Bleeze '05 In 内海】
●日時/8月20日(土)開場11時、開演12時、終演21時
●会場/愛知県南知多町町民会館グラウンド特設ステージ
●料金/前売¥6,500(タオル付¥7,500)、当日¥7,500
●問合せ/錦コミュニケーション/052-733-0385

【九州レゲエフェスタ God Bless 2K5】
●日時/8月21日(日)開場・開演14時、終演22時
●会場/宮崎県清武町総合運動公園多目的グラウンド
●料金/前売¥6,300、当日¥7,350
●問合せ/Himuka SC 事務局/0985-83-4550