Mix CD & DVD
k.dope.eps 1. V.A. / Stones Throw 101 (Lexington)
マッドリブからブレイケストラまで、そして復刻専科「ナウ・アゲイン」と幅広くファンキーな音楽をカヴァーする西の名門“ストーンズ・スロウ”の101番目の作品は、同レーベル初の映像作品集と、ミックスCDの2枚組。DVDの方はP.V. 集+αの中々他では見れない逸品となっており、それだけでも興味津々なのにミックスCD(PBW自ら担当)もブランニュー満載、ときた! “ストーンズ・スロウ”を知るにはまさに最高の教科


ALBUMS
2. Ja Rule / R.U.L.E. (Universal)

ハードコアな前作から“開き直った”本来のジャ・ルール路線へとシフト・チェンジする事に成功した第6作。“ジ・インク”のメイン・プロデューサーとなったジミ・ケンドリックスとチンク・サンタナによるメロウでファンクネスを感じさせる充実のトラック群が主役の“ヤル気”を引き出しているのは言うまでもない。アシャンティ、R・ケリー、ファット・ジョー、ジェイダキッス、トリック・ダディ、ロイド等々、ゲストの交え方もジャらしい、また一花咲かせる“気合い”に満ち満ちた会心作。
3.Snoop Dogg / R&G - Rhythm&Gangsta (Universal)

R&G、つまり“リズム&ギャングスタ”という新たなるキーワードを揚げた彼の7th。その内容は前作でのトレンドいいトコ取り路線を分かり易く整理したモノ。しかも何と“ドギースタイル”と“スタートラック”の初のタグアップ盤となっており、当然ながらネプチューンズがエグゼクティヴ・プロデューサーに名を連ねている。制作はそのネプチューンズを筆頭に、リル・ジョン、ウォーリン・キャンベル、ハイ・テック、スーパープライ、デナン・ポーターらが担当。スヌープの不変の魅力と新機軸はしっかりと刻まれているのでご安心を。
4. Chingy / Powerballin' (Toshiba EMI)

どうやらリュダクリス率いるDTPを脱退したらしいセントルイスのニュー・ヒーロー=チンギーの2nd。今回もトラック・スターズがサウンド・プロダクションの核となり、チンギーのあの華のあるフロウがたっぷりと味わえる旬な1枚となっている。イケイケの存在だけにゲスト陣もR・ケリー、ジャネットからデヴォッド・バナー、ネイト・ドッグ、リル・ウェイン、バン・B、リル・フリップまでと呼びたい放題(?)。パーティ・アルバムとして群を抜く内容となっている。楽しんだモン勝ち!
5.Trick Daddy / Thug Matrimony (Warner)
南部はマイアミを代表するラッパーといえばこの男。トリック・ダディの6th。1stを除き毎回タイトルに "Thug" の文字を入れてきた彼は、今やその筋を代表する1人として引っ張りダコの存在。今回はリュダ・クリスにT.I、リル・ジョン、トゥイスタ、シーロー、ジャジー・フェイ、マニー・マーク、トリーナ、イン・ヤン・トゥインズ、ダートバッグにロナウド・アイズレーといった猛者達をフィーチュアし、よりスケールアップしたトリック・ダディ節を披露。オジー・オズボーン「Crazy Train」ネタのシングル曲からして、キテる…。
6. Fabolous / Real Talk (Warner)

ミックス・テープ的お手軽さが売りだった前作を挟んでの4作目。その声、フロウは完全に定着してきた感のある彼にとって今作が“勝負作”であることはシリアスな内容の先行カット「Breathe」からも明白だったが、実際アルバム本編はこれまで以上に厚味のある仕上がりとなっている。タイトルの“リアルトーク(本音)”が意味するところが何なのかはその全編に接すれば判る、というもの。制作にはジャストブレイズ、ネプチューンズ、スコット・ストーチ他。ショーン・ポールとのコンビネーションもありマス。 
7.Jin / The Rest Is History(Toshiba EMI)

フリースタイル・マスターとして名を馳せ、“ラフ・ライダーズ”とサインした中国系ラッパー=ジン・ザ・MC改めジン(靖)のデビュー作。基本的にどんなビートにも対応出来る確固たるライム・スタイルの持ち主だけに最後まで“ラップを気持ち良く聴ける”アルバムになっている。プロデューサーは、スウィズ・ビーツ、カニエ・ウエスト、ワイクリフ、ジャスト・ブレイズ、チェーンヘッズ等々。北京語でもライム出来る彼は、スフィア・オブ・インフルエンスの新曲でも二刀流ラップをブチかましている。ラフ・ライダーズ一族の“次作”はヤング・ワンとか。 

8. Main Flow / Hip-Hopulation(P-Vine)

あのハイテックやダンテも存在したシンシナティ・コネクション=ムードのMCとして知られるメイン・フロウの2ndソロ・アルバム。自ら運営に関わる“ワナ・バトル・レコーズ”とボストンの優良インディーズ“ブリック”とのタイアップでリリースされた本作には彼と繋がりのある実力者たち(レイクオン、キラー・プリースト、ブラック・ソート、タリブ・クウェリ、マイカナイン、デファーライ、プラネット・エイジア他)が駆けつけ、オーソドックスな王道ラップを聞かせる主役を盛り立てている。ダ・リフズや7L、J・ロウルズらが手掛けたビーツも珠玉の域にあり、素通りするにはあまりにも惜しい骨太、な内容となった。
9.The CMA / All Over(Mary Joy)

リヴィング・レジェンズ勢揃いのアルバムもまだ記憶に新しいトコロに、ラッキー・アイテム。PSCとグラウチによる別動隊=CMAも5年ぶりとなる新作をドロップ。このコンビの“妙味”なるものはトッピング等で更なる拡がりを見せ、グラウチを中心とするビート探求者たち(イーライ、J・スリル、DJ エピック&ゴールドフィンガズ、ミルズ、ブロウ)によるフレッシュなプロダクションも冴え渡っている。もしもあなたがアングラ=ダークというイメージをまだ持っているなら、まずこのユーモアたっぷりの作品を手に取ってみて欲しい。

10. Afra / Digital Breath(Rush!)

昨年本誌のアワードでも選出されていた和製ヒューマン・ビート・ボクサー=アフラの最新作はCD+DVD仕様。まず驚かされるのは“Warp”所属のアーティストで、ヒップホップ界ではファット・ジョン等との交流もあるジャンルを越えたサウンド・イノヴェイター=プレフューズ73がプロデュースを務めた、という事実。そして、“デジタル・プレス”なるタイトルが表している通りの新次元突入のヴォイス。パフォーマンスに心底ヤラレる、という具合。SDPのアニが監督したP.V.やライヴ映像を含めたDVDの存在も嬉しい限り。

11.三善/善三 / おればむ(Positive)

“走馬党”最年長、リアルスタイラの片翼、三善/善三の通算3作目となるソロ作。まず全ての曲タイトルがまるで童謡の如く“ひらがな”になっている点にビビってしまうが、それも「自分のルーツ音楽をリスペクトして取り込む」という考えを具体化したもの、なのだろう。ミヨシ節と言えば、韻フェチ全開ぶりを想像してしまう人も多いかと思うが、今作ではもろ歌ってたり、良い意味での押韻だけに拘らない“表現”を見せていてそのフトコロの深さを思い知らされる。生音中心のアナログなサウンドも“和”のニオイで一杯!
12. Dabo / 6 Bullets(Baby Mario)

題目通り“6発の弾丸”がロードされたダボのミニ・アルバム。原点回帰的なカラーを漂わせつつ、しかしそこは進化の止マラないラップ・ジニアスだけにレイドバックした様な内容にはならず、最後まで興奮させられる。DJハヂメ、D.O.I、G.P、ヤッコ、ワタライ、イリシット・ツボイという言わずもがなの精悦がダボの為に用意したビートはタイプこそ異れど何れも速効性が高く、軽く禁断症状を覚える位。そしてその魅力を3倍辺りにまで高めるダボのラップ。相変わらず“最高”です。ボーナスDVDのコンテンツの多さにも参った!