Mix CD
k.dope.eps 1. Kenny Dope / Soul Trippin' (Dopewax)
あのマンゼルの再発でも話題を呼んだケニー・ドープのレーベル“ドープ・ワックス”からのニュー・タイトルは、ソウル/ファンクでまとめられたミックス・テープ。この道の達人(レコード・コレクター/DJ)としてのプライドはそのセレクションからも伺えるが、何よりも“流れ”が秀逸! リイシュー盤が人気のL.Aカーニバルのような旬(?)を押さえている辺りもサスガの一言。同発の“ジャズ・ファンク物”『Favorite Grooves』もグッド。


Albums
2.Method Man / Tical 0: The Prequel (Universal )

純然たるソロ・アルバムとしては実に5年半ぶり(!)の3rd。当の本人は「これで不発ならあと1枚限りでやめる!」と公言しているが、それは本作への並々ならぬ自信の裏付けとして受け止められよう。RZAを始め、ノーI.D、ロックワイルダーといったメスの特性を引き立てる制作陣と、バスタからミッシー、スヌープ、ゴーストフェイス、レイクォンといった相性のいいゲスト陣の起用も冴えた会心作。
3. D-12 / D12 WORLD (Universal)

エミネムを核とするグループだけに(?)、今日本でダントツに売れているヒップホップCDはコレ、だそう。そうした“エミネムのバンド”という世間の見方を皮肉タップリに描いた「My Band」がヒット中だが、このグループならではの魅力はアルバムを通して聴いてみることでより明らかになる、と思って貰って良い。ドレー、レッド・スパイダ、カニエ・ウエスト、ハイテック、トラックボーイズにメンバーのデナン・ポーターらによるサウンドも多彩。
4. X-Ecutioners / Revolutions (Sony)

ロブ・スウィフト、ロックレイダー、トータル・イクリプスからなる東海岸を代表するスクラッチ・コネクション=エクセキューショナーズのオリジナル2ndアルバム。DJたちの真の革命を意味するタイトルからも判る通り、前作よりも更に意欲的な作品になっているのは間違いなく、生音をCD-Rに落としてコスったり、様々なエフェクトを使ったり、という今っぽさも。オールドスクール・ブロック・パーティーの再現からホワイト・ゾンビ(!)のカヴァー、オール・スクラッチのSFチューンまでアイデアもバッチリ。
5. Petey Pablo / Still Writing In My Diary (BMG)
レペゼン・ノースキャロライナ=ピティの2nd。先行シングル曲「U Don't Want Dat」や「Freek-A-Leek」をリル・ジョンが手掛けていたことでクランク中心か?と思った人も多かろうが、その実かなりヴァリエーションに富んだ内容となっている。主役もダミ声シャウト一本ではなく、フロウの引き出しを次々と開け“うた”の才能を発揮。ティンバランド、マニー・フレッシュ、カニエ・ウエストらプロデューサー陣の仕事振りも見事。
6. V.A. / V.I.P. Presents Westside Cruisin' (Toshiba EMI)


ギャングスタ・ラップ〜Gファンク〜ウェッサイの歴史を包括しつつ、“クルージン向け”にわかりやすく編集された日本企画のコンピレーション。収録されているのはスヌープ、ドレー、アイス・キューブ、NWA、イージー・E、バッドアス、マック10、ウエストサイド・コネクション当の代表曲や隠れた名曲の計20トラック。ここ1〜2年でウェッサイ物にハマった人に特にオススメしたい気持ちいい内容。 
7. V.A. / Okayplayer - True Notes Vol.1(Hostess)

ザ・ルーツ他のジャケットでもそのロゴを見ることが出来た彼らが運営管理するコミュニティ・ウェブ・サイト=Okayplayer、発のコンピレーション。トラック&マックとチャプターという同レーベル発の新人のお披露目の場となっていつのはいわずもがなだが、単純にダイレイテッド・ピープルズやハイエログリフィクス、ブラッカリシャス、リトルブラザー、ザ・ルーツらの新曲が聴ける、というのも嬉しい。エグゼクティヴ・プロデューサーは勿論クエスト・ラヴ。
8. DJ Nu-Mark & Pomo / Blend Crafters (Up Above)

盟友カットケミストと共にジュラシック5のDJ/サウンド・プロデューサーを務めるDJヌマークが“シークエンス”発のミックスCDに続いて、待望の初ソロ作をドロップ。土臭く、太い音の良さを知り尽くした彼だけに、インストならではの実験性に富んだ本作もヒップホップ・マニアをシビレさす内容、となっている。ジョン・レノン「Imagine」のカヴァーの聴かせ方にも彼なりの工夫があり、全体通してあたたかい気持ちにさせてくれる好盤に仕上がった。
9. Sonic Sum / Operazor EP(Tri-Eight)

常に“攻め”の姿勢を崩さないサイバー詩人ロブ・スミスのグループ=ソニック・サムの新作ミニ・アルバム。ご存知の通り、2DJとべース奏者からなる特殊な編成のユニットであるが、3つある新曲を聴けばその理由が自ずと解る(これまでの作品もそうだったが)。そんな中でも冒頭曲のテクノデリックな展開と言葉のハメ方はかなり新鮮だ。既発曲2曲のヒュージ・ブードゥー、ジ・オーパス各々によるリミックスも期待以上の効果を与えている。
10. ダースレイダー / The Garagefunk Theory
(Da.Me.Records)

徹頭徹尾のD.I.Y.精神を見せつけたD.M.Rプロジェクトの余韻も冷めやまない内に、今度はその首謀者ダースレイダーがソロ・アルバムを発射。パンクからファンクまでを消化したヴォーカル・スタイルの弾け方は、まるで良き時代のロックのような清々しさを覚えるもの。ファンク入道(本人)によるラウド&ヘヴィーなトラックの凄まじさも言うまでもないが、とにかくエラいことになってます! これはザ・ダットサンズのファンもハマるカモ。Play It Loud!


Single

11.餓鬼レンジャー / JET55 -Eagle, Shark, Panther-(Victor)

餓鬼レンの待望の3rdフル・アルバムに先駆けてのEPは、グループ初の戦隊モノ(?)「Jet 55」。サンバルカン+ブラック・サバス(?)的なジャケ通り、ポチョムキン、ヨシ、そしてハイスウィッチの3人でマイクを廻す強力なチューンに仕上っている。ビートは初タッグとなるDJワタライ! ハイスウィッチによる別ヴァージョンに、一般公募のリミックス・コンテストで優勝したMonkey 4のリミックスも収録のオイシイ一枚。
12.妄走族 / Guerilla(Monohon / Epters)

新星堂限定リリースとなる待望のニューEP。タイトル曲は、マサル、ゾロ、剣桃太郎、般若でガッチリ上げてゆく 妄 ニュー・アンセムで、カップリングの「ワルイ奴等 Hands Up」では8人がフル参加、もう一曲の「Back In The Day」では、デン、マサルで、という様々なフォーメーションと切り口が味わえる仕掛け。トラックは当然ながらガス・クラッカーズが担当。やたらと胸がザワつくこの生々しい感じは、まさに 妄 ワールド。売り切れ必至の激ヤバ・シット。