Mix CD
1. 1. V.A. / DJ Kaori's "Ride" Into The Mix(Victor)
オフィシャル・ミックスCDとしてはこれが実に4作目となるDJ Kaori。今回は“ジャパニーズ・ミックス”の2本立てで、そのディスク“1”には我リヤ、餓鬼レンからMinmiまで、“2”の方ではデス・ロウ音源を中心にR&BやT.O.Kまで、と共に“女の子リスナー”も聴き易い内容、となっている。そのセレクションにも人柄の良さが伝わるナイス企画!


Albums
2.N.E.R.D / Fly Or Die(Virgin)

先日の来日の際も「N.E.R.Dの2ndはかなり驚くぜ!」とファレルは語っていたが、果たせるかな。この新作は、前作でみせた“ロック魂”を更に分かりやすく提示した感じ? ゲストにはレニー・クラヴィッツ(“バッドボーイ”の例の曲でも絡んでた)とグッド・シャーロット(モーガン…ん?)よりジョエル&ベンジー・マデンを迎え、N.E.R.Dサウンド大爆発。プロデュスは言うまでもなく全曲ネプチューンズ、の手堅い一枚。因みにN.E.R.D.は“ナード”ではなく“エヌ・イー・アール・ディー”と読みます。
3. Cypress Hill / Till Death Do Us Part (Sony)

マグスがエピタフよりソロ・アルバムを出し、その流れか(?)ランシドのティムが参加したシングル曲がまず話題。サンプル・ネタはクラッシュの「Guns Of Brixton」とな! でも、このエッジの立ち具合、正にサイプレス・ヒル、という嬉しい内容。お約束通りマグス制作曲が大半だが、ダイレイテッドの新作でも尽力した古馴染みアルケミストと、ダミアン・マーリーが歌う“ガンジャ賛歌”をトニー・CD・ケリーが手掛ける、というポイントも。まずは盤石の7作目。
4. Cassidy / Spilit Personality (BMG)

スウィズ・ビーツが新たに立ち上げたフル・サーフェイスから飛び出したフィリー出身のラフ・ライダーズ・ヤングガン=キャシディのデビュー・アルバム。あらゆるビートに対応出来る運動の能力を備えたフリースタイル・テクニシャンの彼だけに、スウィズの繰り出す振れ幅の広いトラックでも、しっかりと自分の世界を披露している。R.ケリー、ジャジー・フェイ、スヌープ、ジェイダキッスといったゲスト陣も豪華ながら、主役の色が損なわれていないのが良い。
5. RZA / Birth Of A Prince (Flavour Of Sound)

言わずと知れたウータン・クランの総師、RZAのソロ第3作が遂に日本盤化(USリリースは昨年暮)。最近では『キル・ビル』のスコアも手掛け、その活動範囲を理想的に広めている彼であるが、ソロ作では基本となるブランテッド・ソウル路線やエレクトロの新解釈もキメていて、まったくもって気が抜けない。ODB、ゴーストフェイス、メガルーツ、トゥルーマスターらも参加。日本盤は詳細な歌詞対訳がウレシイ。
6. Insight / Targeting Zones(Bad News)

ボストン・アンダーグラウンド・シーンを代表するアーティスト=インサイトのエレクトリックに続く久々のソロ・プロジェクト。ミドルスクールの精神を引き継ぐ骨太なビートとフレッシュなライムがタップリと味わえるのは言わずもがな。だが今作はそのエレクトリックのアルバムでも尽力していたマーシャン・キングのサウンド・プロダクションが主軸となり、更にはゲストMCでKRSワンのラップも聴けるというグッとくる内容に。しかもこれ“日本独自企画”というから驚き!
7. Manzel / Midnight Theme (11154)

Muroの新たなる企て、11154。それはジャンルに問わず「これぞ!」という“黒い宝”を独占ディストリビュートするレーベルで、第一弾タイトルに選ばれたのは、あのマンゼル。“Ultimate Break Beats”の聖なる一曲として知られる「Midnight Theme」(先のサイプレスやデ・ラ・ソウルもサンプリング)等をケニー・ドープがコンパイルした“レア音源”、“未発表”満載の至極のフュージョン・ファンク。日本リリース盤のみのボーナス・リミックス入り。何ともド肝を抜かれるリリースだ。次はダイアモンドDのレア音源集、とか。

8. DJ Celory aka Mr. Beats / Beats Japan
(Future Shock)

ソウル・スクリームの司令塔、DJセロリa.k.a. Mr.ビーツ入魂の初ソロ・アルバムが遂に完成。本人曰く「原点回帰と時代感覚を大きな柱に自分らしさを追い求めた」という温かくキャッチーなトラックがズラリと並び、自らキャスティング、フォーメーションを考えたというゲスト・アーティストは総勢25人。“プロデューサー”として鋭い嗅覚を発揮したトピック、楽曲的にもバランスのとれたDJセロリ“らしい”力作。スキャットは勿論、“サッカー”でしょう。

9. Kaminari-Kazoku. / 330-more answer no question
(Monohon / Xtralarge)

噂がウワサを呼ぶ雷家族のフル・アルバム。You The Rock★、Twigy、Rino、G.K.Maryanの4人が各々制作担当曲を持ち寄り、大黒柱のDJ Pat504、DJ Yasを始めとするビート班の底力も否応なく伝わってくるオリジナル・オリエンタル・サウンドが大爆発。その他、Dev Laerge、Muro、Ben The Ace、Macka-Chin、刃頭らもトラックを提供。家族のMissie、Ameken各々の役割もバッチリ。ラップについて触れていないって? そこは自分の耳で確認してほしい。
10. 葉隠 / Bird Lives(葉隠.Rec)

妄想族のKenta5rasにDJ Turbo、そして5弦ベースを操るTara-9の3人による話題のセッション・クルー、葉隠の初音源。Kenta5rasの“闘争”を主たるテーマとした真実を暴漢とする力強くリリカルなラップに、日本屈指のスクラッチャー=DJ Turboによる心地良ささえ感じるスピリチュアルなコスリに、Tara-9の繰り出す豊かなフレーズ…その見事なまでの融合には心底ヤラレた…。まさに世界に誇れる音楽。そのココロは…。
11. Romero SP / The R(Future Shock Foundation)
OzrosaurusのMacchoに、風林火山のF.U.T.O.、Rude Boy Face、秋田火どぶ六という4人のフロント・マンにLucha、Knock、DJ SN-Zらがバクを固めるハマの秘密組織=ロメロSPがようやくその全貌を明らかにした…。この初のフル・アルバムには、オール自家製のグローバル・スタンダードな極上ビーツに、各々の才能豊かなマイク・テクニシャンによる、ルチャ・レブレばりの入り乱れ方、合体技が効いたブッグ・トラック目白押し。器のデカさを感じて頂きたい。


Mini Album

12.Doberman Inc / Conversation Piece(Victor)

手前ミソで申し訳ないが、我がD-ST.Ent.のファイヴ・スター・関西の雄=ドーベルマン・インクも様々な有余曲折を得てようやくメジャー・デビューと相成りました。その第一弾は、“待ってるだけじゃ何も始まらない”というメッセージの詰まったタイトル曲を中心とする5曲入りのミニ・アルバム。その「Conversation Piece」以外の4曲は、後にリリースされるフル・アルバムには未収録となる為、是非店頭で“試聴”してみて下さい。更なるレヴェル・アップが感じ取れる筈、なので。フル・アルバムは6月下旬予定。