Mix CD
1. DJ Jazzy Jeff / Hip Hop Forever 2(Hostess)
来日プレイも各地で大盛り上がりだったジャジー・ジェフの意外にもキャリア初となるミックスCD。出元が“BBE”とくれば…そう、あのケニー・ドープのセレクション&ミックス企画のこれは第2弾となるブツ。今回はストレートにミックスのみ、だがコレが凄い! レイクオンの「Ice Cream」からメイン・ソースの「Live@The BBQ」で終わる、と書けば元も子もないが、90'sクラシックを中心にガン・コスリで聴かせる一枚に。そう、こんなジャジー・ジェフを聴きたかった!のだ。
2. DJ Spinbad / Fabriclive.14(Hostess)
続きましてもオフィシャルのアイテム。このコーナーでも何度となく登場したDJスピンバッドがヒップホップ・ヘッズにはまだ馴染みの薄い(?)“ファブリック・ロンドン”から極上のミックス盤をお届け。こちらも計ったかのように(?)、ブラーゼイ・ブラーゼイの「Danger」が入ってたり、ブラック・シープ等の90'sモノもアリ、なのだが、オールドスクールを含め、もう少し間口が拾いセレクション。ミックスの妙、マジックもしっかりと味わえる真面目な(?)一枚。


Albums
3.Kanye West / The College Dropout (Universal)
最近では "Roc" 系での仕事がやはり目立っていた売れっ子プロデューサー=カニエの初のアーティスト・アルバムは、やはりこのレーベル“ロカフェラ”から。タリブ「Get By」からアリシア「You Don't Know〜」まで、その音作りには幅があるのは承知の通り。本作でも様々なスタイルにチャレンジしている。が、不思議と統一感アリ。モス・デフ、コモンからジェイ・Z、リュダクリスまで縁の深いゲストも多数だが、カニエ自身のラップが面白い。コンセプトはタイトル通り。今年を代表する一枚になる、かも。
4. Pitch Black / Pitch Black Law (Universal)

94年に「Hold Me Down」というE.P を一枚出したきり、地下へと潜っていたブルックリンの5MCズが遂にアルバムをドロップ。1stカットのもろプリモ節「It's All Real」でピンときた人も、昔からのファンもこの意外にヴェラエティに飛んだ、実はキャッチーな作風にヤラれるのでは? 制作では他にもスウィズ・ビーツにヤング・ロード、テディ・ライリーらが絡み、ゲストではバスタ、フォクシーも顔を出すイケイケの男臭いアルバム。
5. Knoc-Turn'al / The Way I Am (Warner)

ズの実弟ジャングルと相棒のウィズからなるQBのラップ・デュオ=ブレイブハーツの初のアルバム。サントラ『Belly』への参加で注目を集め、ご存知「 Oochie Wally」のヒットで完全認知されるに至った彼らは、どこまでもストリートのトーク・シットに拘る連中。ハーコーなサグ・アンセムだけでなくフロア向けのパーティー・チューンも得意。リル・ジョン作のダーティ・サウス路線のシングル曲に驚かされた人も多いだろうが相性もバッチリ。ナズも4曲フィーチュア。
6. Crown City Rockers / Crown City Rockers(P-Vine)
かつてのUKのゴス・ロック・バンドとその名がカブった為C.C.Rと改名した彼等の2ndアルバム。メンバー・チェンジを経て5人組となったが、バンド・アンサンブルを基調としたその独特の質感には何の陰りや揺らぎも無い。ひたすら気持ち良く、流れるサウンドには抗う術などないだろう。ヒップホップ的エッジを気にするなら、そのラップに特に聞き耳を立てればいい。日本盤には絶好調のDJミツ・ザ・ビーツによるリミックスも! 
7. Visionaries / Pangaea (Lexington)

西海岸モノが続きます。エレメノ、キー・クール、2メックス、ゼン、ダヌー、そしてDJレットマティックの6人からなるスーパー・グループ=ヴィジョナリーズ久々の3rdアルバム。これが本当、素晴らしい!の一言。琴線に触れまくりの真にソウルフルなサウンド・プロダクションもさることながら、ライヴも素晴らしい5MCのフォーメーションの見事なこと! またレットマティックのみならずメロ・Dらのコスリもポイントを付いているし、リヴィング・レジェンドとのセッションも熱い…。タイトルの意味は、“調和”。ナルホド、ですな。
8. V.A. / Miclife - Hip Hop Don't Stop(Bad News)

この3年半もの間に30タイトルもの米、英、独の“聴かれるべき知られざる存在”にスポットを当て続け、根強い人気を誇るレーベル“マイクライフ”発の初コンピレーション。J・ライヴからカース、アパニまで選び抜かれた重要曲に、初CD化となるイードン、リッチー・ピッチ、マス・インフルエンス各々の楽曲に、DJスウィフト、C.C.R、ハッドノディックのエクスクルーシヴ、そしてアシェールのP.Vと、全タイトル持っててもフォロー出来ない嬉しい仕掛け。全てが文句ナシのクオリティー・ ミュージック。

9. DJ Cam / Liquid Hip Hop(Victor)
リップホップ/アブストラクトからオーガニック・ソウルまでアルバムごとに新たなスタイルを打ち出してきたカメレオン・アーティスト=DJカムの通算7作目は、久方ぶりのヒップホップ・アルバム。今回は基本的にほぼインストゥルメンタル、というかボトムの太いビーツ物中心で、どことなく“ビート・ジェネレーション”的な手触り、となっている。2トラックあるラップ/Vo物は、グールー、ラリー・ブラックモンを各々Feat.したあの曲のニュー・リミックス。後者は何とJ・ディラが手掛けており、カムの新展開が見えるよう。
10. D.M.R / Gumbo(Da.Me.Records)

マイカデリックのダースレイダー (D)、サムライトゥループスのメテオ (M) にロイ・ザ・ロワイヤル (R) の3人でD.M.R。シングル「極悪ガンボ」で早くもマニアックな日本語ラップ・ファンをノックアウトしたこの新顔ユニットはパンクの精神受け継いだアグレッシヴでD.I.Yなやり方でヒップホップのバック・トゥ・ベーシックを体現する。大爆走、ノー・ブレーキ。その在り方に共鳴したモユニジュモ、ケン1ロウ、MCジョー、アトム、ジェイソン・メテオ、アイスバーン、ゴーキ、サイプレス上野他のパフォーマンスをまとめ上げるファンク入道にももっと光を!
11. V.A. / Future Shock Vicual Tracks -2nd Edition-(Future Shock)
常にシーンをリードするリアル・ヒップホップ・レーベル=フューチャー・ショック、その第3期('02〜'04)のベスト・ヒット・トラック的な最新コンピレーションがコレ。ソウル・スクリーム「あした Future Is Now」から始まるキラー・チューンづくしの内容なのは間違いないが、ここに収められている全ての楽曲が実は“ここでしか聴けない”ニュー・リミックスとなっているのがポイント。手掛けるのは全てFSコネクション。つまりこれは同レーベルが如何に才能豊かなトラックメイカーと組んでいるか、という証明でもある。
り。


Single

12. Ozrosaurus / On And On(Future Shock)

ロメロSPでの活動も目覚ましいマッチョの一人ユニット=オジロザウルスの約1年ぶりとなるニューEP。タイトル・チューン「On And On」は「前に進め」というポジティヴなメッセージが耳に残る名曲であり、新生オジロの一面が垣間見える内容となっている。トラックは売れっ子=サブゼロ。またロメロSPによるカップリング・チューンも聴き物。ロメロのメンバーでもあるF.U.T.O(風林火山)、秋田犬どぶ六、そしてB-ヤス(CEO)の絡みにも注目したい。