数々のオーセンティック・スカ系のオムニバス作品への参加で、その名を徐々に全国区に広げてきたザ・リトル・エレファントが待望のファースト・アルバム『Little Ones.』をリリース。その独特のユルさ加減は個性とも言える。早速、Yokkinに話を聞いてみた。

 このところ日本の各地で頑張ってるスカ・バンドの作品がリリースされる機会が増えてきているが、これから紹介するThe Little Elephantは、山口県は岩国市を拠点とするバンドだ。中国地方でオーセンティクなスカをやってるバンドというとまず思いつくのが彼らだったりするのだが、地元のスカ・シーンはどんな感じなんだろう?

 「ん〜、こっちの地方はあまり僕らみたいなバンドが少ないんですよ。居ても解散しちゃったり、今はやってなかったり(笑)。なので、もっと盛り上がったらエエなぁって思ってるんですけどね」(Yokkin/Tp:以下同)

 そんな状況でも地道な活動を続け、いくつかのコンピに参加するなどしてしっかりと存在をアピールしてきた彼らが、97年の結成以来初のアルバムとなる『Little Ones.』を完成させた。

 「僕ら、ホントにぼちぼちやってて、まわりから“CDはいつ出すの?”って言われ続けてまして……いろんな人にお世話になってやっと完成した1枚といった感じです」

 上は37歳から下は23歳まで、女性1人を含む10人編成の彼ら。それだけ世代の開きもあれば、それぞれ仕事や家庭もあったりと生活サイクルも違うだろう。

 「たしかにレコーディング作業は時間との戦いでした(笑)。みんな仕事もしてるので、なかなか時間の調整が難しく……いかに効率よく短い時間で仕上げるかってトコが課題でしたね。そうしてレコーディングの作業していく中で“ああ、こうやったらエかったんや!”って気が付く事も多く、いろんな意味で勉強にもなりました。音に関しても、飾らず、自然体でいこうってスタンスで収録して、今のすべてを出し切ったって感じですかね」

 その『Little Ones.』に収められているのはやはり、彼らならではなジェントリーなバンド・サウンド。派手すぎず、無理にアゲたりもしないその音は、聴き手の耳に自然と染み渡り、ゆっくりと気持ちをほぐしてくれるようだ。

 「やっぱり、まずはとにかく僕らが楽しむコトなんですよね(笑)。先日、スカタライツと共演させて頂いた時も感じたんですけど、ステージで演奏してる姿がすごい幸せそうなんですよ。すると、観てるこっちも“うわっ、あんなコトやってるで!”とか、“なんじゃ!? 今の間!”とか言いながら観てる。あのアバウトさというか余裕というか、あんなに楽しそうに出来るのはスゴイなぁって感じたんです。お客さんには失礼な言い方かもしれませんが、なんかほっこりやってるの観て、思わずカラダが揺れたり、思わず笑みがこぼれる……僕らも、そんなんがエエんかなぁって思ってます」



"Little Ones."
The Little Elephant
[NEST / RD / RDR-1037]