Nitro Microphone Undergroundの特攻隊長、DELIが地元千葉のトラックメイカー、YAKKOと組んだAquariusが遂にファースト・アルバム『オボレタ街』を10/8にリリース。さっそく多忙を極めるDELIにインタビュー!

いやあ、『オボレタ街』、メチャクチャいいね! DELI関連作じゃ、ダントツに好きだな。
DELI(以下D):アルバムやり終えてみて、自分的にも今までで一番納得がいってるんだよね。もちろん、これまでの作品だってその時出来ることは精一杯やってきたけど、まだ出し切れてないんじゃないかなっていう思いは常にあって。でも、今回は、終わった段階でバッチリだなって初めて心の底から思えたんだ。単純に進歩したっていうのもあるだろうけど。ひとつの区切りって言うか…節目になるような作品に出来たかなって。

なんか…凄く生々しいんだよね。
D:生々しいよね(笑)。それは多分、これがオレの中で一番コアな部分だからなんじゃないかな。前は、“オレはもっと色々出来るんだぜ!”みたいな気持ちが強かったような気がするんだよね。もちろん今も新しいことに挑戦したいっていう気持ちは常にあるけど、その前にとにかく自分の出来ることを表現してこうっていう気持ちが堅くなってんのかな。ここ2〜3年、周りで環境が良くなったりセールスが伸びたりする人間なんかを見てる中で、お膳立てされたり付け加えてもらったモノで評価を受けることは、最終的に自分の首を絞めるのかなって改めて感じてて…。評価されても、されなくても。だから、やっぱ自分の芯になる部分に関しては曲げるべきじゃないなって思うんだ。今回のアルバムは、これまでにオレが個人的にディールしてきたプロジェクト中でも、あらゆる面で一番規模がデカくて。だから、逆にここでオレの中のコアな部分でやって評価を受けなきゃ意味がないって気持ちは最初から凄くあったな。

うん。『オボレタ街』はDELIの凄くコアな部分を見せつけられる気がする。だから、凄く生々しいし、“これがDELIなんだな”って改めて強烈に感じた。
D:もしコレが受け入れられなかったら、それは多分、基本的にオレのことは受け入れてもらえないってことだから。ハッキリ言って(笑)逆に言えば、コレが受け入れられればオレらは安泰って言うか(笑)。

DELIのリリックって、“どうせ…”とか多いけど(笑)、でも、それが現実で…。そういうモノも全て飲み込んだ上で“生きてる”んだなって。
D:ウソくさい希望とか別に持ってないし。もちろん、そうなればいいなとか思うこともあるけど、現実見ちゃうとそうなることを信じれないし。正直、どっかであきらめてる部分もあるし。実際、トラブルも多いしさ。3日前にマネージャーが使い込みやら何やら不祥事放置でトンズラしちゃったし(爆笑)。現実ってそんなモンかなって(笑)。でも…だからといって何にもしないっていうのはイヤなんだ。結局、世の中どうだろうと、もしオレが明日死んじゃうとしても、死ぬ時に“ま、良かったんじゃん、それはそれで”ってぐらいには思いたいから、今動いてるっていうだけの話でさ。ま、カッコ付けて言えば、生き様みたいな感じになっちゃうんだけど。

でも、その感覚が凄くグッとくる。
D:結局、オレにはそれしか言えないし、それしか出来ないんだよ。ま、今もあんま変わってないかもしんないけど、オレはこれを見付けるまでは、何をやってるワケでもない、何がやりたいワケじゃない、言ってみりゃホントに中途半端な人間だったから。周りから見たらワルかったのかもしんないけど、それだって自分がそうなりたいと思ってやってたワケじゃないし。だから、もし今そういう状況にあるようなヤツらがオレのアルバム聴いて、どっかしら共感してくれたり、カッコイイって思ってもらえるとしたら、それはオレ自身が元々そういう人間だったし、今もそういう人間だからっていうだけなんじゃないかな。

 「集団ラップが好きだからオレの曲はそういうのが多いけど、最近は自分だけでどうやって聴かせるかにも興味がある」と語ってくれた通り、既に完成してるという海外某有名プロデューサー(エミネム関係との噂!)と組んだDELI名義による次作は、全編ソロ曲らしい。『オボレタ街』収録のソロ曲「バラマク」がスバラシかっただけに、期待はデカい! 進化し続けるYAKKOのプロデュース・ワークからも目を離すな! そして、DELI関連作で大活躍なミクリスのソロ・アルバム(発売中)もチェックせよ!




"オボレタ街"
Aquarius

[Cutting Edge / CTCR-14272]