メジャーに行っても、言いたいことを言う姿勢や、無理のないリリース・スケジュールを押し通す“レゲエのメッカ=大阪を代表するダンスホール集団”MJR。その天晴れ!なまでにハードコアなこの第3弾アルバム『3 The Hardway III』を前にしてゴタクを並べる必要など無い!、ってもんだが、コアな本誌読者は期待しているでしょう? という訳で、“全曲解説コメント”を期待に応えて、のお届け!

Intro Just Start」Takafin
Takafin(以下T):やっと出番が回ってきました(笑)。「Dancehall Rock」(春恒例のダンス)で披露したくて色々考えたんですけど、オケはもろレゲエじゃなくて。そこに歌を乗せることでレゲエにした、という。Home Grownええ感じです。勿論、生一発録りで。

「3 The Hardway III」J.T.B.
Jumbo Maatch(以下J):初めはミディアムでやろうか?っていってたんスけど、Home Gのアルバムでやっちゃうことになって(笑)、急遽ダンスホールに。ベースラインも4パターンでブレイクも一小節入れたり、ゴッツ細かい感じで、これは誰もやってへんよ!?な、ってモンが出来ましたね。
Boxer Kid(以下B):スティ・クリ(Steely & Clievie)はやっぱヤバいです。歌うのが大変な、かなりの変則型ですね。
T:ジャマイカ着いた日の4時にそのままスタジオ直行で(笑)。一応先行して歌があったんでその場で歌いつつ、スティ・クリも何故か一緒に歌いつつ(笑)、いつの間にかオケも出来てた、という(笑)。

「B.b-Express」Jumbo Maatch
J:打ち方が変わるヤツがやりたくて、Don(Donabon Bennett)に頼んだんやけど…こいつの場合はストックの中から好きなんを選ばせてアレンジするんですよ。で、こんな感じで!ってアイディアを加えて、ささっと出来た。歌もサビとヴァースをハッキリ分けた作り方で俺にとっては新鮮でしたね。

「Ringing」Takafin
T:Leftsideという時間にルーズなトラックメイカーと作りました。オシャレな感じのクラップが入ったのが欲しくて、頑張ってフロウを明るめに。化身的なチューンなんですけど、ベタな言葉は一切使わず表現してみました。JAのウチらの携帯に電話した留守電の音が入ってます。

「Get It On」Boxer Kid
B:久々のギャル・チューンです。で、この手のオケやったらRichard("Shams" Brownie)やん!と(笑)。この曲はトラック先行で歌乗せてったんですけど、どっちかと言うとトラックあってこそ書けるようなタイプ。昔はとにかく曲がめちゃめちゃあって、とにかく乗せてくって感じやったんですけど、やっぱりその方が作業も早いな、ということで戻しつつあります。

「Burn Baby」Jumbo Maatch
J:ギャル・チューンですね。結構前からあって…。現場で分かり易い、話仕立てで作りました。なんでオケはRichardに頼んで(笑)。みんなイケイケやねー、って言うねんけど、俺の中ではミディアム・ピッチのイメージ。ライヴでも使いやすいような。ミックスやってもらったFattaはサビ聞いて、「これラジオでかけれんのか?」って心配してた(笑)。

「Unstoppable」Takafin
T:近況報告、ですね。堂々と爆進中やぞ、止まらへんぞ、というアンセム。元々は『サウンドバクテリア "6"』用に録ったダブやったんですけど、Bassey(Owen Reynolds)に任せて、みんなでアーダコーダと言いながらオケを上げました。ちょっとキーが高いので歌うのが割と大変な曲かも。まあ、「高いキーでもしっかり歌う」といのは今回のテーマの一つでもあったんで、そこはクリアー出来たかなっと思っています。

「Just Do It」Boxer Kid
B:スティ・クリにオケを頼んで、ベタな2つ打ちのオケになりました。これが自分的にもタイムリーというか、気持ちいいというか、基本な感じがしますね。何か自分が客やった時に先輩DJが歌ってるのを見てた時の気持ちが甦ってくるような。そのまんまレゲエというか、王道的なもんが作れて満足してます。リリック的には曲名そのままのアンセムです。

「Stress Into Di Brain」Boxer Kid
B:前の曲と続く形でこのチューンもテーマはボン・バビロンなんですけど、後付けというか、こっちの方が(7インチで)先に出した曲です。3つのヴァースで話してる対象が違ってて…。オケはLeftsideとSeraniで歌録った後から上モノ入れてアレンジするパターンで完成しました。

「Answer Mi Question」Takafin
T:オレの質問に答えてくれよ!というシリアスな曲です。都合ええように躍らされんぞ!と。作った時期も時期やったんで…。この同トラの3曲の並びはマジメな感じですね。

「Mi No Ina Dat」Jumbo Maatch
J:戦争中の真最中に思ってたことを歌った。時事ネタはずっとやってきたし、車とか、女とかアピールすんのも大事かも知れへんけど、それだけやったらただのチャラ男なんで。やっぱり社会への不満から生まれた音楽やから、その要素無くしたらアカンと思うんですよ。だから勉強せんとアカンし。(本作中唯一の同オケとなるこの9〜11はワンウェイ仕様での収録)

「46 Kill Me」Jumbo Maatch
J:マイジャのミックス・テープ "6" で録り下ろした時は「やっちゃったかな?」とも思ってんけど、やっぱりくるやん、と(笑)。“ナイナイ”とかアレ的なんをスティクリにやってもらいたくて。読みが当ったというか、結局、この中で個人的に一番好きなオケになりましたね。曲的には一番古いなんけど、ええ感じなんでヨロシク、と。

「Head To Toe」Boxer Kid
B:トラックもそのままです(オリジナルはフランキー・ポールの同名曲。“ジャミース”物)。後からディーン・フレーザーのホーンとコーラスを入れて思った以上の出来になりました。「Shukaku-Sai」に続くミディアムのミディアム・チューンで、めちゃハードコアなことを分かり易く、という基本そのままの魂心の一曲です。

「Gwaan Good」J.T.B.
J:アルバム用の曲が揃った時に、通して聴いてもう一個これがあったら更によくなるよな、と思って、JAから帰ってきて頼み込んで入れることになりました。
B:Home Gのアルバムに入ってるヴァージョンとは別テイクで。でも、無理矢理感がないというか、アルバムのいい締め、になりましたね。
T:歌の内容は、「成長していってる」って感じにしてくれってリクエストがありつつ、レゲエ的な心の持ち方が出てるかな、と。
J:サビも「ぐずぐず 」と「すくすく」とか秘かに変ってて(笑)。結局、打ち方的にはミディアムちゃうよな?
T:そう、ピッチ上げてもうて。バンドも一斉に録り直し、で、スンマセンって(笑)。そこまでしてもうて…。
B:ライヴでやったら息上りそうになる(笑)。

プロデューサー2人からのコメント。
Kyara:前までは同オケの2〜3セグメントがあったんで、今回はグッとエクスクルーシヴになったとおもいます。色んなトラックメイカーも使ったし、その面でも豪華というか。だから何気にコンピを作ることも考えてます。あと、よく「メジャーやと大変やろ?」って言われるんですけど、何ら変ることなくやれてるんで有り難いですね。
Rock:トラックメイカーとの共同作業もスムーズになってきて、ブレジンゆうてくれるくらいの関係になれた。トラック作るのが更に楽しくなりましたね。一人一人のいいところも引き出せたし。妥協なく無理もなく。ウチらは「これがレゲエや!」ってことしかやれないし、そこの部分は変らず、でもメジャー配給といことで更に聴いてくれる濃いファンが増えたら嬉しいな、と思います。
PS. 因みにP.Vは「3 The Hardway III」に決定。何やらベースラインのパターンに合わせて場面が変るものになるとか…。お楽しみに!



"3 The Hardway III"
Mighty Jam Rock
[Victor / VICL-61193]]


Intro Just Start
3 The Hardway III
B.b-Express
Ringing
Get It On
Burn Baby
Unstopable
Just Do It
Stress Into Di Brain
Answer Mi Question
Mi No Ina Dat
46 Kill Me
Head To Toe
Confident
Gwaan Good