セカンド・アルバム『GrownUp』をリリースしたばかりのHome Grownが9/18、間髪入れずに『HighGradeWorks』をリリース。HomeGrownが何故ここまで絶対なる信用を築き上げてきたかがよく分る、そんな濃い内容だ。早速、その魅力を探ってみよう。

 「去年は2つと言っていたけど、今年は夏が3つ欲しいな」と言っていたHOME GROWNのリーダーTANCO。この7月にめでたく2ndアルバム『Grown Up』をリリースし、さらにジャマイカの「SUMFEST」に出演、そして10月の「SOUL REBEL」までレゲエのダンスでスケジュールがビッチリ…というアイドル顔負けのハード・ワーキンなHOME Gゆえに、夏がいっぱい欲しいというのもうなずける。

で、そんな合間を縫って、スタジオにも入っているという話を耳にした。それもHOME G名義の仕事だという……。“2ndを出したばっかりなのに、もう新作?”と思っていたら、どうやらHOME Gがこれまでに他のアーティストに提供した曲、又はリミックスをコンパイルして、アルバム化するというのだ。で、そのタイトルが『High Grade Works』。

 収録ラインナップを見てみると、MOOMIN「楽しむために」、RYO the SKYWALKER「Blue Star」、NANJAMAN「Born To Be Wild」等々の本誌読者ならばお馴染みのチューンがズラリ勢揃いし、まさにタイトル通りのHOME Gワークス見本市。しかも、そういった中に、女性R&BシンガーNEOによる極上ラヴァーズ「Kissing You」、元M-FLOのLISAがDeeJayスタイルをガツンとキメて最近話題の「Why Do Fools In Love」といった、そんなにレゲエ色の濃くないアーティスト達の曲も、しっかりHOME G印のサウンドとなって収められていて、とても美味である。

 とはいえ目玉は、冒頭のスタジオ入りによって生まれた2曲のニュー・チューンだ。1つはPAPA-Bのコミカルながらもお洒落な「Zoot Suits」。これは2nd『Grown Up』収録の「Slip, Trick, Truck」のオケを使っているのだが、PAPA-Bの声がのっかると、まるで別の曲のように生まれ変わっていて、必聴! で、もう1つは1st『Home Grown』収録の大傑作「Oasis」のアコースティック・ヴァージョンだ。

これがHOME Gの根城である葉山の海の家“Oasis”の、ゆったりとした雰囲気を醸し出していて、至福の心地よさ。この1曲の為にこの『High Grade Works』をゲットしても良いだろう。なもんで、既発曲で大半が占められているといっても、実に多彩なアーティストが並び、また新曲もありで、『High Grade Works』は、1st、2ndと並び、HOME Gの力を堂々と見せつけた一枚。もちろんポジティヴ・ヴァイブス全開です。



"High Grade Works"
[Flight Master / PCCA-01934]