各誌で好評を得ているMoominのIsland移籍第一弾アルバム『Rise Again』から8/6、「栽培したい 〜世界中で〜」がシングル・カット! Moominならではの普遍的なメッセージが込められたこのチューンの魅力とは。


 宇宙が生まれて百数十億年、地球が生まれてから約四十六億年、ホモサピエンスが出現してから三万年。地球の歴史を一週間だとすると、人類の歴史はわずか2秒ぐらいの話であって、我々人間の歴史なんて、宇宙にとってみれば一瞬でしかない。けど、人間たちはたった百年やそこらの人生で、財をなそうとして、地球をとことんいじめ倒し、吸収した化石燃料や森林の代わりに欲望を育て、裕福な生活を望むせいで無理ばかりをして生き、宗教では死後のことばかりを心配させている…。

僕自身、「どうして、人間ってこんなに苦しみながら生きる動物なんだろう」なんて考えていた時期もあったけど、それは多くを望みすぎて、無理ばかりしてしまうから、自分自身の首をしめているからなんだ、って気づけたとき、なんだか凄い気が楽になったし、逆に“今”という時間と空間を凄く有意義に、大切に出来る気持ちが湧いてきた。

「何、こいつ。気持ち悪いこと書いてるんじゃねぇよ!」って思われても仕方が無いけれど、これがMoominのアルバム『Rise Again』から8/6にシングル・カットされる「栽培したい 〜世界中で〜」を聴いて、僕個人が改めて思ったことだ。

 Moominが世界に“栽培したい”ものは、目に見える物質的なものじゃない。リリックから引用するならば、“希望の種植えて生き甲斐になるような夢”を栽培したいと歌っている。物質的なものばかりを“夢”としてしまうと、車や家など、どうしても欲望の対象になってしまう。

本当に価値がある、生きるために一番必要なものは、実は“金銭的”な面で言うと、一番価値がない空気であったり、水であったり。けど、“生きる上”では一番大切。それに気づければ、上ばかりを見ずに、たまには同じ目線を向けてみると、何かを食べれることが一番幸せで…。そうすると、私たちって、凄く幸せじゃありませんか?

 人それぞれに幸せの基準が違うし、人の幸せを望みすぎることって、押しつけにもなりがちだから、自分自身の幸せをかみしめることが、今の世知辛い世の中、一番大切だと思う。けど、それは決してエゴじゃないからね。

 ここまで、リリックの精神面を書いてばかり来たけど、それは僕自身がMoominの歌で、暖かい歌詞で本当に助けられてきたから。実はこの歌詞、最近鳴りを潜めている三木道三ことDozanが作詞を担当。こうした暖かな世界観を書けるDozanとMoominの優しい歌声が重なったときの壮大さ、そしてHome GrownのTancoが手がける懐の大きなリディムが、本当に優しく傷付いた心を包んでくれる。カップリングの「Everything Positive」も、思わず疲れた自分に“うぉ〜!”と渇を入れてしまう気持ちにさせてくれた。

ありがとう、Moomin。本当に元気と優しさを貰えました。皆様も、一粒の希望を栽培してみませんか?





「栽培したい 〜世界中で〜」
[Universal / UPCH-5199]