MIX TAPE
1. Dev Large / Ghetto Funk Vol.1(Lesson Breed)

ソロとしても次なる展開が期待されているデヴ・ラージの初の単独ミックス・テープ。DJの際の名義=ボボ・ジェームスとして繰り出す盤の数々は、クール&ザ某や、アイザック何某、マヌ云々…等のヒップホップ・トラックにかかせない“濃ゆいファンク”満載のモノばかり。これまでにも“カーティス物”、“ブランズウィック物”のオフィシャル・ミックスCDでもその手腕は発揮済みだが、今回は制約がないだけに更なる“魔王”ぶりが楽しめる底ナシの一本、となっている。

ALBUMS


2. Lil' Kim / La Bella Mafia (Warner)


クイーン・ビッチ=リル・キムのソロとしては3枚目のアルバム。前作よりもヒップホップ寄り(?)と早くも評判の今作は、ティンバランド制作の1stシングル「The Jump Off」(ロストボーイズのフックが飛び出す…)から、50セントが歌う「Magic Stick」、オールドスクール・フレーズをハヴォックとともにキックする「Hold It Now」に、ミッシー・エリオットとの「(When Kim Say) Can You Hear Me Now?」等々、十分なバラエティを持たせつつもR&B路線は殆ど無い作りに。タブー知らず、の何とも逞しいキャラクターである。
3. Fabolous / Street Dreams (Elektra)


DJクルー率いる“デザート・ストーム”の稼ぎ頭=ファボラスの2nd。ロング・ヒットとなった「This Is My Party」に「Trade It All Pt.2」は勿論のこと、トラックマスターズ作の「Damn」、ジャスト・ブレイズ作の「Can't Let You Go (Feat.マイク・ショーティ&リル・モー)」、スヌープとの「Up On Things」、アシャンティとの「Into You」、メアリー・J・ブライジとの「My Life」(最近J-Loが歌ってるあのネタ)、といったキー・トラックが次々と頭を出す待たされただけの甲斐ある一枚になっているのは言わずもがな。クルー&ドゥロが中心となるサウンド・プロダクションの新しさだけでなく、あのオリジナルなフロウもしっかり味わえる“旬”のアルバム。
4. DJ Kaori / DJ Kaori's Def Jam Mix(Def Jam)

これまでにも『デフ・ソウル・ミックス』や『パラッパ・ザ・パーティ・ミックス』(トミーボーイ音源)といったミックスCDを出しているご存知、DJカオリの新作ミックス。アシャンティの「Leaving」から幕を開けつつ、LL・クール・J「Amazin」や、ジャ・ルール「Thug Lovin'」といったシンガー絡みの楽曲を交え24曲(イントロ除く)のセレクションで独特のグルーヴを聴かせてくれる。レッドマン「Tonight's The Night」、クルー「Just Another Day」、ナイス&スムース「Cake And Eat It Too」といったクラシック物もさり気なく入っているところも嬉しいし、K・フォックスのデビュー曲が世界先行収録されている点にも注目して欲しい。
5. V.A. / R&B/Hip Hop Presents Old School Party (Avex)

トラックス専門レーベル“AV8”の音源を使用した人気ミックスCDシリーズ『R&B / Hip Hop Party』の最新タイトルは“オールドスクール”に焦点を当てた実にタイムリーな内容。クルックリンクランの「Piper Beats」から、伝説のアオリDJ=DJクール絡みの「Here We Go」、ファットマン・スクープ絡みの「It Takes Two」といった外せない曲は元より、アッと驚く曲も盛り沢山。ミックスするのは同シリーズでもお馴染みのDJダスク。ワン・フレーズだけで身体が反応してしまうようなビートのマジックを堪能して頂きたい。
6. Kohei Japan / Funky 4 U(File)


メロー・イエローのコウヘイのソロ・プロジェクト第2弾。タイトルにもあるように、コーヘイ・ジャパンのキーワードである“ファンキー”さは、そのカラフルなトラック(まるでマーブル・チョコレートのよう)から、「マジ話から下世話な話題まで綴るリリシスト」(←資料よりサンプリング)ぶりが光る時にブルージーなフロウから十二分に匂ってくる。プロデュースは“本人”が8割担当した他、DJワタライ、DJフミヤ、DJタツタも参加。フィーチャリングは実兄マミーD、リトル、ナゾの新キャラ=スパンキー・スパンク、そしてDJビート。とにかく、そのサブジェクトの多彩さと、芯の強さを実感して頂きたい。
7. 3582 / Situational Ethics(Bad News)

ファイヴ・ディーズの中心人物=ファト・ジョンと、ローン・カタリスツのJ・ロウルズが各々のペイジャーコードを合体させたスペシャル・ユニット=3582(サーティファイヴエイティートゥー)の2ndアルバム。今回もF.J=MC、J.L=ビートと、その世界観そのもののライムが聴く者の心を解きほぐす…。F.Jが手掛けるリミックスやインタールードもキッチリと用意されてる。更に“バッド・マジック”から'00年に出た今や幻の12吋盤「Early Morning」収録音源を追加した名作1stも同時リリース。
8. Doberman Ink / Mega City Five(D-ST.ENT.)

筆者のレーベル“D-ST.NT”のアーティスト、“O-Town Finest”ことドーベルマン・インクの2ndアルバムが完成しました。2枚組で全25曲(インタールード、スキットを含まず)のヴォリュームで、トラックメイカーも最近かなりビジーなBLの他、新加入の中国人プロデューサー=Wong Gunに、関西シーンの開拓者=DJケンソウとレンジも広がり、肝必要のMC陣も見違える位にスキル・アップした、というコトは誰の耳にも明らかだと思います。ゲストは、スフィアのE.Pにも参加したノリシャム-Xと、“O-Town Mega Rookie”こと4WD、ウルフ・パック、DJシン、スパイダー、ジェイド、アスカ、チータートラックの3人のDJ。オータウン・ヤングスタの勢いがタップリ詰まってます。
9. S- Word / Fight For Your Right(Def Jam)

スウォードの待望の2ndアルバム『Style Warz』(6月予定)を控え先行発進するE.P.は、何とビースティ・ボーイズのクラシック「Fight For Your Right」のリメイク! その元版ではスレイヤーのケリー・キングらが務めていたバック(ギター&ベース)には録音物でも共演済のハードコア・バンド=Numbのメンバーが担当し、スウォードはフックのフレーズ以外は全てオリジナルの日本語詩で勝負。カップリングは、“デフ・ジャム・ジャパン第5の男”ことハイ・DをフィーチャーしたDJヤス制作の「Devil May Kry」で、またもや“まったく新しいスウォード”が体感出来る仕掛けに。
10. Maguma MC's / MGM(Monohon)

レペゼン京都、エリア関西代表の“真っ赤なマグマ”ことマグマMC'sの初CDが登場。アナログで既に話題沸騰だったDG制作の「MGM」、Vib Fab制作の「Nextage」、刃頭制作の「That's What We Are」と、タイプの全く異なる3曲だが、マグマの懐の広さを匂わせるにはまたとないパッケージ。現場の熱量をアゲまくる熱血自己紹介チューン「MGM」から、ストイックなまでにヒップホップ道に邁進する姿を描いた「Nextage」、そしてダンス・フロアーの楽しさを語る「That's〜」まで、リュゾウとノブの2MC、その独自の美学を見る。必聴!
11. Cuzsick / Boyhood(Warner Indies)

仙台シーンが育んだ全国区アーティストは後を絶たないが、中でもいち早くレコード・デビューした彼の名を忘れてはいけないだろう。そう、カズシックの実に3年半ぶりとなるミニ・アルバムが登場した。No.1ブロックを率い、ユウザロック★の2ndアルバムにも尽力した彼が同じく仙台で活動してきたライヴ・ファンク・バンド=ソウル・アディクションとガップリ四つで組み届けてくれたオールドスクールとニュースクールをまたいだ超ファンキーな世界。そのキャリアの深さを感じずにはいられないボーカリゼーション、そして金言の数々をお楽しみあれ。

SINGLES
1. EL-P+ Ambivalence / Kaneda's Theme(Fiveman Army)

“2003 From Oriental Underground”を標榜する、2つのアキラ(黒沢明と「AKIRA」)を生んだここ日本の真の世界レヴェルのトラックメーカー=アンビヴァレンスが主宰し、世界のトップ・クリエター、アーティストたちが賛同する新時代の共同体=ファイヴマン・アーミー。その第1弾は、あのEL-Pが「AKIRA」にインスパイアされたリリクスをアンビヴァレンスのハイパーな近未来極東ビーツの上でブチまける。震えずには聴けないドープな一曲で、カップリングには昨年リリースされたアルバムも素晴らしかったNumbの新曲。全世界コア・カルチャーを完全K.O.するアルバム(FMA計画、仮称)までのカウントダウンは始まった…。