昨年度の“喧嘩屋サウンドの世界頂上決戦”=「ワールド・クラッシュ」で初出場ながらも見事に優勝をかっさらい、世界チャンプの座を獲得、一夜にして世界的には無名なカナダのサウンドから、世界中のサウンドから狙われる立場へと勝ち上がった今一番注目を集める“CDサウンド”レベル・トーン。3月の初来日も決定した噂の彼奴を直撃電話インタヴュー!


 本名はディウェイン・ヌービー、24才になる。生まれはジャマイカで、8才からカナダ/トロントに移った。親父がシンガーで、大して成功はしなかったんだけど、その影響もあっていつも音楽を身近に育ってきて、サウンドを始めたのも極自然な成りゆきだった。他のサウンドに属したこともあるけど、始めた94年から自分で“レベル・トーン”と名乗って、一人でもやっていた。そう、基本的にレベル・トーンは自分一人、何人かとも組んだけどうまくいかなかったな。レベル・トーンと名付けた理由? まぁボブ・マーリーも言っていた様に、レゲエはレベル・ミュージックだし、自分の周りの人達もそうした社会や生活と闘わざるを得ない立場の人達ばかりだったし、そうした人達のためにプレイしようと思ったからかな。
 始めた頃はマイクも握らずミックスばかりしていた。今でこそクラッシュのイメージが強いけど、元々はジョグリン・サウンドだし、ジョグリンが好きだね。CDを使い始めたのは2000年から。ジャマイカのCDサウンド、ナイトロが4ヶ月程カナダに滞在したことがあって、半信半疑だったけど、一度機材を貸してもらったら、30分でマスター出来たんだ。正直、ギャンブルだなぁとも思ったけど、やはり経済的なこともあるし、使ってみようと決心したんだ。今は全く問題ないネ。

 ダブは元々ジョグリン用にレベル・トーンの名前を入れた程度のものしか録ってなかったんだけど、クラッシュをする様になってからは自分のアイディア通りのものを録れるまで何度でもやり直すって感じかな。完璧なものを求めるからね。この間もジャマイカで沢山録ったばかりだけど、普段はジャマイカの友人のアーティスト達、キップ・リッチ、ダニー・イングリッシュ、ベイビー・シャム、エッグ・ノックなんかに電話して録ってもらったりしているんだ。アイディアと内容はその時々だな。

 ワールド・クラッシュは自分の人生の中で一番の出来事だった。初めてカナダ以外のサウンドともプレイしたし、優勝までしちゃったからネ。冷静に見えたって? いやいや、すげぇ緊張したよ(笑)。でも、とにかく凄い経験だった、忘れられないビッグ・ダンスだな。勝てた理由は、まぁ観た人達の判断だと言うしかない。うん、確かにそれ以降、色んなサウンドやプロモーターからクラッシュを持ち込まれる様になったけど、プレッシャーと言うよりも、これまでの苦労が報われたという感じがして、特に重くは考えてはいない
。うん、イージーだよ。おかげでカナダ以外でもプレイ出来るようになったし、経済的にも助かっているし、一番良い状態にある。そう、トリニダードではマイティ・クラウンとも一緒だったんだ。彼等の印象? 凄いと思うよ、ジャマイカ人はなかなかジャマイカ以外のサウンドは認めないけど、彼等は間違いなく世界中の殆どのサウンドよりも優れているし、殆どのジャマイカのサウンドよりも良いよ。自分もジャマイカ人なんだけど、カナダのサウンドということで、彼等と同じ様な扱いを受けることもある、でも、まぁ最近はリスペクトされているよ。

 影響受けたサウンドは沢山あるな、でも、一番はやっぱりストーン・ラヴかな。勿論、それ以外にもメトロ・メディアやボディ・ガード、キラマンジャロ、トニー・マタロンとか沢山好きなサウンドはあって、それら全ての良さを自分なりに混ぜたものが出来ればと思うな。いつでも好きなアーティストとチューン? そりゃニンジャマンだ。スティングとかでの凄いのを観てきているからね。だから、曲は「Murder Dem」(笑)、分かるだろ? 

 日本へは初めてだから、どんなヴァイブスがあるのかは知らないけど、そこに自分のヴァイブス、持っているものを1,000%、100じゃなくて1,000%だよ、分かる? それをブチ込んでやろうと思っている。どう受け止めるられるかは分からないけど、楽しみだ。とにかく期待してくれよ、リスペクト!



【World Connection Vol.2】
[出演]Rebel Tone, Mighty Crown, Renaissance
[日時]3月7日(金)開場/開演 22時30分
[会場]横浜ベイホール
[料金]前売¥3,500/当日¥4,500
[問]Mighty Crown Entertainment/045-663-7231