【海外オムニバス・アルバム】

キラ:リズムの年って言うけど、昔っからそうなんだよね。それってGleensleevesやVPが1ウェイ・アルバムをきっちり出したから、一般的にはそういう印象が強いだけなんじゃないかな。

石川:海外はリディム・トラックで動いているってのが当り前にあるけど、やっとそれが日本でも分かってきたって感じじゃないですか。

八幡:現場では勿論だけど、ホントそういう事が広くに浸透してきたよね。

大場:レゲエの楽しみ方が分かってきたって事だし、いい傾向ですよね。で、今年の象徴的なリディムと言えば再三出てる "Diwali" と "Party Time"。それぞれ1ウェイ・アルバムも出てますよね。

キラ:"Diwali" とかヒップホップの現場のメインタイムで盛り上っちゃうからね。で、あとどうしても『Strictly The Best 29 & 30』は入っちゃうね。あと内容的にはやっぱりSteely & Cleevieの『Old To The New-A Steely & Clevie Tribute To Joe Gibbs Classics』。これは良かったなあ。企画もきっちりしてるし、断トツでしょ?

Old To The New-Steely & Clevie Tribute To
Joe Gibbs Classics / Steely & Clevie (VP)
Diwali / V.A.
(40/40 / Greensleeves)
Party Time / V.A.
(In Time Music / VP)
Strictly The Best Vol.29 / V.A.
(VP)
Strictly The Best Vol.30 / V.A.
(VP)
Spice Of Love / Mighty Crown
(Victor)



【リイシュー・アルバム】

八幡:今年は本当に良かったね! お金使いましたよ。

大場:それじゃ、ここで本誌でリイシュー系を担当している武田さんに参加して頂いて…。

武田:良かったですね。やっぱりSoul Jazzの "Studio 1" シリーズとTrojan。Trojanのボックスって月いちくらいで出てたし。ダブリはあるけど、そういうの越えてますよね。あとBlood & Fireの "Select Cuts" シリーズかな。特にSoul Jazzって "100%" シリーズで色んなレゲエの聴き方があるって分からせた上でStudio 1に持って来たっていう。しかも入門用って訳じゃなくて結構突っ込んであるし。音質も素晴らしい。単に貴重な音をそのまま出すんじゃないこういう編集盤って送り手側の愛情が凄く伝わるんですよね。

キラ:ちゃんと無視出来ない曲が入ってるんだよね。もうすぐ出る『Studio One Story』はDVDが期待出来るね。来年1位決定かな? あと俺としては "The Complete Bob Marley & The Wailers 1967 To 1972" シリーズのIVとV。どんだけ血眼になって探してたかって曲や噂には聞いてたけどって曲がいっぱい入っているし。1曲ウン万円ってのがゴロゴロ。ほんとコンプリートしてますよ。あと今年はちょっと地味だったけど、やっぱりHeartbeatもTreasure Isleのいい編集盤を出してたし。スカと言えばTop Deckの7"の8枚組『Top Deck Ska 45's Box』もついつい買っちゃいますよね。

八幡:Maximunm PressureのDigital-B音源『Flag Frow High』とXterminator音源『Rough Inna Town』もね。今の時代に意義あるよね。

大場:Wackie'sの貴重盤もたっぷりと出ましたね。Sugar Minotto『Wicked Ago Feel It』は持ってなかった人には嬉しかったんじゃない? あと前回好評だった『Relaxin' With Lovers』の第二弾も良かったしね。

塩田:こだまさん関係のも20周年という事でいっぱい出ましたね。『1982/2002』『14 Echo+1』『Kodama & Gota Live』、それとアナログ盤のみの『Dubwise』も。そう言えばJammy'sも90年前後のがどばっと出てますね。

石川:Alpha Enterpriseもアーティスト単位でCDで出したけど、輸入アナログ盤もどっと入ってるんですよね。あっ、Dennis Brown『The Promised Land 1977-79』を忘れてた。

八幡:これだけ愛情を持って真面目な取り組み方をするレーベルが増えて、シーン全体がレベル・アップしてきたよね。買う方は今年、ほんと嬉しかったよね?


Studio One Scorcher / V.A.
(Studio One / Soul Jazz)
Studio One DJ's / V.A.
(Sutudio One / Soul Jazz)
Freedom Time / Bob Marley & The Wailers
(Jad)
Soul Adventure / Bob Marley & The Wailers
(Jad)
Trojan Calypso Box Set / V.A.
(Trojan)
The Promised Land 1977-79 / Dennis Brown
(Blood & Fire)



【海外アーティスト・シングル】

石川:"Diwali" の一番ヒットした奴で決まりじゃないの? でもWayne Wonder「No Letting Go」ってよりもBounty Killer「Sufferah」が一番でしょ?

キラ:文句無しでしょ。歌詞も何もかも。Sean Paul「Gimme The Light」は?

石川:出たのは去年なんだよね。でも番外にでも入れないとね。あとSizzla「Karati」も入れなきゃね。トラックで言ったら "G-Strings" と "X5"、それと "Engine" かな。

塩田:J-WAVEの「Vibes Camp」ではElephant Man「Tallup Tallup」「Higher Level」とか結構強かったですね。リクエストも多かったし。
キラ:あと「Badman A Badman」。このElephantの不良三部作で決まりじゃないですか? T.O.K.は?

石川:最近出たばっかだけど "Masterpiece" の「That Girl」がいいね。

八幡:あと "Party Time" と言えば…やっぱWayne Marshallだよなあ。

キラ:Wayne MarshallだったらVyb'z Cartelとの「New Millenium」も入れないと。

八幡:日本で独自にヒットしたって言ったら?…Harry Toddler「Drive By」とか?

塩田:ラジオ的にはなんといってもWayne Wonder「No Letting Go」でしたね。

八幡:でも、歌ものが意外と少ないね。ま、Elephant ManとLenkeyの年だったって気もするよね。


1. Sufferah / Bounty Killer (40/40)
2. No Letting Go / Wayne Wonder (40/40)
3. Tall Up Tall Up / Elephant Man (Stone Love)
4. Higher Level / Elephant Man (Q45)
5. Party Time / Wayne Marshall (In Time Music)
6. Karati / Sizzla (King Of Kings)
7. Badman A Badman / Elephant Man (Stone Love)
8. New Millenium / Vyb'z Cartel & Wayne Marshall (Don Corleon)
9. Fitness / Bounty Killer feat. Angel Doolas (Awful)
10. That Girl / T.O.K. (40/40)
  I'm Still In Love With You Boy / Sean Paul & Sasha (Steely & Clevie / VP)
  Party Time / Danny English & Eggu Nog (40/40)
  Just Dead / Bounty Killer (Rattler)
  Frenzy / Sanchez (VP / Joe Frasier)
  Gimme The Light / Sean Paul (Black Shadow)


【国内アーティスト・シングル】

塩八幡:ジャマイカものを拝借するってのだけでなく、自分達の欲しい音をジャマイカ人に作らせるってのが多くなったよね。そういう意味でジャマイカ至上主義みたいなものから進化したんじゃないかな。そう考えるとPushim「Forever」だな。現場で見ててもやっぱ良かったよね。
キラ:実際、現場でよく聴いたのは「Forever」とMinmi「Perfect Vision」のJumbo Maatchが絡んだ奴ね。

塩田:Ryo The Skyawalker「From Distance」はいい曲だよね。もっとヒットすべき。あとHome Grown「Oasis」とReggae Disco Rockers「太陽の石」がいいなあ。特に「Oasis」は番組用に作ってもらったトラックなので思い入れが強いです。

石川:RDRなら「I Saw The Light」の方が最高だけどなあ。

八幡:スキルと言うか、リリックのテーマをもう一歩突っ込んで欲しいってのが希望かな。あとそろそろメンツも歌うテーマもお客さんの盛り上がり方もある種決まってきた様な感じがするから、広がったけど同時に閉鎖性も出てきちゃったとも思えるんだよね。
キラ:バウンティ・キラみたいな柱のある事を日本に置き換えてビシっと言える奴が出てきたら、アーティストもお客さんもまた変わるだろうね。


1. Forever / Pushim (Ki/oon)
2. Oasis / Home Grown (Pony Canyon / Overheat)
3. From Distance / Ryo The Skywalker feat. Pushim (A.K.A.)
Bring It On / Fire Ball (東芝EMI)
The Perfect Vision (Wicked Mix) / Minmi feat. Jumbo Maatch (Rock City)
Triple Loaded / Mighty Jam Rock (Mighty Jam Rock / KSR)
Rule / NG Head (Rock City)
ラガラガレゲエ馬鹿道場 / H-Man (Overheat)
エビータ / Papa B (Sky Is The Limit)
禁断の森 / Moomin feat. Corn Head & Rude Boy Face (Ki/oon)
Rude Boy Face / Anthem (Bay Ride)
Reggae Disco Rockers / 太陽の石 (Flower)

大場:今年のレゲエ・シーン全体を振り返って、皆さんはどう感じましたか?
石川:特に飛躍した感じはしないけど、確実に底辺は広がった感じはしますね。やっぱりいつもの様に面白いんですけどね。
キラ:ダンスホール・シーンとしては、下ってはいないけど、伸びは微妙ですかね。面白さは毎年ですから。それよりもヴィンテージ物のリイシューのファンを含めて、ジャマイカ音楽とそこから派生した音楽って括りでは聴く人が凄く広がったんじゃないですか。
武田:リイシュー物に関してはコレクタブルって事じゃなくて、他の音楽ファンにとってもレゲエはいいってのが伝わった年じゃないでしょうか? あとDeterminationsとか見てるとレゲエの懐の深さとかよく分かるしね。
塩田:日本人に関しては、今は横一線に並んでる感じの中から来年誰が飛び出るのかってのが楽しみですね。メッセージ性があって影響力のある人が出ればいいんですけど。
八幡:メーカー側もショップ側もレゲエへの期待感が高かったですね。地方でもショップやサウンドといった音を発信する側が愛情を持ってやってる所はしっかり形になった年だと思いますよ。もっと活性化して、ゆくゆくはイギリスの様にレゲエがあって当り前みたいな環境になれば面白いんですけどね。ホントもっと広がって欲しいです。