新まずは、BANAとレゲエとの出会いは。
BANA (以下 B):10年くらい前にニューヨークのWNWKのテープで。「ギル・ベイリー・ショー」かな? よく知らないんだけど、いろんな人の話を聞くとニューヨークでは有名なラジオのDJだったみたい。

そのテープのどこに惹かれたのかな。
B:ギル・ベイリーって人の喋り方。どっちかって言ったらギル・ベイリーって喋り手さんの声にやられて、レゲエってかっこいいなって思った。で、徐々にその喋り方を真似るようになっていって、極端な話それしか聞かなかった時期があったりした。今でも言い回し的なもので残ってるものもあるよ。アーティストとかじゃくてラジオのDJが、ラジオDJを目指してた自分にとって一番衝撃的だった。

ラジオ番組としてレゲエを最初にとりあげたのは、どんな番組だったの?
B:アルバイトでヴァージンメガストアの店内DJやってるときに、FMバナナって有線放送局でも(DJ)やらしてもらってたから、「レゲエの番組やりたいな」って言ったら、「じゃあやってみれば」って言ってくれて。すごくオープンなスタンスの所だった。

それで、ひとりで喋って廻して構成考えてって環境を与えられた。週一生放送でレゲエを3時間。(レコードは)すごく買ってたよ。どう買っていいかわからないけど、いろいろ適当に買ってて、もうアリワのラヴァーズもアズワドも当たり前だし、当時出てた日本人も、一番かけてたのはミニドンの「親子酒」って曲で一番リクエストもきたし、あとナニワマンやボーイ・ケンとかもかけれたし、ジャミーズも当たり前にかけてたし、いいトレーニングの場になって、柔らかい頭を作ってくれたかな。

インターFMでの「Daddy-B's Basement」をはじめたきっかけは。
B:制作会社で番組作ってて、インターFMでアシスタントをやらないかって話がきて、それでインターのDJ達が気に入ってくれて、「コイツ喋れるんだから」って推してくれて、日曜日の夜中にレゲエの番組をやらせてくれたんだけど、3か月で終わっちゃって。その後宇治田(みのる)さんとダンスクラシックの番組をやって、それが認められて、新しい番組をやらしてもらって。

それは僕は選曲してなくて喋るだけで、ヒップホップとかR&Bとかハウスとかかかってて、それを半年やって。そしたら「お前は廻せて喋れて制作もできるから」ってことで、やっと自分の毎週土曜日の2時間番組になって、それが「Daddy-B's Basement」なんだよね。でもレゲエの2時間番組というじゃなくて、(最初は)ヒップホップ、R&B、ハウス中心のミックスショー。しかも自分で廻して。でも徐々にレゲエの割合を増やしていったんですよ。それで8月に「真夏なんで全部レゲエでいきますか?」って言い出したりしてるうちに完全レゲエの番組にしちゃってたんですよ。

その頃にいろんなジャパニーズ・レゲエのアーティストと出会っていったんだよね。
B:MIGHTY CROWNがヴォルケイノの(ミックス)CDを出すときに番組にゲストできてもらって、はじめて会って、それからCROWNとの付き合いが始まって。僕の中でCROWNの存在が大きい所は、いろんな所でリンクさせてくれて、CROWNの10周年とその年の「レゲエ祭」、2回とも出してくれてそこからレゲエって環境に戻ってきたというか、今まではヒップホップのイベントでレゲエとヒップホップを廻してたのが、どんどん(レゲエの)現場に引っ張ってもらって…、本人達は絶対そんなことは考えてないんだろうけど (笑)。

僕的にはそういうレゲエ中心の生活に引き戻してくれて、いい感じに自分のベースとしてインターFMで番組をやってて、MOOMINNも参加してくれてたのも僕にとってキャリアの中で大事な要素で、MOOMINと話したり制作してるの見たり曲作りで苦労してるのを見たりしてるうちに、今までラジオ的視点だったものがいろんな所からレゲエを見れるようになったりした。

それまでヒップホップやってる仲間とかが多くて、レゲエやってる人は少なかったんだけど、でもそのCROWNであったりMOOMINとか、PUSHIM、RYO君、H-MANとかどんどん知り合いができていって、自分のホームステーションのインターFMでこれから更に強力なレゲエ番組を作って、ひとつのシーンじゃないけど、どこも真似できないような番組ができるって段階のときにどんどん番組が削られて、気がついたら番組も終わるかもっていう状況の中で、J-WAVEからオファーがあったんだよね。

でも自分がずっとやってきたし育ててもらったし、裏切りたくなかったし、いろいろやってくうちに自分のやってるものを次のステップに持っていくんだったらJ-WAVEだなって思って、いざインターに話そうかと思ったら既に番組終了が決定してたから、すんなり移動はできた感じかな。

BANAにとって選曲の基準って何?
B:曲をかけるのに気を使ってるのは、自分の手元にある音で気にいったものはかけるし、気にいらないものはかけない。今回のCDもそうなんだけど、20秒くらい聞いていいなってインパクトがあれば、いいなって思うし、あとから徐々にくらう曲もあるけど、やっぱりラジオって聞いてる人がダイヤル変えて、「あっこの曲いいな」ってと思って止められる曲って言ったら、その場の一発勝負じゃないですか。だからイントロから30秒くらい聞いて、よくないと思ったら使わないことが多くて、今もそういう観点かな。

BANAから見た最近のジャパニーズ・レゲエ・シーンはどう?
B:業界として成熟してきたのが去年〜一昨年だと思う。それはもう総合的に。音作りもそうだし、DJだってシンガーだってそうだと思うし。リリースする方法だってプロモーションだって、レゲエ音楽業界として成熟してきたのが、三木君(の「Lifetime Respect」)が出てくるちょっと前くらいとか、一年くらい前だと思うんですよ。

三木君の曲にしてもプロモーションとかそういうものよりも曲自体にみんなが乗っかってったわけで、それはもちろん三木君って魅力もあったんだろうけど、なんかラジオ・フレンドリーな感じの曲でもあったし、でも媚びてる曲でもなかったし。全体的にクォリティがとにかく上がったと思うんですよね。ただ残念なことにクォリティが上がってても偏見を持ってる人たちはいっぱいるから、おかげさまで変なブームになってないと思うんですよ。ラジオ的環境で言ったらJ-WAVEという認知のあるステーションがしっかりしたものをきちっとやろうというのも大きいかな。

その「Vibes Camp」でリスナーに伝えていきたいものは?
B:「Vibes Camp」で何を伝えたいかというと、どの音楽でもそうなんだけど、レゲエは楽しいし自由だし、でも奥は深いんだよっていうこと。その奥の深い部分に関してはどうこう言うつもりもないし、言おうとも思ってないんだけど。ラジオを聞いて現場行ってもらったり、いいなと思った曲を実際に自分で買ってもらったりしたらいいかな。

そういう風になればなるほど、笑われちゃうかもしれないけど、もっと世の中平和になると思う。だってレゲエみたいに普通に「ワン・ラヴ」とか、ストレートに表現しきってる音楽ってないから。そういう所を当たり前に感じてもらえれば、それが千人中ひとりだったのがどんどん繋がってって、そう思う人間が増えれば増えるほどコンシャスな考え方を持つ人間が増えると思う。

では、最後に『Di VIBES』について。
B:自分が買おうと思わなかった曲は選ばなかったし、2002年のベストだとも思わないし、自分が聞いた中で、その選曲をしたときに頭に浮かんだものを選んだって感じかな、CD1の方に関しては。やっぱり自分の耳に残ってて頭の中に響いてるものを選ばなきゃウソかなと思って。それで口頭でこれとこれとこれって選んだし(笑)。CD2は聞いたときのインパクトの方が強い。そういう意味でKENTY GROSSとかシバキマンとか、パっと聞いてその場のインスピレーションで全部選べたし、本当その場のヴァイブスで選んだってのが一番かな。

なんか自分のメンタリティの中で、ラジオの中でもその場の勢いとか、例えばミックスに関してラジオだったら前の週にこういう組み立てでいこうってことは考えるけど、でもその場で「そうじゃない」と思えば変えるし、ミックスCDっていう形に残るものでそういうやり方でいいのかなって考えたこともあるんだけど、せっかく自分にやらしてもらえるんだったら自分らしいことをしようと思って、だからこそミックスにしても何も考えないでスタジオに入って、使用できる曲の流れを見てその日の曲順でやって。でも、繋ぎやすい繋ぎにくいはあんまり考えてないんですよ。僕の主体になってるライヴ感、その場っていう感じでやりましたね。

BANAセレクション&ミックスによる2002年リリースのジャパニーズ・レゲエを堪能できる2枚組CD。1枚目は、ミディアム・テンポ中心のセレクションで、2枚目は現場ノリなノンストップ・ミックスという超お買得盤。

V.A. / Di VIBES〜Japanese Reggae Selection 2002
[CD1]
1  Fire Ball / DANCING MOOD
2  Papa-B / いざ ゆきな
3  Ryo the Skywalker feat. Pushim / From Distance
4  Boogie Man / STEP UP〜 ゆらりゆられて〜
5  Home Grown feat. Pushim, Moomin, Papa U-Gee, Ryo the Skywalker,
Fire Ball (Chozen Lee, Criss & Jun 4 Shot ), Keyco & Papa-B / Oasis
6  Papa U-Gee / KEICAI NI (Dance to Jah Musik)
7  三木道三 / 明日の風 (yahoo version)
8  Pushim / FOREVER (Stanley Dub Mix)
9  Moomin / 夏の終りのハーモニー
10 H-Man / ラガラガレゲエ馬鹿道場
11 Nanjaman / RIDDIM RIDER
12 Takafin feat. Minmi / JOURNEY INTO...

[CD2]
Japanese Reggae Selection 2002 Mix
1  Pushim / FOREVER
2  Boogie Man / STEP UP〜ゆらりゆられて〜
3  Papa-B / いざ ゆきな
4  Papa U-Gee / KEICAI NI (Dance to Jah Musik)
5  H-Man / 飛んどけ跳ねとけ 02
6  Ryo the Skywalker / I-KA-NI-MO
7  Nanjaman / RIDDIM RIDER
8  Soul Eye / 電源
9  Maji-Man / KATANA
10 シバキマン / SWEEPER '02
11 Kenty Gross / REGGAE MUSIC
12 Papa-B / ONE, TWO
13 Takafin / R.I.P (REST IN PEACE)
14 Jumbo Maatch / ON TIME
15 Boxer Kid / TOO HARD
16 Fire Ball / FIRE GIRLS' ANTHEM
17 H-Man & Neo / 星にお願い
18 Moomin feat. Corn Head & Rude Boy Face / 禁断の森
19 Home Grown feat. Pushim, Moomin, Papa U-Gee, Ryo the Skywalker,
Fire Ball (Chozen Lee, Criss & Jun 4 Shot), Keyco & Papa-B / Oasis
20 Fire Ball / DANCING MOOD

[Ki/oon / KSCL5〜2]¥3,059 (税込)