今年も嬉しいことにビッグ・ダンスが数多く開催された。恒例となったものから復活したもの、新しく始まったものと様々。まず初夏の先陣切って行われた三河の侍、Ya-Low プロ主催の「ハンズ・アップ」。ホーム・グロウンのアルバム『オアシス』に参加したメンバーの殆どが集まり、ソウル・アイ等の地元Dee Jayと一緒に満員のお客を盛り上げていた。ここでは全国初であろうホーム・グロウンの「オアシス」が聞け(キーコは不在)しょっぱなから大満足のダンス。

 夏本番になるとサウンド、バンド編と2回に分けて行われるようになった御存じマイティ・クラウン主催の「横浜レゲエ祭」。今回紹介するのは先に行われたサウンド編で毎年、日本全国から勢いのある旬のサウンドが大阪と並ぶトップクラスのレゲエ・エリア、横浜に集結。会場のキャパシティでは収容できないほどの人、人、人。出演アーティスト、サウンドも酸欠気味の中、ここぞとばかりに大暴れ(ファイアー・ボールで会場中プロペラ!)。ここではマイティ・クラウンはもちろん、成熟しつつある広島のサウンド、ジャム・マッシヴのプレイが光った。
 その広島エリアでも今年はクアトロも完成し万全の態勢でユニティ・プロ主催のビッグ・ダンス「広島レゲエ・バッシュ」が行われた。地元Dee Jayのサンバルカンやプシン、リョウ・ザ・スカイウォーカー、パパB等内容の濃いショウで一発目としては大成功であったであろう。地元サウンドも前述のジャム・マッシヴの他にビッグ・ストーン、プログレス等ヤバいサウンドがこの地盤を盛り上げているので、これからこのエリアから目を離せられない。

 そして8月中盤になるとも、もはや恒例のマイティ・ジャム・ロック・プロ主催の「ハイエスト・マウンテン」が行われた。今回が4回目となるそのショウは質や内容の濃さを維持しつつ、あそこまで気もちの良いステージにするのはさすがの一言。関西トップ・クラスの広さを誇るマザーホールで、マイティ・ジャム・ロックを先頭に大阪のアーティスト、サウンドの気合いをモロに感じた。

 そして久々に戻ってきましたという感じの「レゲエ・ジャパンスプラッシュ」。出演者はベレス・ハモンド、マーシャ・グリフィス、アドミラル・ベイリー、カシーフ・リンド等、日本人ではナーキ。ショウ自体はベテラン勢が多数出演したため、キッチリとした内容。そんな中で若手ながら芸歴の長いカシーフもベレスらに引けを取らない素晴らしいショウを見せた。ただ、もう少しオーディエンスのマナーはなんとかならないものか。

 最後にこれも恒例、九州福岡で行われた「サンセット・ライヴ」。主催は地元の海沿いにあるビーチ・ハウスのサンセット。毎度ながら景色良し(海あり山あり)、飯はウマいし、スタッフやお客さんは暖かい人ばかりで文句の付け様がない環境。今回はさらにスケール・アップし、会場が二見ヶ浦から芥屋に移りショウは3日間に渡って行われる予定だったが、2日目にまさかの台風直撃。2日目のアーティストは3日目に移り当日のお客さんはロッキング・タイムやデタミネーションズも見れて得した感じ?だったのでは(ドライ&ヘビーが見れないのが本当に残念)。トリのホーム・グロウン feat. プシン、ムーミン、リョウ・ザ・スカイウォーカー、Hマンでは盛り上がり過ぎで倒れて運ばれる人もちらほら。大満足で夏の締めくくりとしては本当に素晴らしすぎるショウであった。

 ここでは原稿の閉め切りの関係上、幾つかの代表的なダンスを紹介したが、年を重ねる毎にダンスホール・ウイルスは日本各地を浸透中。来年はさらにヤバそうな気が…。このウイルスの患者は自分で情報収集し足を運び五感で体感すべし。