1999年12月号

DJ Patrik / Max Pat Brend Part..2 (えん突つ)

雷家族、アカイメP.PのDJパトリックによる "Max Pat Brend" のパート2が早くも登場。今回も勿論パトリックならではのオリジナル・ブレンドの雨アラレで、ライヴ感がガンガン伝わってくる仕上がり。フリースタイルはハブ・アイ・スクリーム、ウヂ・ザ・9mm、シンノスケ、DO、マッチョにユウザロック★で最後まで気が抜けない作りになっている。しかしながら、ミックス・テープとはここまで人柄が伝わるものなのか…。

THE BEATNUTS / Take It Or Squeeze It (Sony)

90年代の重要グループの一つ、ビートナッツの通算6作目。先行シングル「No Escap'n This」からも予想された通り、今回もいい意味で前作でのスケール・アップした“ビート第一主義”と“パーティー・ラップの極み”が味わえる。得意の(しかもルーツである)ラテン風味も適当にまぶし、よく練られた濃いトラックが並び、トニー・タッチ、グレッグ・ナイス、メソッドマンに元メンバーのアル・タリークやブラック・アタック等のファミリーと“気心の知れた仲間”が曲毎に出てくる、まるでベスト盤のような“厚さ”…。

DJ Clue / The Professional (Def Jam)

前作『The Professional』から、彼がMCを努めたコンピ『Back Stage』を挟んでの第二弾。クルーの良さは、とにかく“今ナニが旬なのか?”を常に提示しているようなセレクションにあるのだが、それが今回はより“自身のプロダクション”で証明しているので、文句を付けようがないのでは? 話題の "Back 2 Life 2001"(ソウルUソウルのカヴァー)を始め、エミネム+メス+ロイス、スヌープ+コラプト、ナス、フォクシー、CNN、マグス+レディ・ラックとオイシイだらけの一枚。

EVE / Scorpion(Universal)

ラフ・ライダーズ・ファースト・レイディであるイヴのセカンド。だが、今回はいい意味でラフ・ライダーズ色は少し後退し、昔のボス=ドクター・ドレーも制作陣に加わる、等の変化を見せている。スウィズのビートが軸になっているのは当然だが、ファースト・カットのテフロンの曲やDJショック担当曲もポイントになっている他、私生活でも仲のいいスティヴィーJ、ステファン・マーリィ(ドーン・ペン「No No No」のリメイク!)の存在も目立っている。イヴは“歌”の方でも新たな才能を見せ始めた。本作“今一番輝いている女性MC”の座は彼女のモノに。

ANTI POP CONSORTIUM / Shopping Carts Crashing(クラウン)

昨年、傑作アルバム『Tragic Epilogue』(国内盤は4月25日発売。ボーナス映像付)で全貌を現した、ポエティック・ラップ・ユニット=アンチ・ポップの最新作(セカンド)。前作でも全曲のトラック・メイキングを手掛けたアール・ブレイズ(準メンバー)のビートはよりドープ感を増し、“アブストラクト”の一言では片付けられない域に達している他、ビーンズ(モ・ワックスからソロ・LPも出る)、プリースト、サイードの個性の強いライムもスパーク。決して難解な作品ではないので是非。

ANTICON / Giga-Single(ウルトラ・ヴァイブ)

インターネット/MP3の世界では既に熱狂的なファンを増殖させているアンチコンの初の国内盤。レーベルの母体のある西海岸(ベイエリア)を中心にカナダ、シンシナティ、シカゴ他各地に拡がっている彼らクルーの実体はやはりこうしたコンピレーション/ショウケースのスタイルで一番伝わり易い。ソールを中心にバック65、ゼム等、メンバー達が"自身の世界観"を写し出したライム、トラックは、多くの人が知るとヒップホップとは距離を置いたもの、と伝えられるかもしれないが、これも明らかにヒップホップの今、なのだ。

V.A. / Tags Of The Times 3(メリージョイ)

世界でも他に類を見ないアンダーグラウンド・ヒップホップ・コンピ『Tags』シリーズ第3集。各地から集められた"意志ある言葉と音"、つまりヒップホップというカルチャーに対して意識的なアーティスト(レビング・レジェンズの面々から、カンパニー・フロウ、ドーズ・ワン、エイソップ・ロック、シンゴ02まで)たちの主張するものは何か?じっくり腰を据えて接して頂きたい(イーミューズの手によるアートワークも素晴らしい!)。『blast』誌4月号別冊付録「ザ・カップ・オブ・ダグス3」と併せてお楽しみあれ!

V.A. / Blue Jams 3(EMI)

ジャズのメッカ "ブルー・ノート" を中心にジャズ・ネタを使用したヒップホップ・トラックを集めたコンピ・シリーズの第3弾。今回はトラックメイカーとして新境地を見せ続けているジジィ・ジャイ/アズーロがエディット/ミックスした内容で、キング-T feat.リックスの「God It Bad Y'all」やアレステッド「Easy My Mind(DJプレミア・ミックス)」、ディアンジェロ「Brown Sugar(ビートマイナーズ・リミックス)」といったトラックが、オリジナルのビートを交えて違和感なく並んだ聴かせる構成に。色に例えると間違いなく"Blue"。最近のヒップホップが苦手な人もドーゾ。

DJ KOYA / Booty Banga! (KSR)

ノンストップ・パーティー・ミックスCDシリーズ"Music For Party Rocker"の最新作は、Harlem『Red Zone』も好調なDJコーヤ再登場の"Booty Banga!"。音源はお馴染"AV8"や"Buds"系のトラック物(クルックッリン・クラン他)で、NYのパーティ・アンセム(ダーティ・サウスやウェッサーイ、まで)をふんだんに盛り込んだ"盛り上げる/踊らせる"ことだけを考えた内容に。DJ、ダンサーは勉強用に、あと一般層も車で部屋でOKなお買い得CD。

ラッパ我リヤ / It's A Show Time (Victor)

我リヤの2001年初マキシは、走馬党最年長こと三善善三のプロデュースによる、アドレナリン急上昇系トラックで「好きだから辞めらんねぇ!」とうなるストレートな我リヤ節炸裂の"It's A Show Time"でスタート。併録の山田マン作のドグマ渦巻く"Here We Go"、我リヤ第3の男=DJトシ作の "Fighting Rhyming"(feat. MINE神HOLD)も調子良く走馬党の痛快なまでの唯我独尊ぶりが響いてくる。爆音でPLAYすべし。
E.G.G.MAN / 探心音(メリージョイ)

これまでにも "TEXT〜日影の歩き方" 等のソロ曲も発売してきたソウルスクリームのMC =イ・ジ・ジ・マン(ソウスク1st収録の "0番線" も名曲)NEW。タイトル曲の "探心音" は同郷のデリ、セサミをフィーチュアし、トラックはアクエリアスのヤッコが担当という新展開(DJセロリの手によるリミックスも有)。ソウルの探究者であるイ・ジ・ジ・マンのアジ(高速ライミングも)が滲み出た楽曲である事は言うまでもない。またノーフックでラップする "冒頭陳述" "口頭弁論" でのリリシスぶりも注目したい。

S.B.S. / Oto No Motsu Tentai(RDレコード)

U-Zi、Boo、DJ-SHINからなる、大阪の“静かなる覇者”、Strong But SilenceのNEWは、U-Zi、Booの他、ワードスウィンガーズのO.K.I.そして期待の新人女性Vo.=AZUを迎えてのポッセ・カット。プロデューサーは、今後絶対に要チェックの天才クリエイター=ヤス(ビートレジェンズ)で、ジェイ・ディーばりのディープなビートと音処理で聴き手の気分を高揚させてくれる。MC陣のリレーの"濃度"も言うまでもない、文句ナシの大阪発100%の日本語ラップ・クラシック!!