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 今この原稿書いている時点でも、アメリカの大統領は決まっていません。と先月も書いていたのだが、良く考えれば、大企業らを代表するゴア、実は落選なんて自殺モンなんだと。流石に、金ではこのポジションは買えない様で。しかし、アメリカの好景気のバックとされるコンピューター業界に買えないものなんてあるんですね。(好意とか、愛は、別ですよ)しかし、共和党にはマードック氏率いるメディアがついているんですね。ということは、やっぱり何でも金で買えるんですね。と良く分からなくなった所で、今年のカテゴリー行くぜ!?

●今月の逮捕劇1
 『W』もリリースされ、低迷してるとされるNY陣の行方を占うものと、賛否両論のウータンだが、どうやら正式メンバーになったカパドーナが、11/27日フィラデルフィアでのプロモ・ショウの後、逮捕された。武器所持などの逮捕状がNY市警から出されていたらしいのだが、逮捕のきっかけは、ラップ好きな警官がラジオでこのプロモの告知を聞いたからという間抜けなものだった?

●今月の逮捕劇2
 NY若手ライターとしてあちこちのギャラリーからラヴ・コールを受けるスカッフが、12/1、ブルックリンの自宅で、家宅捜索中の警官に逮捕された。容疑は勿論、公共物破壊であるが、これも前回のエスポのケースと似ている。その週の11/29発行の週刊紙、ヴィレッジ・ヴォイスに彼のインタヴューが掲載されたのだが、その中で警察に関しての質問に、逆に警察をこき下ろすことで答えた内容だった。その直後に家宅捜査という、明らかに報復という警察のスタイル、実は令状も警察の自由で出るんですね。現在スカッフは拘留中だが、周辺のライター達が弁護士を見つけるなど、サポートをしている。しかし軽犯罪で家宅捜査って、ちょっと大げさで本当に税金の無駄遣い。非難されるべきだよな?

●今月のブラック・パンサー
 スパイク・リーが、こちらのケーブルTV映画用に、パンサーの党首だったヒューイ・P・ニュートンの伝記を作っているらしい。と同時に71年に逮捕され、服役もつとめた元NY支部のリーダー、ドルーバ・アル・ムジャド・ビン・ワファド(昔の名前は、リチャード・ムーア)が、NY市警を証拠隠滅で無実の罪を着せたと訴えている。実際、90年にこのケースは無罪放免となったのだが、ワファド氏は既に19年服役していた。容疑は71年にNY市警のパトロール中の警官2人が、マシンガンなどで、射殺された事件だったのだが、NY市警が、証人が、ワファド氏は、現場に居なかったと証言している事実を、ワファド氏の弁護団に隠していたというのが、今回の訴訟の内容である。ワファド氏は、捜査に関係したFBIから既に40万ドルを慰謝料として受け取っているが、NY市警は、飽くまでも法廷で戦う姿勢の様だ。こういった政治犯として、アメリカで服役するブラック・リーダーは、何1000人と居る。その内の殆どが無罪なのは言うまでもないが、各州は刑務所を作るのに、何処も忙しい。ビジネス・アズ・ユージュアル?

●今月のカム・バック
 カム・バックというか、最近広告業界からも大きく注目されているエアロ・ソール・アートの盛況振りで、引っ張りだされたという感が強いリー氏。勿論『ワイルド・スタイル』のリーだ。最近、ヒップ・ホップ色が強く、相変わらず検閲が厳しい、音楽局のちょっとしたオルタネイティヴになっているケーブル局、メトロの1番組に、最近の作品を引っさげ出演した彼だが、今年夏に行われたゴーンジーズのオークションから多くのディーラーからアプローチがあったのをきっかけに、ギャラリーに復帰したそうだ。『ワイルド…』はエアロ・ソール的には賛否両論だが、リーのアート・ワークは、今もその輝きを失わない?