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ROOTSY LOVERS FROM HAWAII
 
Text by Kazuki Nakamura
 

カリブの小国、ジャマイカにて生まれたレゲエ・ミュージックは驚く程世界中に浸透している。ヨーロッパ然りこの日本然り。そして日本人に馴染みの深いあのハワイとて例外では無い、そう“南海の楽園”ハワイは僕たちレゲエ好きにとっても“楽園”であったのだ。
 
「日系人の多いハワイでは豆腐が一般的に食されているが、昔ながらの製法しか伝わっていないために豆腐本来の味が今もなお残っている」なんて話を聞いたことが有る。多くの人種が混ざり合いながらも、それぞれ伝来のカルチャーを大切にして生活するハワイならではの話なのだろう。そんなハワイのストリート・カルチャーの本流に位置するレゲエ・ミュージックに於いても同じようなことが起きているのではないだろうか。
 
その温暖な気候と大らかな人々の性格がレゲエの持つハート・ビートと絶妙にマッチしたのであろう、ジャマイカで生まれたレゲエ・ビートはこの瞬間もなおハワイの人々の心と腰をしっかりとロックし、揺らし続けている。実際、ハワイに於けるレゲエの浸透ぶりには目を見張るものがあるのだ。ステレオタイプな“ハワイ”のイメージが溢れる日本からはにわかに信じられないかも知れないが、本場ジャマイカを除けばこんなにレゲエ・ミュージックが生活に密着している土地は無いだろう。そんなハワイ・ローカルな人々=ロコが好むレゲエと言えばボブ・マーレイにグレゴリー・アイザックス、アズワドにUB40といったビッグ・ネームは勿論、地元ハワイのアーティストが奏でる“ハワイアン・レゲエ”がメインとなっている。
 
ロコの生活シーンに常に存在する主要なFMステーションからはそういったレゲエが一日中流されているのだ。現在のレゲエのメインストリームとは若干異なる、いわゆる“ウンチャ、ウンチャ”と刻まれる裏打ちレゲエこそがレゲエ、といった具合だ。そう、先だっての豆腐の話の様に。レゲエの基礎となったロック・ステディ・フィーリングがハワイアン・レゲエには今なお息づいている。野太いベースラインに裏打ちリディム、そして「Rootsy Lovers」と称される様にラヴァーズ・ロックのメロディで自分たちのルーツ(=ハワイの自然や大地、愛する人たちへの思い)を時にウクレレやスラッキ−・ギターといったハワイならではの音色で彩って唄うのが現在のハワイのミュージック・シーンで最もポピュラーなスタイルとなっている。ロコ達は古き良きレゲエの魂を大切にし、愛し続けているのだ。
 
ハワイのレゲエ・シーンは思った以上に熱くて厚い。先述のようなハワイアン・レゲエをプレイするバンド・スタイルが主流ながらも、ラガマフィンDee-Jayも居れば本格的なルーツ・レゲエ・バンドも多い。それら全てに共通するのは豊かなる唄心である。変わることがレゲエなのだが、変わらないこともまたレゲエなのだと、彼らの唄は教えてくれる。そんなハワイアン・レゲエには僕たちをハッとさせてくれるものが有る、レゲエを聴き始めた頃のフレッシュな感覚を思い出させてくれる「何か」が。それが何であるかは、皆様一度聴いて頂いて確認して欲しい。忘れていたあの気持ちを、きっと思い出させてくれる筈だから。
 

"Island Rhythms -Chill & Relax-"
V.A.
[Victor / R.O.L. / VICP-02513]



"Island Melodies -Sweet & Pure Covers-"
V.A.
[Victor / R.O.L. / VICP-64598]

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