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308    COLUMN    PLAY IT LOUD

I CAN FEEL YOUR PAIN / GYPTIAN
[VP / VPCD1827 / 輸入盤]
05年辺りからヒット曲を連発し、06年の1stアルバム『My Name Is Gyptian』もロング・セラーのセクシー・ラスタ・シンガー、Gyptianの2nd。冒頭からピアノをバックにムード満点の歌唱を披露しGyptianワールドに引きずり込む。特に今の彼の魅力が出ているのはヒット曲「I Can Feel Your Pain」を始めとする中盤のこうした曲だろうか。これ程艶っぽいシンガーはレゲエ・シーンの中では余りみかけない。(大場俊明)
 
EVERYDAY / TEN FEET
[OHANA / OR0801 / 輸入盤]
ハワイで人気のレゲエ・バンドの新作。ベテランだけに安定感は抜群です。一度目よりも二度目の方が爽やかさを増すクセになる10本足が奏でる土地の足音は最高。どこまでも陽光が差す彼らのレゲエに聴くカツオまで日焼けするのさ。ジェイソン・ムラーズのヒット曲「I'm Yours」をカヴァー。もう俺の中ではテン・フィートの曲になってるね。足を一歩踏み出せばハートが動く毎日に辿り着くよ。カツオ激押し盤。(磯野カツオ)
  
MOVEMENTS / O'LUGE
[LAST GANG / Q2 00846 / 輸入盤]
カナダのアーティスト。生音主体のバンド・サウンドに複数のヴォーカリストが参加。ストレートなルーツ・レゲエかなと思っていたらいきなり耳を奪われた「Mexico Dub」でカツオは踊りだす。K・ブースの声に人力ジャングル・ビート乱れ打ちでんがな、しびれまっせ。もう1曲、とっておきがあるよ。強烈なポエトリー・リーディングとジャズ的アプローチが融合した新感覚レゲエ。生ドラムの鳴りが鍵を握る作品。(磯野カツオ)
 
POWER HOUSE SELECTOR'S CHOICE GEORGE PHANG VOL.2 / V.A.
[VP / VP4136 / 輸入盤]
バタバタしたドラムと2コードで突っ走るイントロが流れるだけで大合唱となるHalf Pint「Greetings」を筆頭にVolcanoと共に人力ダンスホールで80年代のシーンを牽引してきたPower House。プロデューサーはGeorge Phang。彼がPower Houseに残した膨大な音源が2枚組CD(40曲入)×4セット=160曲も聞けるという入魂シリーズのこれはVol.2。どれを聞いてもぐっとこみ上げてくるチューンばかり。4タイトル全て必携。(大場俊明)
 
ビター・スウィート・ダブ〜ダブ・ユー・クレイジー・ウィズ・ラヴ PT.3/マッド・プロフェッサー
[ビクター / ARIWA / VICP-64559 / 国内盤]
マッド・プロフェッサーの音楽的バックグラウンドがフィリー系を中心としたソウル・ミュージックだというのは知られている話だが、この“Dub You Crazy With Love”シリーズはそのソウル趣味が程よく出たもの。96年にスタートしたのに本作で3作目と彼にしては寡作なシリーズだが、それだけ大切にしているシリーズなのかも知れない。彼のラヴァーズを愛聴する読者ならばきっとツボにハマるだろう。(大場俊明)
  
ザ・ミスティック・ワールド・オブ・オーガスタス・パブロ:ザ・ロッカーズ・ストーリー/オーガスタス・パブロ
[Pヴァイン / SHANACHIE / PCD-17242/5 / 輸入盤国内仕様]
レゲエ史上に燦然と輝くRockers Production。その長い歴史の中で発表された数々の名曲の中から選りすぐった音源が4CD+1DVD+ブックレットからなる豪華なBox Setとしてリリース。4枚のCDはClassic、Roots、New Style、Rareと分れており、70年代〜90年代前半迄の全67曲を収録。改めてパブロの偉業に驚かされる。DVDもヒュー・マンデルとのパフォーマンスやインタビュー等レアな映像満載。見て良し、聴いて良し!(楳原豊人)
 
ダブ・アイ/ジミー・ラドウェイ&ザ・フィ・ミー・タイム・オール・スターズ
[ビート / PRESSURE SOUNDS / PSCD61 / 輸入盤国内仕様]
超レア級のダブ・アルバムが再発。トラックは主にFe Me Timeレーベルで72〜77年にかけて発表されたLeroy Smart、Errol Dunkley、Hortense Ellis、Desi Roots等の曲を編集したアルバム『Keep The Pressure Down』に収録されている。演奏はSoul Syndicate、Family Man & AstonのBarret兄弟他、ミックスはErrol Tと最強の布陣。オリジナル盤収録の10曲に今回新たに5曲を追加し、リマスタリングもされ音質もバッチリ。(楳原豊人)
  
ラヴ T.K.O/ダイレクト・インパクト
[ダイレクト・インパクト / DIR-1009 / 国内盤]
Kon "MPC" Ken『拳Powa』にも参加したJahvaneeze a.k.a. Leoが長年ベースとして活動しているサウンド・チーム、Direct Impactによる7枚目となるアルバム。ルーツ系フューチャー・レゲエと言ってもいいだろうごった煮感が彼らの特徴だが、それがスコンと嫌味なく耳に入ってくる作りは流石。マイク陣も多種多様だが、オムニバス作品に聴こえないのはディレクションが行き届いているからか。あのTrinityも参加。(大場俊明)
 
シンプル・ソング・フォー・ユー/イールマン
[P-ヴァイン / PCD-24210 / 国内盤]
「Arigatoh」「君といたいよ」「深海魚」といった曲が今でも多くのレゲエ・ファンの心に残っているだろうイールマン。ここしばらくは表立った活動をしていなかったが、実はその間に地元下田に戻りゆっくりと自分に向かい合っていたようだ。そうした環境の変化から得たものとレゲエを愛する気持ちの再確認、そして歌を歌いたいという強い想いが本作には隅々まで詰まっている。どの曲も真っすぐだ。(大場俊明)
 
森を歩こう/C-RAG
[アジア・レコーズ / ABE-005 / 国内盤]
Zound Systemのヴォーカリストとして関西を中心に70年代から地道に活動していたC-Ragによるソロ・アルバム。ジャケットと同じく中味もどこを切ってもB級テイストなのだが、肩肘を張らない歌と演奏でこれぞ浪花の良心とも言えるほっこりとしたルーツ・レゲエ・ミュ−ジックを聞かせてくれる。心にひっかかるようなリリックやメロディも多く、皆から“兄貴”と慕われているのも納得してしまう作品集だ。(大場俊明)
 
シンジ・バック・トゥ・ザ・ルーツ/西慎嗣
[BMG / BVCR-17069 / 国内盤]
自らのルーツに帰り往年の名曲をカヴァーした日本人ギタリストのアルバム。スライ&ロビーのレーベルからのリリース。渋い喉とギターが唸るそれがブルース、されど繋がってるんだ、根っこで。エリック・クラプトンの次にボブ・マーリーの曲が続く並びに拘りを感じる。ライヴをその場で聴いている様な白熱プレイに引き込まれてしまう。ラストはギターが轟くスライ&ロビーとの共演でリズム談義に花が咲く。(磯野カツオ)
 
ザ・デイ・ハズ・カム/ザ・デイ
[エピック / EICP-1020 / 国内盤]
EW&F「Fantasy」を大胆にサンプルしたデビュー曲「Give You The World」がヒット中の男女3人組によるデビュー・アルバム。そのユニット構成のみならず、収録曲に共通するポップな着地が時にブラック・アイド・ピーズを思わせるも、演目を追う毎に立ち上るのはオリジナルな存在感。ヒップホップを基礎としながらも、メロウ技は実に色彩感豊かだし、なにより随所で炸裂するラテン・パワーに圧倒される。(石澤伸行)
 
レッスンズ・イン・ラヴ/ロイド
[ユニバーサル / UICU-1160 / 国内盤]
1年ぶりの3作目。後ろ盾であったはずのジ・インクの元気のなさもどこ吹く風、当の本人の最近の元気っぷりは、本作の出来にも反映されている。コンセプトはずばり「愛の伝道師」。ポロウ・ダ・ドンやエリック・ハドソンらが提供するドラマチックなトラック群は、彼のナヨ声が醸すどこか中性的で大人コドモな装いと絡まって、なんとも甘美かつ妖艶な世界観を作り出している。彼は本作で何かを掴んだのでは?(石澤伸行)
 
ティファニー・エヴァンス/ティファニー・エヴァンス
[ソニー / SICP-1947 / 国内盤]
弱冠16歳によるデビュー作。5年前には契約を取っていたのだから更にビックリだが、コンテストのタイトルを片っ端から手中に収めてきたその歌唱力は、ホイットニーの再来と目されている。シアラやバウワウがゲスト参加する他、ニーヨやソウルショック&カーリンら大御所が名を連ねるが、本作の主役はその歌。序盤はビヨンセの系譜を思わせるも、終盤で展開されるゴスペル的な熱には引き込まれるばかりだ。(石澤伸行)
 
ムーン・ライド/リオン・ウェア
[ユニバーサル / UCCO-2011 / 国内盤]
70年代ニュー・ソウルを支えた大御所による新作。老舗スタックスからのリリースとなった本作だが、まずはゲスト陣のクレジットに目を奪われる。デトロイト繋がりとなったアンプ・フィドラーに始まり、ケニー・ドープなんて名も。中でも、デヴィッド・T・ウォーカーやジェームス・イングラムらベテラン勢と組んでの、カラリとしていながらも芳醇なるソウル香を湛えたミッド〜スロウにはとことんヤラれる。(石澤伸行)
 
リズム&ゲットー・ソウル/スリック
[トイズファクトリー / TFCK-87447 / 国内盤]
90年代後半を彩った名グループ、アントラージュのメンバーによるソロ作。テンダーな表情で寄り添ってきたかと思えば、焼いた刃で切り裂くようなヴォーカルを駆使したりと、その喉ワザには唸ることしきり。シカゴ流儀全開な“乾いたメロウネス”に耳を奪われる一方、引き出しの多さをアピールしてくるのが、ボビー・ウーマック「A Woman Got To Have It」のカヴァー。これに胸を焦がさなきゃウソでしょ?!(石澤伸行)
  
レット・ミー・プレイ・ユー・サムシング/ハイヤー・ベイビー
[サーキュレイションズ / CIRC-006 / 国内盤]
先月号で紹介したスウェーデンR&B界の新星、メロと、北欧ヒップホップの雄、元アップ・ハイのピュア・Pによるユニット。スモーキーなビート捌きと幾重にも重ねられた声が描く情景は、至極暖かみに溢れたもの。トラックの趣きは、かつてクエストラヴやアリ・シャヒードらに賞賛されただけあって、タイム感が独特だが、メロのヴォーカル・ワークもソロ仕事以上にひた向きな表情をキメ込んでいて魅かれる。(石澤伸行)
 
EL MUNDO NUEVO / 7 SAMURAI
[POETS CLUB / PCR045]
スウェーデンの人気レーベルG.A. M.M.からもリリースしている、バイエルンの海賊ソウル・キングこと7サムライ待望のアルバム。本作はオリジナル曲とこれまで提供してきたリミックスを収録したベスト的作品集。ブラジル〜ソウル〜ファンク〜ディスコ〜アフロ〜レゲエ/ダブ…を70年代に濫発したカヴァー・コンピの様なエセ&微妙なクロスオーヴァー感で披露、それが時代を超え21世紀だからこそな名作に反転!(飯島直樹)
  
PUERTO RICAN NIGHTS / BOOM PAM
[ESSAY / AYCD18 / 輸入盤]
“サーフと東欧のミクスチャー”という形容で現代ジプシー音楽復興のキーマン、シャンテルによるプロデュースの1stが人気を集めたイスラエルのバンド。リーダーは先日素晴らしいライヴを披露したバルカン・ビート・ボックスのギタリストとしても活躍。サウンドの肝は、やはりサーフなギターとチューバによるベース。その不思議なバランスが生む感触がG・メイオールを連想させたり。良い意味で血を感じさせない音。(飯島直樹)
 
INSIDE OVER HERE / ROZI PLAIN
[FENCE / PCR046 / 輸入盤]
英国ウィンチェスターで生まれ、ブリストルで才能を開花させた22歳。親交の深いレイチェル・ダッド(再来日中)やディス・イズ・ザ・キットからの影響強いチルアウト感覚のフォーク・サウンド。ただ、現代っ子らしいどこかケロリと乾いた感じが個性。弾き語りの他、バンド的編成の演奏もあり、飽きずに浸れる。かの地でジワジワと広がりを見せるこのシーンは、もうひとつのスモーカーズ・ミュージックだと僕は思う。(飯島直樹)
 
13 FACES OF LIGHTNING HEAD / BIGGABUSH
[LION HEAD / LHCD010 / 輸入盤]
レゲエ〜ダブの影響濃いチルアウト・ダウンテンポが人気だったロッカーズ・ハイファイの(主に)技術担当の、名義を使い分けながらの3作目のアルバム。L.ヘッド名義での前作では軽快な南米サウンドとブレイクビーツのミックスに成功し、今作はディープなアフロ・ビートへ。プログラミングの他、ベーシックな楽器は自身で演奏できるというのが強み。そして、強面にならずユーモアが滲み出てしまうところが魅力。(飯島直樹)
 
レディオ・リタリエーション / シーヴェリー・コーポレーション
[ミュージック・キャンプ / ESL MUSIC / MCN-3021 / 国内盤]
そのロッカーズ・ハイファイと並んで人気を博すデュオの5作目。彼らが先駆けとも言えるダブ的なブレイクビーツとワールド・ミュージックのブレンドが更に進化。フェミ・クティ(ナイジェリア)、アヌーシュカ・シャンカール(インド)、セウ・ジョルジュ(ブラジル)、スリーピー・ワンダー(!!)、そしてチャック・ブラウン(!)など、参加者もワールドワイド。流麗なトリートメントで、ひとつのサウンド理想郷を建国。(飯島直樹)
 
ジ・エクスプレス / ベルルーシュ
[ビート / TRU THOUGHTS / BRC-210 / 国内盤]
レーベルの約10年の歴史の中で最高の評価を得た07年の1stアルバムが今でも人気のトリオ。編成からもポーティスヘッドを引き合いに出されているようだけど、どちらかというとエイミー・ワインハウスで盛り上がるUKニュー・ソウルとの関連が強い歌とサウンド。古のキャバレーな女性シンガーを思わせる歌声も良いが、ヴィンテージなブルーズやジャズの香りを漂わせたギターが渋い光を放っている。(飯島直樹)
  
ベスト・ラッピン1996-2008/エゴ・ラッピン
[トイズファクトリー / TFCC-86266 / 国内盤(初回)]
インディーズ時代から最新シングルまでを網羅した初のベスト・アルバム。ジャズや昭和歌謡といったイメージを拭うかの様にサウンドを模索し進化してきたバンドの軌跡を凝縮。改めて並べて聴くと、これだけ幅があるのに芯が一本通っていてエゴ・サウンドのオリジナリティと懐の深さが感じられる。アッパーな曲たちの“ヤルキ盤”としっとり聴かせる“セツナ盤”の2枚組。更に初回盤には秘蔵映像も含むDVD付。(長友浩之)

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