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THE MAZE

"Jamaica Bigger and We Faster"
Text by Reiko NAGASE SMITH
　
10月初めの一週間、ジャマイカは国を挙げてのオリンピック祝賀祭をおこない、連日連夜、お祭り騒ぎ。
　
キングストンでのモーターケード、パレード、ニュー・キングストンの人気クラブQUAD（クアド）やブルー・マウンテンの高級ホテルでのパーティ。ナショナル・スタジアムでの無料コンサートでは、ボルトが数百人ものダンサーを従えて踊り、エレファント・マン、ターラス・ライリー、エターナら人気アーティストが出演。A histry Jamaica a create dung a Beijing！
　
オリンピック選手たちは学校やコミュニティなどを回ってファンとふれあい、ノース・コーストの観光都市モンティゴ・ベイでも、キングストン同様のモーターケードやコンサートが行われた。
　
10月中旬のジャマイカ祝日「英雄の日」には、オリンピック選手にそれぞれジャマイカ政府から国民栄誉賞が授与される。ジャマイカン・カラーに溢れ、ナショナリズムを見せつけたシーズンだった。
　
ボルトをＣＭに起用したジャマイカの携帯電話会社デジセルは、オリンピック祝賀祭のメイン・スポンサーでもある。
　
ボルトの偉大なる勲功を讃えてデジセルは、一定期間、タイムリミットなしのローカル通話という形で顧客に還元。電話で話すのが大好きなジャマイカ人の心を掴むサービスで、お祭りモードを盛り上げている。レゲエ・イベントのスポンサーとしてもトップ企業、Digicel a di boss, every time!
　
デジセル提供TVJの人気番組「ライジング・スター」の今期フィナーレも、オリンピック祝賀祭の日に行われた。一般視聴者参加のスター誕生番組で、本気の歌唱力を競う。5回目となる今年は、番組はじまって以来の女性優勝者、カミール・デイヴィス。ソウルフル。

　
このオリンピック祝賀で犠牲になったのが、ストリートのベンダーたち。ハーフ・ウェイ・ツリーとニュー・キングストンのベンダーたちが、この祝賀会を機に一掃されてしまった。日用品やファッション・グッズ、ドリンク、煙草などを売る露天商、ドラム缶の名物ジャーク・チキンもストリートから消えてしまった。一時的にね。ポリスとベンダーのラット・レースはクリスマスをひかえて激烈となる。年末年始のレゲエ・イベントは、スティングやイースト・フェスト、ジャムジャムなど今年もビッグに。

　
ヴェガスが11年におよぶ音楽生活に終止符を打つと宣言し、まさかの引退。
去年は心膜炎と胃腸系疾患で闘病生活を強いられたが、彼の健康問題は、引退宣言とはなんら関係ないと断言する。引退は神様からの決定で、今後は神に仕え、子供たちとの時間を大切にするという。ただし、ゴスペルに転向する意思はないそうだ。DaggeringとMus Come A RoadがBUSS中のヴェガス、突然の引退宣言に、周囲もファンもとまどうばかり。
　
長いあいだビーニ・マンを悩ませていた脱税訴訟問題が、9月末、証拠不十分で裁判が棄却された。すべての容疑から開放されたビーニは、JAHに感謝の意を表し、今後の税金は、納期にしっかりと全額を納めることを誓った。
　
D'Angelとの別離や子供の養育費問題など、トラブルの絶えなかったビーニだが、ようやくひとつずつ解決。D'Angelと仲が復活したという噂もちらほら聞こえてくる。
　
それから、17歳になったばかりのビーニの娘が妊娠！のおめでたニュースも。
　ティーン・エイジャーの妊娠、婚姻外での出産は社会問題だが、ビーニ・マンは「中絶なんてとんでもない。ボクは娘の出産を100％サポートするよ」
　
ビーニ・マン、30代でおじいちゃんに。ジャマイカでは若くておじいちゃん、またはおばあちゃんになる人って珍しくないけど。
　
Jamaica bigger and we better and we faster than before.
　
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