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Dr.Echo-logic a.k.a. Hirofumi Asamoto / Piano×Dub
 
Interview by Takeshi Miyauchi / Photo by Hiroto Sakaguchi
 

UAをはじめとする多くのプロデュース・ワークや、ドラムンベースを主体とした自身のユニット、Ram Jam Worldなどでの活躍、そして本誌読者にとってはMute Beatのワン・ナイト・スタンドに於ける熱演が記憶に新しいであろう、朝本浩文=Dr.Echo-logic。意外にも、彼個人のソロとしては初となる作品『PIANO×DUB』が井出靖主宰のレーベル、Grand Gallery Japanよりリリースされた。
 
●意外にも、朝本さん個人のアルバムとしては初めての作品になるんですね。
朝本浩文(以下A):ここ最近は、もっぱらプロデュース業がメインで、自分の作品をリリースしてなかったんで、かなりガスが溜まってる状態ではあったんですよね(笑)。自分の聴いてる音楽も、ドラムンベースだったりダブステップとかいろいろ聴いてるけど、いったん先祖返りしてみたいっていう気持ちもあったりして。それは、今年のアタマにあったMute Beatの一晩限りのライヴ(Riddim 25周年記念イヴェント)っていうのも影響があったのかも。
 
●久々にMute Beatのメンバーとしてライヴをしてみてどうでしたか?
A:やっぱダブはいいなって思いましたね。やっぱりメンバーにダブを解ってるエンジニアがいて、演奏する側もダブを解ってないと、ライヴでダブって出来ないと思うし。それに、レコードを聴くより、ライヴでやるほうが、ダブを体感できるんですよね。いい意味でギャンブルっぽいっていうか、何が起こるかわからない感覚。そういうライヴをやったから、「やっぱりダブって気持ちいいな」って再認識して、モチベーションが上がったというところもあります。しかし、作るからにはそのダブっていうものを2008年の自分の感覚で表現したいっていうのはありましたね。ドラムンベースやダブステップを通過した上でのもの──ダブの手法は使っているけど、やっぱりリズムの捉え方は最近の自分の音楽性が反映されてるもの。
 
●そうして完成した作品が、ピアノを主体としたアコースティカルな風合いのインストゥルメンタルというのも驚きでした。トラックメイキングはもちろん、ミックスまですべて朝本さん自身が手がけられたそうですが。
A:今までは、レコーディング・エンジニアと組むことがほとんどで、それを当たり前のようにやってきたけど、最近の若いクリエイターや、ロンドンのクリエイターも、エンジニア・プロデューサー・タイプの人がすごく増えてて。あとは、音楽を作る環境自体もコンピュータの発達もあってミックスまで誰でも出来る時代になってるから。僕が初めてサンプラーを使った時と同じような感覚で、ミックスまでも自分でやり通すっていう欲求が溜まってきた。作品のイメージとしてはアルバム1枚聴いた時に、サウンド・トラックを聴いてるような感じにしたかった。あと、あえて“PIANO×DUB”っていうテーマを決めたんで、ピアノだけで全体の起承転結みたいなものをどう作っていくかっていところは意識しながら楽曲を作っていきました。
 
●朝本さんのこれまでの作品、たとえばRam Jam Worldのようなゴリゴリにフロア対応するようなものでも、メロディに重きを置いているところが大きな魅力として感じていたんですが、今回ピアノをメインにした作品になったことで、そこがより一層明確になってるなって思うんです。
A:そうですか(笑)。それは意識してないところだから、クセみたいなもんなんでしょうね(笑)。子どもの頃、エンニオ・モリコーネみたいな映画音楽とか好きだったりしたせいですかね。決してメロディアスなものだけが好きってワケじゃないんですけどね、だけど、作るとこうなっちゃう。
 
●こういったインストの楽曲を作るうえで意識することは?
A:インストゥルメンタルは、つねに映像をイメージします。雨だったり晴れだったり、街だったり田舎だったり。今回の作品でいえば、クラシカルな匂いのする、ヨーロッパの風景のような……そこにちょっとサイバー入ってる、みたいな。
 
●同じ風景の中でも、雨が降ったり、晴れたり……定点観測的にまわりの状況は変わっていくけど、揺るぎないものが確実にある。今回の作品において言えば、それはピアノであるし、朝本さんの音楽性で言えばダブであり、根底にあるレゲエ・フィーリングである。
A:ドラムンベースを好きな人にも気付いてもらえるダブ。ダブを好きな人にも気付いてもらえるドラムンベース。ダブもドラムンベースもダブステップも僕の中では同じジャンルだし、根っこは同じ音楽なんですよね。このアルバムもそうだし、自分のいろんな活動を通じて、そういう僕の音楽観を表現していけたらなって思いますね。
 

"Piano × Dub"
Dr.Echo-logic
[Grand Gallery / GRGAJ-0005]

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