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THE MAZE

CORN HEAD / AHEAD OF THE GENERATION
　
Interview by Hajime Oishi / Photo by Hiroto Sakaguchi
　

ダンスホールに軸足は置きつつも様々なジャンルへと積極的にアプローチしてきたCorn Headが放つブランニューは、好調のDr.Productionとのコラボからなるミニ・アルバム。今回若手４人を迎え撃った、Corn Headの腰の座った発言に耳を傾けてみよう。
　
　Corn Headに取材をさせてもらったのは今回初めてだったが、ここまで骨太でしなやかな思考の持ち主だとは知らなかった。その発想は誰かの借り物ではなく、どこまでもオリジナル。そして、一言一言に説得力が溢れている。「やっぱり30（歳）を過ぎて気持ち的に一変するところがあって。音楽うんぬんというよりも、オレ個人として。人間としての気構えというか、実行力というか。気配りから何から人間的な面で変わってきたかも」とCorn Headは話すが、音楽業界の荒波をまともにカブりながらも、自分の足でひたすらサヴァイヴしてきたことが彼をタフにしたのかもしれない。
　
　今回のミニ・アルバム『New Generation』は、Dr.Productionプロデュースによる若手４人——Tak-Z、Moeast、Natural Weapon、導楽——とのコラボレーション作品。タイトルでピンとくる人もいるかもしれないが、表題曲は嘗てのCorn Headの代表曲「Young Generation」のリメイクだ。
　「社長（Dr.ProductionのDr.Mune）から『プロデュースさせて欲しい』って言ってもらって。今回はドクプロとの一大決戦っていう感じかな（笑）」
　
　かつての「Young Generation」に関しては、「昔の横浜ってお客さんも少なかったし、まだオレがヘタだったからその中でうまくマイクを握れなくて。で、そんな気分を吹っ飛ばすために『上も下も知ったこっちゃねぇ』って歌ったのがあの曲。ま、結局はストレス発散なんだけど（笑）」と話すCorn Head。彼自身の思いも強い曲だけに、今回のリメイクも念願のものと言えるのかもしれない。だが、その一方で「（過去は）そんなに振り返らないし、どんどんリメイクしたくなっちゃう」とも。
　
　「ダンスホールのテーマって、基本的にそんなにヴァリエーションはないじゃないですか。どんどん研ぎ澄ませていっても、言うことはそんなに多くないんですよ。だから、『またダンスホール・チューンか！』とは思わない。１週間のうちに５曲作って、そのうち４曲がダンスホール・チューンでもへっちゃらだもん（笑）。ここ数年は、受けたものにどうブツけるか、そこにこだわってる。そのオケに対して、どう歌うか」
　
　僕が興奮させられたのは、来年春に出るという新作のプラン。
　「ここ数作はレゲエ的観点よりも、Corn Headとしての視点を大事にしてる。ジャマイカ人ならともかく、日本人としてレゲエだけやるのはつまんないんですよね、俺は。いろんな人に聴いてもらいたいし、俺もいろんなものが好きだから。レゲエをDISってるわけじゃなくて、ヒップホップも大好きだし、格好いいと思えれば４つ打ちだろうが何だってやりますね。次のアルバムは、オレが考えるフューチャー・レゲエをやろうと思ってる。それこそ、もう、レゲエって言えないかもしれない。だから、次のアルバムは、音楽的に見てもらえたら嬉しいですね」
　
　今回の『New Generation』で響き渡るCorn Headの声は、やはり骨太でオリジナルだ。そこからは彼の好調ぶりが伺えるし、Corn Headの確かな視点とアイデアが今後どんな作品に結実していくのか、心から楽しみにしたい。2009年はCorn Headに注目すべきだ。
　

"New Generation"
Corn Head feat. New Stars
[Dr.Production / DRCD023]