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THE MAZE

Pete Holdsworth / Pressure Sounds
　
Interview by Seiji Akimoto & Kazuki Nakamura
　

歴史に埋もれる珠玉のヴィンテージ・レゲエを多数発掘して世に送り出してきた名門レーベルPerssure Soundsの主宰者、Pete Holdsworth。彼がいかにしてレゲエと出会い、時には唄い、そしてレーベルを運営するに到ったかを思い付くがままに語ってもらった。
　
イースト・ロンドンに住んでた14才の頃、同じ学校にカリブ系の黒人の友達がいたんだ。一緒にLondon Underground（On-U Soundからリリースも有る伝説的バンド。彼はそのヴォーカリストだった）を始めた奴だよ。彼の兄さんはサウンド・システムをやってたから、いつも最新のジャマイカのレコードが彼の家にはあったんだ。だから俺たちは朝、学校に行く前レコードを聴いてから学校に通ってたんだ。当時、イースト・ロンドンにはクラブがたくさんあって、レゲエのクラブも何か所かあった。レゲエのクラブはジャマイカン・スタイルでハードコアだったな。どこのクラブにも綺麗な女の子達がたくさんいたし、俺をやる気にさせたのはクラブにいる彼女達かもね（笑）。
　
当時のクラブには本当に興味深い人達が集まっていた。母親を早くに亡くした事もあって、俺は17才の時に家を出た。そして、レコード・ショップの上に部屋を借りたんだ。その店はレゲエやソウルなどを売ってた。エイドリアン・シャーウッドもよくレコードを売りに来てたよ。その部屋をシェアして住んでいたのがラスタマンだった。彼の名前はデニス・ブレイディ、On-U Soundの名付け親だよ。すごく興味深い男で、よく一晩中議論をしてた。彼にはコンセプトがあり、全ての物事に反抗的なんだ。それは彼がデザインしたOn-U Soundのオリジナル・ロゴにも表現されていて、まるでテロリストの決意みたいなんだ。こんな風にいくつものガイダンスが有って、今の俺があるんだ。
　
Pressure Soundsレーベルでは、95年に最初のレコードをプレスしたと思う。Channel Oneに何度も電話をしてライセンスを取ることが出来たんだ。最初は大変だったけど、次からは楽に仕事ができる間柄になったよ。Coxosoneにもライセンスの電話をしたよ、だけど彼は「ダメだ！」って言ったんだ。彼との電話はまるで言葉の問答みたいだったな（笑）。それに俺はちょっとミスをしたんだ。それは彼を“Coxosone”って呼んでしまったんだ。後から聞いたんだけど、Lee Perryですら、彼には“ミスター”をつけて呼んでたんだってさ。そんなこんなで初期の頃は問題が色々有ったんだけど、98年頃には解消されてうまくいくようになったんだ。
　
俺は今でもそうなんだけど、新しいものを創りたいとも思ってる。だからPressure Soundsでオールディーズをやり、Maximum Pressureで新しいレゲエをやろうとしてるんだ。中々思い通りにはいかないけど俺はやるよ、創っていくんだ。常に目を見開いて行かないとね。
　
日本に来て以来、新しいレコードをたくさん買ったよ（笑）。そんな事もあって今回、dj KENTAROでPressure Soundsのミックス・アルバムを作ったんだ。これは俺にはちょっと、Mikey Dreadのラジオ・ショーを思い出させる。何かこう、新しいものを期待させるんだ。若い世代の人達なくして、未来は無いよ。だから若い人達にエキサイティングな音楽をこれからも提供していきたいんだ。
　　

"Pressure Sounds presents
"Tuff Cuts" dj Kentaro Crucial Mix"
V.A.
[Beatink / PSCD-60]


※リリース・イヴェント開催決定！
［日程］9／5（金）
［開場／開演］21：00
［会場］恵比寿 Liquidroom & Liquid Loft
［出演］dj KENTARO, U-Roy meets Dry & Heavy, Cojie, Pete Holdsworth, etc.
［料金］前売￥5,000／当日￥5,500
［URL］www.beatink.com