Riddim | UK REPORT from No.304

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Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Phillip "Papa" Levi
　
Greetings Friends,
　
●Bob Marleyの母親Cedella BookerがMiamiで４月８日に死去した。81歳だった。1980年代に彼女が初アルバム『Awake Zion』（Tuff Gongからリリースされたオリジナルのタイトルは『Redemption Song』、インターナショナル・リリースはアメリカのROIRから）リリースした時に、彼女に１度だけ会ったことがある。整った容姿の老女といった印象だった。しかし、彼女はIsland Recordsのように亡き息子のイメージを売ってかなりの収入を得ていたのだ。彼女の死は一つの時代の終わりを告げている。これで、RitaがMarley一族のリーダーになることだろう。
　
●Buju BantonがPenthouseのDonovan Germainから離れることになった。彼はかれこれ17年間もGermainの下で活動してきたことになる。彼はこのヴェテラン・プロデューサーと「友好的にパートナーシップを解消した」と発表している。僕はレコード・プロデューサーとマネージャーの両立は、互いの目指すところが一致せずに難しいと考えていたので、この不自然なパートナーシップが長続きし、Bujuが名声を得られたことが不思議でならない。彼とGermainに幸運を祈りたい。これをきっかけにしてBujuは、1990年代後半につけられた「ポストBob Marley」（彼が望んだかどうかは定かではないが）のイメージを払拭できるかもしれない。ところで、彼がなぜWailersと同タイトルの「Destiny」を書くに至ったかは未だにわかっていない。Bujuはその曲を書いた時、Wailersのオリジナルは知らなかったと主張しているのだが…。
　
●UKのTVドラマのスターだったRoss KempがSky One（衛星放送のチャンネル）でギャングに関するドキュメンタリーのパーソナリティを務めている。最近放送された番組では、ジャマイカの首都Kingstonのギャングについて取り上げている。番組では、ギャングのメンバーや警察関係者をインタヴュー、Kingstonのダウンタウンの様子やジャマイカの政情について興味深い事実が明らかにされているのだ。ちなみにその映像はwww.guba.comで観ることができる。
　
●Greensleevesのガンジャ・スモーキング・コンピレーションの第２弾『Ganja Anthems 2』がリリースされた。ガンジャ賛歌ばかりを集めているのはタイトルからして明らかだが、前作に続き僕の撮った写真がジャケットを飾っているのだ。今回は随分前に撮ったFire Dreadだ。手前味噌だが、なかなかイイ感じに仕上がっていると思う。
　
●そのGreensleevesからは注目リリースがもうひとつある。DJ兼プロデューサーの 'Nkrumah' Jah Thomasの曲を集めたコンピレーション盤『Midnight Rock 1981-84』だ。Michael Palmer「Ghetto Dance」、Triston Palma「Entertainment」、Anthony Johnson「Gunshot」など、彼によるヒット12インチ・ミックスばかりを11曲収録している。これらのオリジナル盤を探すのはリリースから20年経った今では非常に難しいので、価値のある一枚だ。
　
●UKで最も有名なレゲエ・レコード・ショップ、Dub Vendorが閉店すると前号のコラムで書いてしまったが、訂正がある。僕はClapham Junctionの本店とLadbroke Groveの支店、計２店舗が閉店すると書いてしまったのだが、実際に閉店したのは支店のみで本店は営業を続けている。僕はこの支店にも様々な思い入れがあったのだが、２店とも無くなってしまうよりは遥かにいいことだ。間違った情報を書いてしまったことをお詫びする。
　
●このコラムが掲載される頃には、僕にとって初のレゲエ・ポストカードが発売されていると思う。色々な要因が重なり、準備に数ヶ月かかってしまったが、この『Classic Series 1』ポストカード（6枚組）にはCulture、Mighty Diamonds、Burning Spear、Dennis Brown、Horace Andy、Gregory Isaacsの写真が使われている。詳しくはmyspace.com/croakinglizardoriginalsをご覧頂きたい。メールはreggaepostcards@yahoo.comまでどうぞ。今後はDJやフォウンデーション・アーティストのカードを制作する予定だ。
　
●Londonの南、Lewishamを拠点に活動していたThe Saxon Sound-Systemは、Papa Levi、Daddy Colonel、Rusty、Sandy、Tippa Irieらを擁していた1980年代、トップを走り続けていたサウンドだ。彼らは後にGreensleeves傘下のUK Bubblersというレーベルを興しているが、このレーベルからは数々の若いMCがヒットを飛ばしていった。あれからかなりの年月が経ってしまったが、サウンドのクルー達はまだ活動を続けている。最近では、The Saxon FiveがTippa Irieをフューチャーした「Tell A Story」（Lockdownレーベル）をリリース。かつての栄光の日々を綴ったレコードと共に彼らの先駆者スピリットを大いに評価すべきだろう。