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303    COLUMN    UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Horace Andy
 
Greetings Friends,
 
●最近、ヴォコーダー(1970年代に流行ったエフェクト)が流行っていることが気になって仕方がない。ハードコアDJや、Barrington Levyのようなシンガーも使っているのだ。Mykal RoseのBusy Signalとのコンビネイショーン・チューン「True Jamaican」も前述のエフェクトを使用。正直なところ、僕はなぜこのエフェクトに人気があるのか理解に苦しんでいる。
 
●KISS FMのDavid Rodiganが業界歴30周年を迎えた。彼はラジオDJとして、また世界中を飛びまわるサウンドマンとして、レゲエ界に“生き残った”うちの一人だ。彼は今でも毎週水曜日にLondon、Notting Hillでのイベントを続けている。Rodiganの活躍は十分に賞賛に値するものだといえよう。
 
●オーナーが変わり息を吹き返したTrojanレーベルから発売のボックス・セット『Judge Sympathy : The Birth Of Trojan Records』に要注目だ。同レーベルから既にリリースされている『The Birth Of Trojan Records』というシリーズとは別物なので注意してほしい。このセットにはレゲエ音楽が輝いていた時代のレア・チューンが満載されている。
 
●Horace Andyが新作『On Tour』をリリースする。このコラム執筆時点では2〜3曲しか聴いていないのが、どれも素晴らしい。Massive Attackとの共作や、彼らのレーベルから作品を発表し続けるシンガーの音楽はさらに深みを増している。
 
●UKのベテラン・ヴォーカル・グループ、The Blackstonesのニュー・アルバムも是非チェックしてもらいたい。Studio Oneからアルバム(クオリティは高いのだが評価がイマイチ芳しくない)を発表して以来、彼らの音楽は確実に進化を遂げているようだ。
 
●リリースからしばらく経ったBitty McLeanの『On Bond Street』は、現在でも好セールスをキープし、ラジオでもオンエアが絶えることがない。少年のような甘いヴォイスが魅力のBittyは、この成功に自惚れることなくツアーやプロモーションを続けている。また彼は、Johnny Osbourneがオリジナルの「Jahoviah」をシングル・リリースした。この曲にはかつてのStudio Oneシンガー、Osbourne自身をゲスト・シンガーにむかえ、Sly'n'Robbie がプロデュースしたIni Kamozeの「World A Music」リディムをフィーチャー。これがなかなかイイ。
 
●艶やかで力強いヴォイスを持つシンガー、Suzanne Couchが、ジャジーなアレンジが魅力のBob Marley「Waiting In Vain」と「What Tomorrow Brings」をリリース。こちらもオススメだ。
 
●アルバム『Back To Black』(最近、ボーナス・トラックや「Cupid」のレゲエ・ミックスなどを収録したデラックス・エディションもリリースされている)でIvor Novello賞や、複数のグラミー賞を手にしたAmy Winehouseは、現在パパラッチ達にしつこく追われる日々を過ごしている。彼女はドラッグとアルコール中毒で、彼女と彼女の夫(Amyと同等に乱れた生活を送っている)の家族は、ダメ夫婦を更生させるべくあれこれ手を打っているようだ。夫は暴力事件で裁判中であり、Amyは素晴らしい才能に恵まれながらも、その素行のせいで彼女のキャリアは上向きとは言い難い。彼女は『James Bond』の次回作の主題歌を歌うチャンスを棒に振ろうとしているのだ。マスコミで激しく叩かれているAmyだが、米国では25歳以下の女性にとって最も憧れられている女性アーティストだそうだ。いったい世の中どうなっているのだ?
 
●ダンスホールには以前のような勢いが感じられず、ルーツにはこれといった新しさが見当たらない今日この頃、まだ“レゲエ業界歴”が浅いAlbarosieとCollie Buddzはそれぞれ最新作をラヴァーズ・ロック・スタイルに仕立てている。
 
●まるで、アナログ・レコード販売業が、もはやビジネスとして成立しないことを証明するかのような事が起こってしまう。ファンに愛され続けてきたLondonのClapham JunctionとLadbroke GroveにあるDub Vendorが今年6月いっぱいで閉店するのだ。レゲエ業界にとって非常に悲しいことであると同時に、長い間、フレンドリーで頼りがいのあるサービスを提供してきた店員のことを思うと胸が痛む。僕には、音楽を聴いたり、店員と音楽談義に花を咲かせたりしながらそれぞれの店で何時間も過ごした思い出がある。KISS FMのDavid Rodiganが毎週水曜日にWest Londonで開催しているダンスの6月最終回は、Dub Vendorを称えるパーティになるようだ。これには、Rodiganと長年音楽に関わってきたPapa Face(以前Vendorで働いていた)も参加する。本当に一時代が終わろうとしている。

 Till Next Time, Take Care................
 
(訳/Masaaki Otsuka)
 

Suzanne Couch

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