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Reggae Academy Awards 2008
 
Texst by Yumiko Gabe (Aisha House) / Photo by Julian Schmidt - reggaephotos.de
 
BUNNY 'STRIKER' LEE & NINEY THE OBSERVER & TAPPA ZUKIE


PRESSURE & TARRUS RILEY & DON CORLEON & TONY REBEL 
 
 2月24日、ナショナル・インドア・スポーツ・センターにてレゲエ・アカデミー主催による「第1回レゲエ・アカデミー・アワーズ」が開催された。アーティストもメディア関係者もドレス・アップ。今までのジャマイカには無い、まるで外国のアワード・ショウ。ショウの始まる前にバックステージではワインやオードブルが豪華に振る舞われ、華やかな業界の社交の場が繰り広げられた。レゲエ・アーティストだけでなく、往年から今イケているプロデューサー達、去年のミス・ユニヴァース・ジャマイカ代表のZahra Redwood、ジャマイカのスーパー・モデルなどセレブもレッド・カーペットを踏みながら続々登場。海外からのメディアも数多く目についた。
 
 アワードは授賞式とショウが上手く組み込まれたプログラム。Tarrus Rileyが「She's Royal」をパフォーマンスした時はRita Marleyを筆頭に女性達がステージ上をパレード。この曲でTarrus Rileyはベスト・ソング賞、最人気曲賞、ベスト・レゲエ・レコーディング賞、ベスト・レゲエ・ビデオ賞、ベスト・ソロ男性ボーカル賞などを総なめ。文句なしにこの夜の主役。更にElephant Man、Ceciel、Queen Ifricaらがダンサーを引き連れてパフォーマンス。締めはMarcia Griffithsの「Electric Boogie」。ステージ前の最前列に陣取ったジャマイカ首相、文化大臣、Rita Marley、アイランド・レコード元社長Chris Blackwellら超VIPもノリノリ。
 
 Don Corleonは、Alaine、Pressure、右腕のCool Faceを引き連れて登場したが、ベスト・ダンスホール・リディム賞でライバルのStephen McGregorが “Tremor” で受賞し、更にベスト海外アーティスト賞でもCollie Buddzが受賞したのが分ると、ショウの途中で会場をクールに退去。これが私的には凄く印象に残ったシーン。実際、ダンスホールの部門にMavadoやBounty Killerが全くノミネートされていないことから不評の声も聞こえたけど、レゲエ・アカデミーの創始者の一人、Lloyd Stanburyが後日、新聞で「暴力的な歌詞の曲、それを歌うアーティストをサポートしない姿勢をとっている」と語っていた。
 
 ともかく「レゲエ・アカデミー・アワード」が投げかけたものが今後、ジャマイカのレゲエ業界にどういう影響を及ぼすのか? 第1回目ながら非常にクォリティの高いアワード・ショウだったので、早くも来年のアワード・ショウが楽しみですね。
 
【WEB】
Reggae Academy/www.reggaeacademy.com
Aisha★House/www.aishahouse.com.jm/
 

STEPHEN McGREGOR
 
 

WINNERS IN ALL CATEGORIES FOR THE REGGAE ACADEMY AWARDS 2008
 
◆Best Reggae Song (Songwriter's Award)
She's Royal - Omar Riley
 
◆Best Solo Male Reggae Vocal Performance
She's Royal - Tarrus Riley
 
◆Best Solo Female Reggae Vocal Performance
Roots - Etana
 
◆Best Reggae Album
Mind Control - Stephen Marley
 
◆Best Instrumental Recording or Album
Making Notes - Robbie Lyn
 
◆Best Solo Male Dancehall VocalPerformance
Nah Go A Jail - Busy Signal
 
◆Best Female Dancehall Vocal Performance
Chat To Me Back - Lady Saw
 
◆Best Dancehall Vocal Performance Duo, Group
Love Is Wicked - Brick and Lace
 
◆Best Dancehall Album
Intoxication - Shaggy
 
◆Best Dancehall Video (Video Director's Award)
Church Heathen Remix - Jay Will
 
◆Breakthrough Reggae Artist
Tarrus Riley
 
◆Best Dancehall Riddim
Tremor - Stephen McGregor
 
◆Best Gospel Album
Prodigal Son - Prodigal Son
 
◆Best Gospel Song (Songwriter's Award)
Can't Stop Now - Kemoy Rowe, William Barclay and Courick Clarke
 
◆Best Music Producer
Stephen Marley
 
◆Best International Artist
Collie Buddz
 
◆Best Reggae Compilation Album (Executive Producer's Award)
Jamdown Riddim Driven - Delmar
Drummond/Dangerzone
 
◆Best Reggae Video (Video Director's Award)
She's Royal - Rupert Campbell
 
◆Best Reggae Recording (Engineer's Award)
She's Royal - Romel Marshall
 
◆Best Reggae Vocal Performance - Duo, Group, Collaboration
On My Mind - Da'Ville & Sean Paul
 
◆Best Dub Recording or Album
Live As One Album - Zion Train
 
◆Breakthrough Dancehall Artist
Munga Honourable
 
◆Best Reggae Riddim (Producer's Award)
Guardian Angel - Arif Cooper / Fresh Ear
 
◆Best Dancehall Song (Songwriters' Award)
Nah Go A Jail Again - Reanno Gordon
 
◆Best Dancehall Compilation- two or more artistes (Executive Producer's Award)
Tremor Riddim Driven - Stephen McGregor / Big Ship Music
 
◆Best Dancehall Recording (Engineer's Award)
One Loaf a Bread - Jammy James
 
◆Best Solo Male Vocal Gospel Performance
This Place - Prodigal Son
 
◆Best Solo Female Vocal Gospel Performance
Pray For Peace - Chevelle Franklyn
 
◆Best Vocal Gospel Performance by a Group, Duo or Collaboration
Ketch A Fyah - Prodigal Son and Jason Mighty
 
◆Best Gospel Music Video (Video Director's Award)
Gully People Cry - Andrew Grey, Calvin Whilby and Mark Scott
 
◆Most Popular Song
She's Royal - Tarrus Riley
 
◆Most Popular Artist
Beenie Man
 
SPECIAL AWARDEES
◆Reggae Trailblazer Award
Chris Blackwell
 
◆Reggae Legend Award
Ernie Ranglin
 
◆Reggae Icon Award
Bob Marley
  
TARRUS RILEY interview
Interview by CB Ishii

●「Reggae Academy Awards」で6冠、おめでとうございます! まずプロフィールからお願いします。
Tarrus Riley(以下T):Tarrus Riley a.k.a. Omar Riley。Omarとは“King Son”という意味なんだよ。ラスタマンで、ジャマイカ人で、シンガー・ソングライターだよ。
 
●音楽を始めたのはいつ頃ですか?
T:13歳の時だね。でもその時はDeeJayとして始めたんだ。Buju BantonやSuper Catの世代だからね。最初は父(Jimmy Riley)のレーベルのLove & Promotionでレコーディングをして、あとはHeavy BeatのWillie Lindo、Main StreetのDanny Brownieとやったかな。でも最初は絶対にDeeJayになりたかったんだ。
 
●では、どのようにしてシンガーに移行していったんですか?
T:DeeJayとして成長していったんだけど、常に出来る限り音楽に貢献したり学んだりしたいと思っていたんだ。家にはピアノがあってよく遊びで弾いて歌っていたんだよ。それで友達や知り合いにはよく「シンガーになるべきだよ」って言われてたんだ。僕の母でさえも「TarrusはDeeJayじゃなくて歌ってみたら? 素晴しいヴァイブスを持っているわよ」って言ってた。当時は、僕にはそんなヴァイブスなんてないよって信じてなかったんだけど、その内、少し自信が出る様になってきてね。
 
●お父さんからの影響はありますか?
T:そうだね、でも音楽的な影響を受けたというよりは、たくさんの経験をさせてもらったよね。父と一緒にいた事でスタジオに入ったりしていたからずっと音楽とは一緒だったし、ずっとこの世界で何が起きているのかを見てきたって感じかな。
 
●あなたの作った「She's Royal」でBest Reggae Songを受賞しました。どんな気分ですか?
T:最高だよ! これからの曲作りへの大きな自信にもなったし、ミュージシャンとして人々のために音楽を作っている身としてはとても嬉しいね。ジャマイカ人を含め世界の色々な人々にサポートしてもらって一生懸命にやっていくエネルギーになるよ。
 
●そうだ、Sly & Robbieとやった曲で、お父さんのJimmy Rileyとのコンビネーション・チューンについて聞かせて下さい。
T:ウィッキド・サウンドだよ。「Pull Up Selector」っていう曲でSugar Minottが有名にした "Tune In" リディムを使っているんだ。父と2人で作詞して「戦争なんて要らない」って歌ってるんだ、聞いてみて。
 
●今後の予定について教えて下さい。
T:曲作りはしていくけど、そんなにすぐにレコーディング出来るわけではないから、急いでアルバム制作に取りかかろうとは思っていないんだ。
 
●来日予定はありますか?
T:そうなるといいね。日本人はとても親切だしクリーンだから日本人が好きなんだ。日本の文化についても知りたいしね。 

 
CLIVIE BROWNIE interview

CLEVIE BROWNIE & STEELY JOHNSON
●「Reggae Academy Award」の母体であるRIAJam(The Recording Industry Association Of Jamaica Limited)の目的は? また、具体的にどういった活動をしているのでしょうか?
Clevie Brownie(以下C):RIAJamはジャマイカのレコード業界の各企業の利益を守るために2003年に設立された団体で、レゲエのレコード業界で活動していれば誰だってメンバーになれるんだ。委員会は様々な分野のエキスパート達…例えばプロデューサー、ヴィデオグラファー、エンターティメント弁護士、出版、製造、配給業者らで組織され、それぞれの利益を守るために活動している。私はその委員会の議長なんだ。
 
 我々はまず初めに違法コピー/ダウンロード等の海賊行為に対して取り組むべきだと考え、そのための行動をしているんだ。また、当初からレコード業界内の素晴しい作品やクリエイティヴなものを讃えるため、毎年アワード・セレモニーを行う事は決めていた。それが今回の「Reggae Academy Award」なんだ。
 
●違法コピーと言えば、Audio Maxxxの一件に関しては?
C:ニュースが早いね(笑)。Audio Maxxxの違法コピーは以前から問題になっていた。ジャマイカでリリースされたほぼ全ての曲が無許可でAudio Maxxxで販売されていたんだからね。だから我々はAudio Maxxxを閉鎖に追い込むために色々な手段に出ていたんだ。去年はEMIカナダのトップを通じてカナダのレコード協会に依頼したり、最近ではジャマイカの大蔵省に政府対政府として働きかける様にお願いしたりね。でも先日、グッド・ニュースが舞い込んだんだ。Audio Maxxxが閉鎖に追い込まれたってね。本当に嬉しかったよ。
 
●こういった違法ダウンロード・コピー等の海賊行為にどう対応していけばいいとお考えですか?
C:現状、例えいくつかある違法ダウンロード・サイトが閉鎖したとしてもどこかで新しいサイトがまた出てくると思うよ。だから我々は、需要に対してきちんと供給をする必要があると提唱している。つまり認可したダウンロード・サイトで正式に販売するって事だよ。例え違法ダウンロードできるとしても、本当にそのアーティストのファンで、その音楽を聞きたかったら、正式に販売しているサイトを探してくれると思うんだ。勿論、更にテクノロジーが進化して、インターネット上での海賊行為に対抗出来る様になって欲しいとは願っているよ。でも消費者に負担になってはいけない。だから、価格を上げずに音楽を正しく入手してもらえる画期的な方法を我々が考えなければいけないんだ。
 
●では、ダブ・プレートのMix CDに関してはどうお考えですか?
C:ダブ・プレート自体には歴史があり、それはジャマイカの文化でもある。それぞれのサウンド・システムにとって、スペシャルでユニークな音源は常に求められているしね。ただ、無許可で勝手に作成して、それから収入を得る行為は違法だ。それに対しては警告を与えている。ただ、きちんと認可されている音源であれば全く問題ないと考えている。Mix CDを作成するのも勿論OKだ。ただ楽曲のオーナーから許諾をもらっていればの話だけどね。
 
●それでは「Reggae Academy Awards」の事をお聞かせ下さい。
C:レゲエ業界内で、優秀さを祝い、認知し、称賛するというのが第一の目的だ。現役のアーティストは勿論だけど、亡くなられた方を称える賞もあるんだよ。レゲエの成長に多大なる貢献を与えてくれた人々を称えたり、スポットライトを当てていく事によって、新しい世代のレゲエ・ファンの記憶に留めてもらいたいという想いもあるんだよ。
 
●賞は数多くの部門に分類されてますが、基本的な選考基準は?
C:レゲエの同志による同志のための音楽賞だから、Reggae Academyのメンバーでなければノミネートも出来ないし、投票も出来ないんだ。メンバーになるには、アーティスト、ミュージシャン、プロデューサー、ライター等々、レゲエ業界に携わってなければならない。つまり基準はレゲエなんだよ。最人気アーティスト、最人気楽曲の2つのカテゴリーに関しては一般の人々も選考に参加できるんだけど、他のカテゴリーに関しては、Reggae Academyのメンバーによって専門的な見識による優劣を基準に投票が行われるんだ。つまりレゲエと共に生きているプロフェッショナルな人達に評価されるという事さ。だから賞のハードルが上がり、水準を高くキープ出来るんだ。例えチャートに入っていなくても、優れた楽曲、優れたプロダクション、優れたパフォーマンスだったり、ミックスが優れていれば受賞する可能性はあるんだよ。ただ今回、ダンスホールの評価が低く過ぎるとアーティストやプレイヤーからの批評はあった。でもそれは、彼らが受賞のプロセスを知らないからなんだ。そういった批評を持つ人は大体、Reggae Academyのメンバーではないからね。勿論、もっとたくさんの人にReggae Academyのメンバーになって欲しいと願っているよ。多数の人が参加して投票してくれた方がより幅広い見方になるし、正確な選択が出来るからね。こうやって、年を重ねる毎に徐々に良くなって世界の代表するレゲエ音楽賞になっていくと信じているよ。
 
●今年のノミネートや受賞者の中で一番印象的だった人は?
C:Chris Blackwellかな。彼が残した功績は知っての通りだよ。ボブ・マーリーを擁してレゲエを世界に広めた張本人だからね。彼はレゲエ業界にとても重要な役割を果たしたし、今現在のレゲエ・シーンがあるのは彼のお陰でもある。その功績が認知されたのはとても喜ばしい事だよ。
 
 Reggae Academyは一つの大きなユニヴァースであり、家族であるって事を日本や他の国でレゲエに携わっている人々に知ってもらいたいんだ。世界中どこにいてもレゲエ・ビジネスに関わってさえいればReggae Academyのメンバーになれるし、そうして皆が参加すればレゲエの世界は一つの家族になれるんだ。勿論、レゲエ業界が抱える問題は存在するけれど、皆で議論を重ねれば解決出来るはずだよ。Unity は Strength(強さ)だからね。だから、レゲエに携わっている世界中の方々がReggae Academyに参加してくれる事を望んでいるよ。勿論、基準はあるけれど、ウェブ・サイトにアクセスして、フォームに記入して申請すればいいだけなんだ。 

CHRIS BLACKWELL & ERNIE RANGLIN
 


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