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"School of Vision-2"”
Text by Reiko NAGASE SMITH(協力:アイランドツアー)
 
毎週土曜日にキングストンのパピンでナイヤビンギ集会を行なうラスタファリアン「スクール・オブ・ヴィジョン」のラスタ・コミューンは、世界最上級のコーヒーで有名なブルーマウンテン山脈の中腹、Settlement(セグメント)地区を上った山の上にある。
 
パピンからアイリッシュ・タウン方面に、山道を車で約45分。アイリッシュ・タウンに入ると「カフェ・ブルー」(ローカルのコーヒー会社が経営する小粋なコーヒー・ショップ)、クリス・ブラックウェル経営のホテル「ストロベリー・ヒル」、日本のコーヒー会社UCCが所有する「クレイトン・ハウス」と、ガイドブックに載る有名スポットがあって、更にレッドライト地区までのぼる。これを越えるとジャマイカJDF軍の訓練所「ニュー・キャッスル」、スプリング・ウォーターの会社「キャサリン・ピーク」があり、セグメント地区に入る。車で行ける所まで行って、コミューンまでの山道を足でのぼっていく事になる。道は階段状になっているが傾斜が急で、足元にはキングストンで見かけない種類の高山植物が、キングストンを遥か向こうに臨む極上の眺めを、愉しむ余裕もない程の山登り状態が20分程続く。ここはキングストンとは別世界、気候も全然違って朝晩は冷え込む程。
 
今から9年ほど前に建てられたこのラスタ・コミューンは、創設者のプリーストを中心として、100人から200人程のラスタファリアンが共同生活を営んでいる。現金収入を目的としない彼らの共同生活には、それぞれ役割分担がされていて、ハリケーンで破壊されたタバナクル(礼拝堂)の復旧に勤しむ大工係、洗濯に精を出す女性、今が旬のレタスの刈り入れに忙しい人、セキュリティ担当の若い衆等、皆それぞれが能力を生かして自分達のコミューンの為に働いている。掃除も当番制だ。
 
農業とルーツワインが彼らの大切な収入源で、ねぎ、オクラ、レタス、パクチョイ、キャベツ、赤豆、にんじん、チョウチョウなどの野菜、バナナやパイナップルなどのフルーツを、パピンの市場に定期的に売りに行く。ルーツワインは小瓶で売られる手作り感覚の商品で、このところスーパー・マーケットなどでもよく見かけるタイプのもの。コンクァーリング・ライオンの絵が目印の「Priestly Order Roots」はこの山で採れる素材で調合され、コミューンで煮詰めてボトルに入れられ、キングストンやマンデヴィルまで売りに行く。
 
電気が通っているのはコミューンでも一部のみ。有名なスプリング・ウォーターの水源地に近いので、おいしい水が豊富。だが水道は通っていないので、毎日の生活は水運びが中心となる。
 
コミューンの朝は、お祈りで始まる。「スクール・オブ・ヴィジョン」では皆、北を向いてお祈りする。ボボ・シャンティ等、エチオピアのある東を向いて祈る別宗派も多いが、「スクール・オブ・ヴィジョン」が北を向くのは、ハイレ・セラシエが正座(しょうざ)で南を向いておられる為、ハイレ・セラシエに向き合って拝む為に北を向くのだそう。朝7時、正午12時と夕方6時に毎日祈りが行われる。日中は、パピンで行われる集会でのナイヤビンギを録音したテープが流れる。ラスタ・カラーは緑を上におく正統派で、ボボ・シャンティの様にマーカス・ガーヴィーを特別に崇める事はない。
 
このラスタ・コミューンでは、ラスタである事、が条件で、共同生活だから規則はあるものの、ここに住むラスタファリアンの生活は基本的に自由。カップルや家族形態のラスタファリアンも多く、他の宗派の様に結婚や仕事等の制限もない。
 
彼らは「ぶれっせ」「びがもー」と通りすがりに軽く挨拶しながら、仕事や学校、買い物等に出かけていく。「Bigga More」は、ジャマイカ人のカジュアルな挨拶言葉「Little More」(リコモと発音)が、ラスタ的に変換されたポジティヴ・ワード。傘(umbrella)もoverbrella(オーバーブレア)に変換。キングストンで床屋業を営んでいるラスタファリアンもコミューンにいる、というから可笑しい。
 
学校は幼稚園と小学校がコミューン内にあり、コミューンに住むラスタファリアンが子供達を教えている。また、キングストンのペーン・ロードにある「ハイレ・セラシエ小学校」で教鞭をとる教諭がコミューンにいる為、この小学校に通っている子供も多いとか。新月には三夜続くビンギが行われ、訪問者が参加する事もできる。ナイヤビンギは他に、ハイレ・セラシエの誕生日やエチオピアのクリスマス等、ラスタファリアンの大切な行事にこの山で行われる他、出張ナイヤビンギもしている。
 
訪問者も大歓迎するこのコミューンに、外国人が宿泊する事も可能で、自然と一体なラスタファリアン・ライフを体験しながらラスタについて学ぶ事ができる。訪問者へのゲスト・リレイションは、ラスタについての正しい知識を外部に伝える為の大切な役割であり、誠意をこめて案内してくれる。訪問者からの寄付は彼らの大切な収入源で、礼拝堂の復旧や子供達の学校運営の資金となるので、特に宿泊の際には、お礼は必ず置いていきたい。「ゲストハウス」ではなく「道場」なので、行動にはご注意を。
 
「スクール・オブ・ヴィジョン」へのアクセスは、レッドライトまで乗り合いタクシーが出ているが、本数が少ないのでチャーターのタクシー利用をお薦めする。訪問時の服装は、厳しい制限があるわけではないけれど、女性は頭を覆うものと長いスカートで、敬意を表したい。
 
「スクール・オブ・ヴィジョン」のレストラン「RASTAURANT(ラスタラン)」が、キングストンのスリーマイルにオープンする。コンテナ利用のテイクアウト弁当屋スタイルの店で、勿論、ベジタブル100%のベジレス。スリーマイルの交差点、Nova Scocia銀行の隣。オフィシャル・オープンは3月2日。
 
ぶれっせっ。Bigga Mo。

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