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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
Guru / Guru's Jazzmatazz The Mixtape 'Back To The Future' (Hostess)
ボブ・ジェームスやデヴィッド・サンボーンとの共演も実現したシリーズ第4弾の余熱漂う中、そのミックス・テープ版(オフィシャル!)が“ラップスター”より登場。現在のライブDJでもあるドゥーワップをホストに迎え、定番ネタを“それと分かる”使い方で料理する“相棒”ソラーと共に、相も変わらぬ渋い声でフロウする主役と全国各地の“地下の精鋭MCたち”とのセッションは、本編よりもストレートにヒップホップの成り立ちを伝えるモノだ。ダミアン・マーリーとの例の曲の新版もアリ。
 
ALBUM
 
2. Pete Rock / NY's Finest (Rambling)
「90年代の黄金期を作った1人は俺だ!」とばかりに大胆不敵(?)なタイトルの3枚目となるリーダー作をドロップしたピート・ロック。“ネイチャー・サウンズ”発となる本作は、敬愛してやまない故JBへのオマージュも明らかな渾身の“ピート流オーセンティック大作”に。ディップセットやD・ブロック、ウータンといったNYを代表するクルーからの選抜に、これぞNYサウンドを合わせ、自身もラップで絡む基本線は最早鉄板級。チップ・フー参加曲はルーツ・レゲエ路線だが、よくよく考えてみるとピートもジャメイカンだった。
 
3. Beanie Sigel / The Solution (Def Jam )
オツトメ生活を終え、たった一人でステイト・プロパティの看板を背負うこととなったフィリーズ・ファイネストの4th。デフ・ジャムを去る覚悟をした“ボス”ジェイ・Zの仕切りの下(といいつつもリードはR.ケリーとの曲!)、「より音楽性を重視した」という本作は殺伐としたところがカッコよくもあった前作よりも幾分ソウルフルであったかい。新作が素晴らしいラヒーム・デヴォーンの起用法もそう。リリシストとして高い評価を受ける彼だけに今回も同業者をヘコませるのでは?
 
4. Scarface / M.A.D.E. (Rap-A-Lot / Asylum)
こちらはデフ・ジャムへの復帰(?)が明らかになった“ミナミの帝王”、絶縁関係にあるはずの老舗ラップ・ア・ロットからの最新未発表作。とは言え、今回は高水準。マイク・ディーン、N.Oジョー、ジョン・ビドー、トーン・カポーンらお馴染みのトラック・メイカーたちが用意した(例によってリミックス中心?)、彼向きのディープなサウンドに、同時期に新作を出したトゥー・ショートとはまた違った俺流を押し通す(ギター・プレイも!)スカーフェイスは現役感十分で、レジェンドと呼ぶにはまだ早い?
 
5. Far East Movement / Round Round (Avex)
『ワイルドスピード3』のサントラ収録の「Round Round」で注目を集めた、日・中・韓それぞれの血を引くLA在住のミックス3MCのデビュー作。アジア版ビースティと称されることも多い彼らは、ヒップホップのナンデモ有りの精神やユーモアをよりわかり易い形で実践している。セルフ制作のビートも多彩ならば、パーティ・チューンからシリアスな曲までのリリカル・コンテンツも実に幅広く、説得力も十分。この道の先駆者でもあるジンが加わった「For The City」でも肝心なラップはしっかり立っている。
 
6. Jazz Liberatorz / Clin d'oeil (P-Vine)
ジャケからして“それ系”と判る、パリのプロデューサー・トリオの初アルバム。これが相当クロい!! 最近の紋切り型のジャジー、ではなく“UKモノを含めたあの頃のクリーンかつファットな音”をアップデートした様な、何とも気持ちよいグルーヴと、先人達へのリスペクトが波打つ本作はシングルを全てチェックしてきた人を決して失望させない磐石の仕上り。サダト・X、ファット・リップ、バックショット、アシェルー、J・ライブ、アパニ、T.ラヴら“言えてる”ゲストMCの何と生き生きしてる事!
 
7. V.A. / DJ Shuzo presents Show Time 1 (Samurai Music)
大箱映えするパーティ・トラックス専科、と言えばその火付け役の“AV8”の名が挙がるだろう。同レーベルとのパイプも太いDJ Shuzoが新たに立ち上げた“Samurai Music”の第一弾となるのが、そのAV8の歴史を年代順に追った決定盤的コンピ(珍しくノン・ミックス!)。異例のロング・ヒットとなった、ご存知クルックリン・クラン&ファットマン・スクープの「Be Faithful」(DJ Kaoriの掴みウェポンとしても有名)を始めとする20曲ものクラブ・アンセムが並ぶ本盤はレア曲込みでかなり“使えマス”。
 
8. Seeda / Heaven (KSR)
先月号“ベスト・アルバム”の企画でもガッチリ票を集めた2007の顔の一人=Seedaが予告通り、約3ヶ月のインターバルで新作をドロップ! 今回はゲストも抑えられ、トラックの方もScarsの音司令塔でもあったI-DeAに、傑作『花と雨』を全曲手がけたBach Logicの2人だけ、と“よりソロらしい”シンプルな構成に。以前から只のハスラー・ラップではなく、より意味深くスキルフルな詩とデリヴァリーを展開していた孤高の存在である彼が更なる高みに上ったことは聴けば解る。ラップ&ビートともにネクスト・レベルに突入した、日々の闘いをポジティヴに表現した新たなるマスターピースの誕生だ。ソウルフル!!
 
9. AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff / Triumphant Return - Redsta Iz Back- (MS)
ラッパー、シンガーとして“2つの名前”を使い分けてきた名古屋のゲットー・スーパースターが原点回帰的に“ストリートの名の下に1人ユナイト”を果たした最新作。そのテーマカラーの如く燃える様なラッピングと、エモーショナルそのもののシンギング、そのどちらもが同等な彼の武器である事はステージだけでなく、“一曲入魂”のスケールの大きな本作からも伝わってくる。M.O.S.A.D.、DS455、Deli、般若、Yorkら客演陣も見事な立ち回りを見せ、ヒーロー赤星の熱い世界をサポート。
 
10. Minority Boys / Izm Will Never Die (Minority Net)
Future Shockの頭脳=B-Yasが中心となり、You The Rock★らが参加している未来型B-Boy ネット・コミュニティー=Minority Net主宰のオリジナル音源集。ヒップホップという世界的規模の共通言語を話すマイノリティーが、そのカルチャーの凄さ、素晴らしさ、楽しさをそれぞれの角度、見解から語りかける本作には、先の首謀者2人の他にB-Yasの学友でもあるタリブ・クウェリや、Zeebra、Rino Latina II 、Hab I Scream 、Dabo、Ryuzo、Anarchyに、タイのジョーイ・ボーイら、エリア、クルーの枠を越えたアーティストたちが集結。ムーヴメント感の強い一枚となっている。

 
11. V.A. / Coast II Coast 02 -New Generation Of Tsutaya限定企画で大好評だった“次世代極東ウェッサイ・アーティスト”全国ローラー大作戦コンピが、メジャー展開で2発目をドロップ。今回もDS455を擁するHood Sounds制作で、その道のパイオニアであるDSの2人が“選びに選び抜いた”だけあって、バラエティ豊かで勢いのある出来となっている。北はNorth Coast Bad Boyzの1-Kyuから、南は福岡Shitakili IXのZang Haoziまで、と各地の猛者が“楽曲勝負”で火花を散らす様は、このシーンの元気の良さの証明でもある。
   
12. V.A. / Herlem Ver.X -10th Anniversary (Columbia)
東京を、いや日本をレペゼンするほどの“ヒップホップ大箱”渋谷Harlemの10周年を記念するオリジナル・コンピ第4弾。毎回“パーティの屋台骨”となるDJ/トラックメイカーにスポットを当て、歌い手をFeat.クレジットにし、そのコンビネーションの妙で話題を提供してきた同企画だけに、アニバーサリー版の今回も鉄板の常連、フレッシュな新顔含め、総じて外しのない“Harlemコンピならでは”の現場の空気を落とし込んだ内容に(レゲエ界からはSunsetも参戦!)。DJ Hazimeによる新版ベスト・ミックスとの2枚組、という豪華パッケージも嬉しい限り!

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