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299    ARTISTS    MOOMIN

MOOMIN
うまれたての瞳
 
Text by Naohiro Moro / Photo by Bruce Osborn
 

去年は8thアルバム『SOWAKA』やミックスCD『MOOMIX』とリリースが相次いだMoomin。年が変わっても勢いそのままにマキシ・シングル「うまれたての瞳」をリリース。これがまたMoominならではの滋味に満ちた名曲に仕上がった。


男女の恋愛の感情。世界平和を願う人類への愛。仲間や友人への愛。これまでも彼自身のスタイル、スタンスで、様々な形の“愛”に、メッセージを添えて表現して来たムーミン。そして今のムーミンに最も相応しい愛情の形が、最新シングルとして結実した。新たな彼の代表曲のひとつとして、今後、リスナーの記憶に刻まれるだろう「うまれたての瞳」がそれだ。
 
新曲「うまれたての瞳」は、実際、二児の父でもあるムーミンが、子供たちへの愛情を表現しただけにとどまらず、子育てを通じて知り得た気持ちを自らの両親にも捧げた、3世代家族愛ソングだ。日本の音楽界全体を見回しても、ありそうで、あまりないテーマに思えるし、それをこんなにまで、堂々と感動的に美しいメロディにして歌えるアーティストはムーミンしかいないだろう。
 
レゲエにおいては、ジャマイカでも日本でも「母」に捧げられた曲は珍しくはない。実際、最近の国内アーティストの作品の中にも、お母さんソングをよく耳にするし、ダンスの現場でも、親への感謝を表明するMCのコメントにもよく出くわす。だが、「うまれたての瞳」は、そうした作品ともまた違った、ムーミンにしか歌い得ない、美しさ、風格、貫禄、リアリティを感じさせる曲だ。それはおそらく、ムーミンは今日昨日父親になったのではなく、5年以上の子供たちとの歳月の中での経験を持ってして、あえて今、書き上げたリリックであり、紡ぎ上げたメロディなのだからだろう。歌うべきテーマに出会い、向き合った結果、優しい語り口の中にも、力強い意思表明を伴った名曲が誕生した。シンガーとしてのスケール・アップも感じさせる。
 
メイン・ヴァージョンのプロデュースは、これまで、ケツメイシやクリスタル・ケイなど、多くのヒット曲を手掛けて来たYanagiman。ノン・レゲエのアプローチで、ムーミンの良さを引き出すことに成功している。
 
また今作においては2つのリミックス・ヴァージョンも秀逸だ。スティーリー&クリーヴィ制作のレゲエ・ヴァージョンの「Steely & Clevie Remix」と、そのレゲエ・ヴァージョンにナンジャマンをフィーチャーした「DeeJay Mix」がそれだ。スティクリらしい気持ちのいいレゲエ・トラックは、この曲のメロディの良さを別の角度から再認識させてくれる。更に兄貴ナンジャマンこそ、父親になったばかりの人であり(おめでとうございます)、そのフレッシュな感動、喜びをリリックの中で爆発させている。
 
カップリングの「ここにおいで」は、美しいアコースティック・ギターのアンサンブルとパーカッションのみで構成されたシンプルなアレンジに、ソウルフルなムーミンの歌声が印象的な“海”を感じさせるナンバー。ギターとプロデュースは、Reggae Disco Rockers、Stoned Rockers、Jungle Rootsなど多くのレゲエ・バンドを掛け持つ、多忙な若きギタリスト小林洋太が担当。ムーミンによく似合った新しい方向性でもある。
 
08年、ムーミン始動の曲「うまれたての瞳」。自信に溢れ、堂々としている。この10年、シーンを牽引してきたムーミンだけに、今年、更なる大きな飛躍を期待したい。
 



"うまれたての瞳"
Moomin
[Universal Sigma / UPCI-5060]

 

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