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Burro Banton
Badder Den Dem
 
Text by Takashi Futatsugi
 

“マッシヴ・B”より実に13年振りとなるアルバムをリリースしたばかりの“Original Banton”=ブロ。ここ数年のヒット曲を中心に、ハードコアな歌いっぷりが光るバッドなチューンと、定番オケの旨味を引き出したファウンデーション物で色分けされた本作は、前作以上にキャリアの集大成的なモノ、となっている。ここにきてまたモティヴェーションの上がり具合が凄まじい彼をキャッチした。
 
●生い立ちについて詳しく教えて下さい。
Burro:音楽を始めたのは学生の頃だね。17〜18歳、ブラック・フーバーでDee Jayを始めて、その次はジョージィ・ウェールズと一緒にルーツ・アンリミテッドで活動して、その次はジェミナイで2年位やって、キラマンジェロで歌うようになった。生まれはキングストン。音楽に溢れた環境だったね。NYでも10年間暮らしたよ。でもジャマイカに戻ったんだ。理由? NYではレゲエが正しく作られないと感じたから。ジャマイカこそがレゲエのルーツだし、リアルな方法で音楽を作る為にはジャマイカにいないと、と思い直したんだ。勿論、NYにもボビーの“マッシヴ・B”とかリアルな奴らはいるんだけどね。
 
●最初の“アイドル”は誰でしたか?
Burro:ランキン・ジョーだね! 彼は“先生”だよ。U・ロイやランキン・ジョーを初めて観た時に“俺がやりたいのはコレだ!”と確信したんだ。
 
●ブロ・バントンというステージ・ネームはいつから?
Burro:ブラック・フーバー時代はパパ・ブロだったんだけど、ヴォルケーノでやるようになって改名したんだ。“Banton”っていうのはリリックからきている。Lyrics Bantonっていうと、頭の中に歌詞や音楽が一杯詰まってるヤツのことだから。ブジュとか俺以降のDee JayがBantonを名乗っているのはいい気分だね。それだけリスペクトされてるってことだし、オリジネーターの俺まで注目されることになるからな。でも正直、“Banton”は俺一代のスタイルだと思ってる。
 
●「Badder Den Dem」のPVでは80年代の映像も効果的に使われてますが、この時代は今振り返ってどうでしたか?
Burro:重要な時代だったね。ヴォルケーノでDee Jayをやり、ステレオ・マーズでもやった。ヘンリー・ジョンジョ・ロウズが俺の1stアルバムをプロデュースしてくれた。イエロー・マンやピーター・メトロともよく一緒になった。1983〜4年あたりはヴォルケーノが中心だったからね。その頃のライヴァル? キング・イエロー・マンからジョージィー・ウェルズ、チャーリー・チャップリン、ピーター・メトロ、ジョン・ウェイン…あとスーパー・キャットとニコ・デマスかな。誰もがNo.1になりたがってたよ。アツかったね!
 
●「Boom Wa Dis」が産まれたのはNYに移ってからですよね。
Burro:そう、キャットと同じクルー(ワイルド・アッパッチ)にいた頃だ。歌詞は肌の色からきているんだ。俺は少し薄いけど「違う、俺はブラックだ!」って言ってるんだ。ダブの依頼が多い曲? 勿論「Boom Wa Dis」だよ。その後に何度か歌い直したのは、時代によってウケるリディムが違うから。
 
●ボビー・コンダースとの関係はずっとタイトですよね?
Burro:ああ、“マッシヴ・B”は俺のホームだ。ボビーと出会って俺のキャリアの第2章がスタートした。89年から90年頃までの1年半位は音楽から遠ざかってたしね。その頃はキャットとの関係や契約の事とか色々ストレスがあってブレイクを取っていたんだ。2ndの『Da Orginal Banton』から今作まで13年も経ったがお互い良い関係だと思ってる。成長したしね。
 
●今作は前半が“ダンスホール・サイド”、後半が“ファウンデーション・サイド”と分かれていますが。
Burro:キッズの為にダンスホールを入れた。彼らの心を掴むためにね。そしてキッズにファウンデーションというものを知らしめたかったんだ。
 
●特に好きなリディム、歌いやすいリディムとなると? 5つほど挙げて下さい。
Burro:“Answer”に“Diseases”、“Sick”、“Rock”だろ…あとは「Boom Wa Dis」を最後に録ったときの“Street Sweeper”だな。
 
●新作の中で“これぞニュー・スタイル!”と言えるものとなると?
Burro:「Badder Den Dem」かな。ヒットしたから、ショウでも受けがいいし、ダブの依頼も多い。それにこれは俺が今のトップDee Jayと張り合えるくらいヤバいぞ、って宣言でもあるからね。そう、ビーニ・マンやバウンティ・キラー、ケイプルトンらとやり合えるような。
 
●これだけタフなスタイルで長年やり続けられる秘訣は何だと思いますか?
Burro:まず、“気持ち”の上で他人に負けてないということと、この声だな。歌う為に授かったような声だから。あと神からのインスピレーション。常にコンシャスなアーティストでありたいね。
 
●現在のジャマイカのシーンをどう思いますか?
Burro:素晴らしいけど、キッズたちはヴァイオレンスに走ってるね。考えないといけない問題は多い。音楽そのものはクレイジーだ。ダンスホールが特にね。
 
●来日公演でも思い出深いエピソードを。
Burro:日本は大好きだよ。客も、サウンドマンも。アーティストも、だ。以前のツアーはどこも満員で凄くいいヴァイブスだったよ。日本のアーティスト、特にDee Jayを志す人に言いたいのは“とにかく練習し続けろ!”ということだけ、だね。声を鍛えるのはとても大切なことだ。タフな声はDee Jayに必要なものだからね。あとは自分のなりたいものに向かって、やれることをやるだけだよ。ヨーロッパもそうだけど、日本のファンからも凄く“愛”を感じるよ。アルバムも俺が気に入ってるチューンしか入れてないし、本物のエネルギーを存分に感じて欲しいね。また日本のファンに会える日を楽しみにしているよ。
(PS. 来日公演は残念ながらトンでしまった…が、また、あのスタミナ全開のパフォーマンスが観れる日が来ることを信じたい)

 
"Badder Den Dem"
Burro Banton

[FAEC / Massive B / POCE-15512]

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