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THE MAZE

(U KNOW)What the deal is
　
毎年、これが行われる度に不満を書いて来たが、今年もVH1という米ケーブル局が主催する「ヒップホップ・オナリー」（ヒップホップの名誉賞）が行われた。今年はフーディー二、スヌープ、ミッシー・エリオット、ア・トライブ・コールド・クエストが受賞という、またまた何を基準に？という人選だが、ヒップホップの歴史が歪んでしまった原因のレコード業界の“優先順位”が浮き彫りとなった。ヒップホップの功労者とは言いがたい人選だが、オールド・スクールの方々も出席していて、TVに露出するのは構わないが、誰も異議をとなえないのは、なぜ？
　
●今月のリユニオン
女性2人組の方のソルト＆ペッパが再結成した。というのは、オリジナルは、ドタ・ロックとウィッパー・ウィップという男性デュオだったので、この2人は二番煎じであったという。ま、歴史のレッスンです。
　
この模様はVH１というアメリカのケーブル局でリアリティ番組として放映される。再結成のライヴは、ロング・アイランド大学で10／6に行われ、新旧のファンに暖かく迎えられた？
　
●今月のジャム
M.O.Pが久しぶりにライヴを行った。地元ブルックリンのサウスポーなる箱で、10／6にゲーム・リヴェリオン、Jピリオドなどのサポート陣を従え、マッシュ・アウトしてくれた。ニュー・アルバムも近々出るとのこと？
　
●今月の起訴
ノートリアスB.I.G.と曲を制作した服役中のジェームス・サバティーノが、バッド・ボーイの社主、ショーン・コムズを相手取り1,900万ドルの訴訟を起こした。B.I.G.のドキュメンタリーにも使用されているこの模様は、94年にサバティーノがビギーをマイアミに招き、行われたスタジオでのセッションの模様で、約90分のヴィデオ・フッテージと、録音された17分のヴォーカル・トラックは、すでにコムズが入手し、ビギーの追悼盤や様々なリミックスで使用されている。訴訟の内容によると、コムズは当初20万ドルをサバティーノに支払うと約束し、25万ドルの前金を払ったが、その後残金は支払われることはなく、ビギーの殺害事件などで、うやむやになっていたという。更にサバティーノは、ビギー殺害に関与したという容疑もかけられていたが、これはコムズの証言によって、一度無実を証明されたという。未払いによって見せしめ的に殺害されるのはよくある話だが、更にサバティーノがなぜ服役しているかも不明で、迷宮入りになっているビギーの事件の解決の糸口となるのだろうか？
　
●今月の法廷
10／5から、去年、銃の不法所持で逮捕されたモブ・ディープのプロディジーの裁判がニューヨークではじまった。マンハッタンはチェルシー地区で、違法のUターンをしたプロディジーが運転する車から銃が見つかったという事件で、同乗のプロデューサーのアルケミストの容疑は既に晴れている。プロディジーは前科2犯で、今回有罪になると懲役15年とも言われている。尚、見つかった拳銃は車のコンパートメントに入っていて、車両はGユニット所有という事で、なぜ　白人のアルケミストの容疑だけ、早急に晴れたのか疑問の声が上がっている？
　
●今月のギグ
同じく10／5から、オットーマン・ラウンジなるブルックリンはウィリアムズバーグの新しいスポットで、ゲリラ・サウンド・システムによるレギュラーのパーティがはじまった。内容はファンクを中心とするヒップホップのオリジナル・サウンドシステムに根ざした選曲で、最近は珍しいレコードのみのプレイを展開している。ヒップホップの事情通のみならず、各界のパーティ・ピープルが注目する夜となりそうだ。スケジュールは、ottomanloungegrand.comでチェック出来るが、10月の3週目の金曜は、DJの都合によりキャンセルとなった？
　
沼田 充司
DJ／プロデューサー。 レーベル＜ブダフェスト＞主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]