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296    COLUMN    PLAY IT LOUD

BOOK OF LIFE / I-WAYNE
[VP / VP1798]
現場向けとは言えないながらも心に沁み入る「Book Of Life」をヒットさせたアイ・ウェイン、同曲を冠にしたセカンド・アルバムが名盤『Lava Ground』以来約3年振りの登場だ。持って生まれた生真面目な性格なのか、どこまでも真摯かつポジティヴなメッセージと両手でやさしくハートを包み込むような歌声は相変わらず素晴しい。腰のすわったサウンドと相まってじっくりと聴いて欲しい作品となった。[輸入盤](大場俊明)
 
FROM AUGUST TOWN / DUANE STEPHENSON
[VP / VP2347]
Jah Cure「True Reflections」の詩作により注目された元To-Isisリード・ヴォーカル。ソロとしてはほぼ無名での本作デビューは、それだけ期待と自信があってこそ。往年のJimmy Cliffに通じるスケール感、Jah賛歌に偏らないルーツなメッセージを、たゆたう情感サウンドにのせて聴く者の琴線を爪弾く。しかもProd.は近年外し一切なし、新しい才能を次々開花させているDean Fraser。ついにその時がきた、大物誕生。[輸入盤](遠井なつき)
  
BLESSHEAD / BLOOD SHANTI AND THE SHANTI-ITES
[FALASHA RECORDS / ABA-CD006]
シャンティ・ファミリーの新作は、ブラッド率いるShanti-Itesによるバンド物。シングル・リリース済の曲も新たに収録。固い絆で結ばれるメンバーが叩き出すサウンドは、これぞ正にルーツ・レゲエ。アバ・シャンティによるサウンド・システムと共にルーツ・レゲエに正面から取り組む彼らからの回答がここに在る。ミックスは、ブラッド&アバ。因みにCDアルバムには、全曲ダブ・ヴァージョンが収録。[輸入盤](楳原豊人)
 
IN THE NAME OF LOVE / MIKEY MURKA
[REALTY SHOCK RECORDS / RSRCD001]
80年代、エロール・ベロット、セラ・コリンズ等と共にユニティ・サウンズよりローカル・ヒットを連発し、UKダンス・シーンで人気高いマイキー・マルカがアルバムをリリース。ミックスにラス・D等を起用し、全編に渡りルーツ色を強く出した作品。モダン・ルーツのヘヴィなサウンドに負けないその歌唱力で再びシーンのトップに踊り出る事は間違い無いだろう。ルーツ・リスナーは要チェック。[輸入盤](楳原豊人)
 
VERSION EXCURSIONS / THE DYNAMICS
GROOVE ATTACK / GAP1072]
先行で発売されていた7"レコードでレゲエ愛好家の間では話題だったグループ、遂にデビュー作リリース。しかも全てカヴァー曲で勝負ときたもんだ。ソウル、ロック、ポップス、何でもござれの雑食ぶり。ただし根底にファンクとレゲエ愛が感じられ、単なる企画物とは一線を画する。昔からその時代のクールな楽曲をホットにカヴァーしてきたジャマイカン・ミュージックの伝統が受け継がれた遊び心満載作。[輸入盤](磯野カツオ)
 
バース・オブ・ホープ/トレインズ・トーン
[スカ・イン・ザ・ワールド/SIWI82]
フランスのスカ・バンドです。カクテルに例えるならば、ジャズをベースにしてスパイ映画のサウンド・トラック風ウィスキーでシェイク。すると、モノクロのシネマが完成。スイングしなけりゃスカじゃない、と言いたげに揺れまくる楽器達に酔わされ、いい気分。雰囲気を持った女性シンガーは囁く様に音符に息を吹きかける夢のコード進行まっしぐら。緩急をつけたリズムの変化にワクワクしちゃうスリル盤です。(磯野カツオ)
 
ファースト・ボーン/ファースト・ボーン
[ダイアモンド・エッジ/DECD006]
故デニス・ブラウンに見出された、南米ガイアナのルーツ・ヴォーカル・グループ実質上ベスト盤が日本初上陸。コンシャスな普遍的なメッセージを、チナ・スミス、ホースマウス、スライ・ダンバーらも参加のリズム隊が奏でるいい具合に力の抜けたミディアムTrkにのせる。説教臭さのないこのユルさは、9割以上が全人未踏の原始の地である国土から生まれた、彼らのスピリットの朴訥さそのものなのかも。(遠井なつき)
 
バロン/チィー
[フォーミュラ/QWCF-10018]
Dr.プロダクションが魂を込めて贈り出してきた女性シンガー、チィーのファースト・フル・アルバム。企画もの的ミニ・アルバム『Voice Of Chee』が評判だっただけに期待していたファンも多いだろうが、本作では奇をてらうことなく1曲1曲を丁寧に作り込んだ全編慈愛溢れるラヴァーズ・ロックに仕上げ、きっと長く愛されるだろう。初回盤にはダンスホールなチィーが楽しめるオマケ・トラックをたっぷり収録。(大場俊明)
 
パライソス/フッシー
[ファイル/FRCD-070]
参加しているバンドだけでは自己を表現しきれないのだろう、最近、フロントマン以外でもソロ作がひっそりとリリースされることが多い。ひっそりと…と言ってもその内容は焦点がきっちりと合った芯の太いステキな作品が多いのだ。Wack Wack Rhythm Bandのトロンボーン奏者の伏見仁志=fussyによる本作も正にそうした作品で、ジャケット写真の様な空の下で聴けばばっちりハマるナイス・インスト・レゲエ作品だ。(大場俊明)
 
ムーン・シャイン/V.A.
[スカ・イン・ザ・ワールド/SIWI-84]
スカに魅せられた世界の現役選手達をサポートするレーベルより素敵な音の絵葉書の様なコンピレーションが届きました。空を見上げれば月がある。星はひとつではない様に、1曲1曲が原石です。聴きながら世界各地の景色をイメージ。あら不思議、ムーンライトが浮かんできますよ。固定観念を捨ててスカの扉を開けてみませんか? ロマンチックであたたかい銀盤ございます。ジャケットがとてもいいでしょう。(磯野カツオ)
 
ジ・アート・オブ・ラヴ・アンド・ウォー/アンジー・ストーン
[ユニバーサル/UCCO-2004]
3年ぶりとなる新作はソウル/R&Bの名門スタックスからのリリース。マーヴィン・ゲイ所有のスタジオでの録音となった本作は、アンジーとは所縁深く、また久保田利伸の作品にも参加していたジョナサン・リッチモンドらが手掛ける一方で、アンジー本人も制作に大きく関与、現行R&Bの滋味深い旨みが凝縮された仕上がりとなっている。ベティ・ライトやジェイムス・イングラムら重鎮の援護射撃も泣ける〜。(石澤伸行)
 
ファンク・ディス/チャカ・カーン
[BMG/BVCP-21557]
オリジナル新録としては9年ぶりとなる新作。プロデュースにはジャム&ルイスがあたり、基本どファンキー、時にスウィートな生演奏と彼女によるお馴染みヴォイスが絡む様は、否応無しに耳を奪ってくる。メアリー・J・ブライジやマイケル・マクドナルドらとの共演が堪能できる他、マイケル・ジャクソン、ジミヘン、プリンスらの楽曲カヴァーにおいても、その衰え知らぬ貫禄で歌い倒す姿が実に頼もしい!(石澤伸行)
 
ナイン・ライヴズ/キャット・デルーナ
[ソニー/EICP-853]
ブロンクス生まれのドミニカ育ち、10代を過ごしたニュー・ジャージーでエピック社長の目に留まりディールを結んだ19歳。クリスティーナ・ミリアン等を手掛けてきたレッド・ワンが、ダンスホール的手管で彼女の元気キャラを存分に活かしているが、そのエネルギーがひとつのジャンルに収まるハズもなく、サウンド・歌唱スタイル共に見せる表情はすこぶる豊か。制作陣にはアンドレア・マーティンの名も。(石澤伸行)
 
リターン・トゥ・ソウル/ダヴィーナ
Pヴァイン/PCD-93011]
遡ること10年。90年代のヒップホップ隆盛を引っ張ったラウドからデビューした“裏路地のソングストレス”が奇跡の復活。前作発表後も活動を継続していた彼女だが、本作で改めて見せつけるアップデイトされたヒップホップ・ソウル道には、やはり目尻が下がる思いだ。ベテラン勢が放つライヴ感やドープネスをたっぷりと含んだトラックとそこを這う艶っぽい歌声は、瞬く間にこの10年を結びつけてくれる。(石澤伸行)
 
ネヴァー・ルック・バック/エボニー・アレイン
[KSR/KCCD-293]
過去のお蔵入りを乗り越え、このほど当時の楽曲に新録を加えた形でアルバム・デビューを果たしたUKの歌姫。英国ソウルの仕事人、イアン・レヴァンが手掛ける音世界は、モータウンやフィリーの旨みがほぼそのまま盛り込まれ、聴けば忽ち耳から腰にかけてトロトロにしてくれる。そこへ時にシャーデーを思わせる彼女のアオく辛めな歌声が乗ることで、楽曲の持つイメージが格段に豊かになっていく。至福盤なり。(石澤伸行)
 
ゴー/レジー・B
[ウルトラ・ヴァイブ/CIRC-003]
地元カンザスでジャズ・マンとして腕を磨いて後、R&Bやヒップホップ、そしてゴスペルやロックまでを含んだ音楽の先達からの影響を血肉に変えてシーンへ登壇した奇才によるデビュー作。プラチナム・パイド・パイパーズのサディークが参加、彼も絶賛するその音楽性は、Pファンクやザップ、プリンスらをエンジンとし、宇宙と地球を自由に行き来する類のもの。しかしながら、その軌道はあくまで真っ黒だ!(石澤伸行)
 
MANIFEST TONE VOL.1 / CHICO MANN
[KINDRED SPIRITS / KS 017 CD]
NYCの人気アフロ・ビート・バンド、アンティバラスのギタリスト、マルコス・ガルシアによるソロ別名義作品が、オランダの人気ジャズ系レーベルから登場。全体を通して70年代か?!というヴィンテージでローファイな響きで、時代を越えたファンキーでモンドな、ドス黒い宅録グルーヴを展開。その音質へのこだわりと実際のナゾ音ぶりは、スライ・ストーンやドクター・ジョン、リー・ペリーらを連想させる。[輸入盤](飯島直樹)
 
大都市を電車はゆく/グディングス・リナ
[ビクター/VICL-62650]
G.Rinaから本名フルネームとなり、メジャーからのリリースで届く約3年振りの3作目。これまでは曲ごとに様々なスタイルが顔を覗かせるサウンドが魅力のひとつでもあったが、本作でそれは更に溶け合っている。そのため、曲ごとのエッジは丸みを帯びたように感じるものの、そのことで彼女のもうひとつの魅力である“ことば”が自由に飛び回ることができたように思う。“共感”は強要しないが、強く“共鳴”できる音楽。(飯島直樹)
 
コールド・ワールド/フリン&フローラ・プレゼンツ・トロピカル・フィッシュ
[エンジェルズ・エッグ/DDCA-5047]
英国音楽の発展に必ず大きな貢献を果たしてきた移民街ブリストルで、80年代から活動を続け地元シーンを支えてきたコンビによる新プロジェクトは、彼らの看板でもあるドラムンベースを排したスロー・ビート集。かの地に流れ独自に育まれたソウル/レゲエ/パンク/ヒップホップを彼らなりに消化し表現した、つまりブリストル・サウンドの進化過程を覗き見るような感覚を与えてくれる新鮮な内容に仕上っている。(飯島直樹))
 
ベツレヘム, ウィー・アー・オン・アワ・オウン/ヨーガンアンツ
[トーン・トワイライト/DDCT-4001]
グラフィック・デザイナーとしても活躍する江森丈晃と、エンジニア/プロデューサー渡辺正人によるユニットが、フランス人女性ヴォーカリストを迎え、5年以上の歳月を経て編み上げた本作。新譜なのにレア盤の香り、ジャズなのにハードコア・パンクの空気、オリジナルなのにミックスCDの響き。時代の空気を意図せず表出させつつ、時代性のない“完成した”音楽で、10年後に初めて聴いても全く同じく聞こえるはず。(飯島直樹)
 
ドーン/ビルド・アン・アーク
[P-ヴァイン/PCD93019]
アモンコンタクトとして、またヒュー・ヴァイブレーショナルとの活動で知られるプロデューサー、カルロス・ニーニョと、ベテラン・シンガー、ドゥワイト・トリブルが、2001年9月11日の同時多発テロを契機に「平穏な世界」を提示すべく発足したプロジェクトの2作目。前作での躍動的なソウル・パワーは内面に向かい、弦楽器も多用したクラシカルな空気でスピリチュアルな“祈り”の音楽を聴かせてくれる。(飯島直樹)
 
グレート・ヴェンジャンス・アンド・ザ・フューリアス・ファイアー/ザ・ヘヴィー
[ビート/BRC-186]
ブリストルの隣町バースを拠点にするバンドが、ニンジャ・チューン傘下のレーベルからデビュー。DJ/ミュージシャンのコレクティヴ的ファンク・バンドThe Snugsとメンバーが重複し、アルファのコリン・ディングレイが参加。C・メイフィールドと70年代UKヘヴィ・ロックを再解釈したヴィンテージ・サウンドで、生ならではの躍動感と、ヒップホップ/テクノを通過したからこそできるエンジニア・ワークが融合。(飯島直樹)
 
イルリヒト/F.L.Y.
[MAO/DQC-16]
360°からのファースト・アルバム『ZUREZURA2』が素晴しかった山田民族による楽団F.L.Y.のセカンド。“ポスト・ロック”と言えば単純にそう括られるのだろうが、この音空間や音の肌触りの独自さは海外のそれらとは全く異ワールド。この病的なほどのこだわり/追求心/遊び心/懐の深さにほくそ笑んでもいいし、身を横たえてもいいし、踊りまくってもそれもよし(それは難しい…)。とにかくPOP。(大場俊明)
  
ブルーノート・ストリート/V.A.
[EMI/TOCP-70317]
ジャズの名門、ブルーノートの名曲を日本のトップ・クリエイター達が新たな解釈&サンプリング一切無しで息吹を与えたカヴァー集。Kyoto Jazz Massiveや松浦俊夫等、クラブ・ジャズ界隈やMuro等、ブルーノートに縁のあるアーティストの中で唯一レゲエ・アーティストからの参加で異彩を放つカヴァーを提供したのがHome Grown。ジャズもレゲエもストリートから生まれ発展してきたことを物語る興味深い組み合わせだ。(長友浩之)

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