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294    COLUMN    PLAY IT LOUD

TRUE REFLECTION / JAH CURE
[VP / VP1782]
8年の獄中生活からついに解き放たれたメモリアル盤にして珠玉の傑作選。業界において投獄アーティストは珍しくはない中、なぜ彼が熱烈に支持され続けたのか、この作品を聴けば納得至極のはず。ラスタマンのメッセージが迷走している中、一貫して「愛こそが全ての答えだ」と訴えるキュア。切実な愛歌のほか「Same Way」「Jamaica」のチル・アウト系も最高。今年29歳、これからに期待大です。[輸入盤](遠井なつき)
 
DOS / CULVER CITY DUB COLLECTIVE
[EVERLOVING / EYE17]
ジャック・ジョンソンのバンドでドラムを担当するアダム・トポルのリーダー作。既存の枠に収まりきらない引き出しの豊富さが、あらゆる音とリズムによって開眼。ジャズやブラジル音楽の要素も見え隠れ、これは思考のダブ・ミュージックですね。タメが随所に効いていて粘っこい。サーフ系の形容を取っ払ってみましょう。一般的にはロック? カツオ・コーナーでは120%レゲエのお薦め作品です。[輸入盤](磯野カツオ)
  
INTO THE DOJO / THE BLACK SEEDS
[BEST SEVEN / SBCD 008]
ファット・フレディズドロップと同じニュージーランド出身のこのバンド。幻想のダブ・サウンドをイメージさせる部分は共通している。マイナー調のメロディは皆無、むしろソフトで入り易い。但しそこが彼らの思うつぼだ。ファルセット・ヴォイスに酔いしれている間に、心の奥までダイナミックな演奏が染み込んでくる。UKソウルに近い感覚、しなやかで艶がある、されどラヴァーズとは違う新たなレゲエ。[輸入盤](磯野カツオ)
 
GROUNDED / JAHCOSTIX & DUBIOS NEIGHBOURHOOD
[FOUR MUSIC / FORJ-88812]
ドイツ出身の彼。ライヴで相当鍛えてきた事が伺える飾りのないダイレクトな作品。無駄を省き、音数も少ない、故に隙間が調度いいスペース。息のぴったりあった生バンド、最近増えています。ルーツ・タイプの楽曲がメインで演奏され、私が好むアコースティック・チューンは4曲収録と嬉しい限り。高揚しながら涼しくもなれる芝生から土から海まで喜ぶ音楽。さすがMontreux Jazz Festivalの出演者。[輸入盤](磯野カツオ)
 
ホット・イット・アップ/ミスター・ヴェガス
[FAEC/POCE-15511]
美メロな「Do You Know」が現在、ここ日本でも大ヒット中のシングジェイ、ミスター・ヴェガスのニュー・アルバム。思えば「Heads High」の大ヒットが97年だったから、10年間、ずっと走り続けていることになる。本作からは先の「Do You Know」以外にも「Tek Weh Yuh Self」「Hot Wuk」「Raging Bull」などダンスの現場を熱くしてくれるチューンが満載。日本盤にはボーナス・トラックの他、映像も付く。(大場俊明)
  
アイズ・アバヴ・ウォーター/ショーン・キングストン
[ソニー/EICP-829]
レゲエ(JA)生/ラップ(米)育ち。「スタンド・バイ・ミー」のフックまんま使いで、世界をノックした「ビューティフル・ガールズ」を筆頭に(母の投獄というタフな経験を踏まえつつ)、ティーンらしく青っぽいジューシーな魅力でマスにアピールする、レゲエ遊びを入れた軽妙ポップ・チューン満載。暑い季節に中毒(ハマ)る、ヒンヤリ甘い一品だ。ちなみに祖父J・ルビー、叔父がブジュ、の血筋はあくまで事実史。(遠井なつき)
 
ザ・プレッシャー・イズ・オン/プレッシャー
[ダイアモンド・エッジ/DECD005]
ジャマイカの東、プエルトリコの更に東側に位置するヴァージン諸島出身のシングジェイ・アーティストのファースト。元々はスターライオン・ファミリーというグループで活躍していたそうだが、05年から本格的にソロで活動をスタート、本作のリリースへと漕ぎ着けたようだ。アトランタ〜マイアミの制作陣がバックをサポートするが、音は実にしっかりした作りだし、プレッシャーの生真面目で真摯な歌声も魅力的だ。(大場俊明)
 
ダブ・ユー・クレイジー!!2007/マッド・プロフェッサー
[ビクター/VICP-63876]
“教授”と聞いて『Riddim』読者ならば思い浮かぶのはやはり、このマッド教授だろう。そのマッド教授があの名物ダブ・シリーズの続編と言えるニュー・シリーズを抱えて久々に教壇に登場。錚々たるアーティスト達を素材に余裕すら感じられる貫禄のダブ・ミックスは流石。そして、一人立ちしたばかりの息子、ジョー・アリワとのダブ対決が聴けるのもお楽しみの一つ。この異常な気候にピッタリなクレイジー具合。(長友浩之)
 
ライヴ・アズ・ワン/ザイオン・トレイン
[ZETTAI-MU/ZTM-004]
ルーツ&カルチャーをマインドにもちながら、レイヴ〜クラブ・ミュージックにも積極的にアプローチしたサウンドが幅広い人気を得ている15年選手の9作目。打ち込みのみが持つパワーと生演奏のみが持つパワーが彼らのコンセプト同様に見事なユニティを生み出し、豪華ヴォーカリストのメッセージと相乗しポジティヴな空気に満ちている。来日時に訪れた広島にインスパイアされたという「Hibaku-sya Song」が印象的。(飯島直樹)
 
ソウル・ダブ・モンスター/ザ・ケイブマンズ
[KSR/KCCD-278]
スピナ・ビルと共に活動していたザ・ケイブマンズが彼と袂を分かち、新たにヴォーカリストKeenをメンバーに迎え再出発。元々演奏に定評があったし、アレンジ面でも彼らが牽引していたようなのでサウンド面は全く問題がない。新メンバーのKeenは前任者とはタイプが異なり、どちらかと言えば透き通った声が魅力で、既にしっかりとバンドに馴染んでいる。5曲で判断すべきか分らないが、未来は明るいはず。(大場俊明)
 
プレイ・フォー・ア・ハッピー・ライフ/ザ・ジャポニカンズ
[ファイル/FRCD-164]
スイッチを押した瞬間、男女のツイン・ヴォーカルの絡みと南部ソウル的なリズム&アレンジの曲が飛び出し、「僕らはこんな感じさ」と強烈にアピールするザ・ジャポニカンズのセカンド。歌も演奏も決して上手いとは言えないが、とくかく楽しそうに歌い演奏しているところがいい。「恋い焦がれ」や「送り詩」といったじっくり聴かせる曲も地に足がついてきたし、まだまだ成長するんじゃないだろうか、と思えるバンドだ。(大場俊明)
 
V.I.P インターナショナル・レコーズ・グレーテスト・ヒッツ/V.A.
[コロムビア/COCP-34486-7]
1992年。ランキン・タクシーやナーキといった先人達はいたものの、バンド、レーベル、サウンド・システムを所有し、更にプロダクション機能まであるという、アーティストにも聴衆にもレゲエの場を提供していたクルーはまだ他に存在していなかったと思う。それだけでV.I.Pの功績を讃えるべき。本作は彼らの15年に渡る活動の集大成とも言える音源集(2枚組39曲)。日本のダンスホールの歴史を俯瞰できる。(大場俊明)
 
HEMO+MOOFIRE プレゼンツ・ソカ・グレイテスト・ヒッツ/V.A.
[ビクター/VICL-62353]
ダンスホール・ファンにいち早くソカの魅力を伝えようと様々な活動をしてきたHemo+Moofire監修によるタイトル通りのソカのヒット曲集。Minmiが「ソカ・モナーク」で熱狂の渦を作った「Sha Na Na」やAkonの「Don't Matter」のカリプソ・ミックスなど馴染みの深い曲を交えつつもコアなアーティストの現地ヒット曲を大量投下。コアと言ってももちろん、腰にグッとくるアッパーな曲ばかりなので、踊れます。(大場俊明)
 
プラネット・アース/プリンス
[ソニー/SICP-1515]
1年ぶりの新作。世は80'sリヴァイバル、シーンがこぞって彼へのリスペクトを表明する中、当の本人は相変わらずロック、ジャズ、ファンク、ヒップホップを悠々と跨りつつ、自分印のポップ道を展開。ウェンディ&リサが久々にジョイントするといったトピックはあるものの、アルバムの作りにおいては、特に過去を振り返ることもなく“今”を表現しきって、何度目かの全盛期を彩っている。流石の貫禄作なり!(石澤伸行)
 
ゴー/マリオ
[BMG/BVCP-24106]
2年半ぶりの3作目。前作で既に大きな成長をお披露目済みの彼だが、本作では早くもリーダー性を実装した!?…そう思わせるほどに、ここでの“ナヨりヴォーカル”は現行シーンへの影響力の大きさを実感させる。音作りの面でも、ネプチューンズ、ティンバ、スターゲイト、ニーヨといった大御所は勿論、ポロウ・ダ・ドン、ロン・フィームスターら気鋭の巧みが光り、結果、全編がR&B的旨みで溢れ返っている。(石澤伸行)
 
リアル・ガール/ムーチャ・ブエナ
[ユニバーサル/UICI-9017]
UKの人気ガール・グループ:シュガーベイブスに在籍していたシンガーによるソロ・デビュー作。レニー・クラヴィッツ曲を全編に敷いた胸キュン・タイトル曲がヘビロテ中の彼女だが、アルバムではジャンルレスに表情を変えるサウンド・プロダクション群に囲まれてなお、時にモニカを思わせるヴォーカルの存在感できっちり聴かせる。ジョージ・マイケル、エイミー・ワインハウスらUKなゲスト勢も華を添える。(石澤伸行)
 
スーパー・ソル・ノヴァ Vol.1/ファミリー・スタンド
[Pヴァイン/PCD-23977]
90年代以降のクラブ・シーンやネオ・ソウル畑を縦横無尽に駆け抜けてきた骨太3人組ユニットによる9年ぶりの新作。全編を熱く貫くサウンドとメッセージは、ロック、ファンク、ヒップホップ、そして時にゴスペル的昂揚感を伴い、そこに今回待望の復活を遂げたサンドラ・セイント・ヴィクター姐の豪快ヴォイスが絡むことで、アルバムの至るところでは黒い溶岩が噴き上がるといった具合。全編が音の沸点!?(石澤伸行)
 
マスターピース/ネイサン
[ヴィレッジ・アゲイン/VAUR-0003]
UKを拠点に活動する19歳の男性シンガーによるデビュー作。先にリリース済みの欧州では、メロウを軸としたヴァリエーション豊かな音楽性が評判となっている模様。ここ数年の男性ヴォーカル界における潮流となりつつある“いいメロとヤワい歌い口”路線をひた走る作りは、確かにニーヨあたりを思わせるが、アップで見せる躍動感やミッド〜スロウで醸し出されるアオさの面では、こちらに軍配が上がるかも。(石澤伸行)
 
マイ・シング/トゥオモ
[Pヴァイン/PCD-23974]
フィンランド出身のキーボディスト兼シンガーによるデビュー作。なにはともあれ、ノーザン風爽快曲「Don't Take It Too Hard」を聴くべしだが、ソウル・ミュージックのポジティヴィティを抽出することにこだわり抜いたかのような手管の連続に、いつしかココロはホンワカに。スティ−ヴィやカーティス、スライあたりが憑依したかと思えば、ゴロゴロとしたレア・グルーヴ流儀が飛び出したりと、息つく暇もない。(石澤伸行)
 
INCREMENTS / HENRY & LOUIS
[2KINGS / INCCD1]
Blue & Redことロブ・スミスとの共同プロデュースによる『タイム・ウィル・テル』オリジナル発売から早6年、ブリストル・ルーツの重鎮による久々の、そして待望のアルバム。1曲ずつオリジナルとダブを交互に挟む正統派なスタイルで進行するストロング・ルーツ集で、彼らの初期音源も嬉しい収録。ダブステップに燃えるブリストルならではの、新旧コネクションを起用したシングルも必聴。[輸入盤](飯島直樹)
 
TURNTABLE SOUL MUSIC / BELLERUCHE
[TRU THOUGHTS / TRU130]
かつてジャズとヒップホップを融合させた作品をメジャー・フィールドにまで浸透させたユニットのひとつ=ポーティスヘッドの再来とレーベルも太鼓判を押す3人組。DJヴァディムがダブに歩み寄った近作に参加していたシンガー、ジャズを愛するギタリスト、ヒップホップを始めそのルーツとなる幅広い元ネタを合わせてくるターンテーブリスト……という各人のルーツにも[P]と相通じるものを感じる作品。[輸入盤](飯島直樹)
 
ウェイティング・イズ・ダブ/クロニック・ソナタ
[ルーディメンツ/RMT-CD005]
カナダ出身の3人組による2作目。同じくブルックリンを拠点にするChimp BeamsメンバーやBastard Jazzレーベルのアーティストも参加、iPodのCMで再評価されたニコデマス周辺と並行する同地下シーンを、ダブをメイン・フィルターにスモーキーかつスタイリッシュに浮き彫りにしたサウンド。ブレイクビーツやダウンビートの裏側にはパンクやロック、そしてレゲエからの影響も窺え、幅広く受け入れられるだろう。(飯島直樹)
 
KALA / M.I.A.
[ベガーズ・ジャパン / WPCD-10029]
まさに衝撃的だったデビュー作から2年で届けられた新作。所謂“第三世界”と呼ばれる地域に単身訪れ、そこで感じ、録音した素材を元にした「ワールド・タウン」がコンセプトという。ファースト・インパクトこそ前作に及ばずながら、ジワジワと身体に入り込む鋭い快作。前作に引き続きのディプロに加え、ティンバランドやスウィッチらがプロデューサーとして参加しているが、全てジャケット通りの彼女流。(飯島直樹)
  
レット・イット・ダブ/タイクーン・トッシュ&クニ・スギモト
[20001/20001-001]
日本のニューウェイヴを確立した中西俊夫がTycoon To$h名義で、元ナチュラル・カラミティのクニ杉本を迎え——と、ここまで読んだだけでグッとくる方の期待を裏切らない“裏切り”が詰め込まれたアルバム。資料の「ビートルズとP.I.L.とリー・ペリーが同居」という本人によるテキスト通りの内容で、60年代のサイケデリック映画のサントラのような、アルバム通して1曲として浸りたい作品に仕上がっている。(飯島直樹)

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