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293    COLUMN    PLAY IT LOUD

BREAK THROUGH / THE SLICKERS
[MAKASOUND / MK19]
ディスク・ガイドのジャケット写真でしか拝めなかったルーツ・レゲエの名品が遂にCD化。まず驚いたのは、ヴォーカルが今にもスピーカーから飛び出しそうな勢いでエネルギッシュな事。基本のコーラス・ワークも流石です。とにかく熱い、そしてたくましい。立ち向かうレゲエの精神が漲る。バックを支えたミュージシャンは70年代に活躍したほぼオールスター。いつまでも冷めないルーツ、いかがですか?[輸入盤](磯野カツオ)
 
ON THE OTHER SIDE OF DUB DELUXE EDITION / LONE RANGER
[HEARTBEAT / HBCD324]
「Barnabas Collins」「M-16」等のヒット曲を持つオールド・トースター、ローン・レンジャーが81年に発表した名作。名門スタジオ・ワンからのリリースというだけではなく、ルーツDJモノの代表作としてレゲエ史に残る一枚。今回はボーナス・トラックとして7曲をプラスしたスペシャル・ヴァージョン。アーリー・ダンスホール時代の幕開けを感じさせるスタイリッシュなトースティングが存分に堪能できる。[輸入盤](小池信一)
  
FROM BOND STREET TO GREENWICH FARM / V.A.
[COUSINS / COUDCD47]
往年の名リズム・トラックを使用して制作されたコンピ盤。ジャマイカの宝物レーベル、トレジャー・アイル産です。最早レゲエに於いて特別な事ではありませんが、やはり安心かつ和んでしまう60年代に生まれたクラシック・リズムは、ファンにとって永遠ですね。ルチアーノ、トニー・カーティス、ルーキーD他、優れた歌心を持ったシンガー達が参加しています。ヴォーカル・ファンにはお薦めです。[輸入盤](磯野カツオ)
 
TWELVE INCH RULERS / V.A.
[GREENSLEEVES / GRELCD608]
老舗レゲエ・レーベル、グリーンスリーヴスが創設30周年を記念してスタートした新シリーズの第一弾。これ迄にリリースされた12インチ音源をテーマ別に紹介するという物で、今回は80年代前半に一大ブームを巻き起こしたレーベル、ヴォルケイノの音源をコンパイル。現在ではコレクターズ・アイテムとして入手困難な12インチ音源が、これから続々と再発されるのかと考えるととても楽しみな企画だ。[輸入盤](小池信一)
 
STUDIO ONE DUB VOL.2 / V.A.
[SOUL JAZZ / SJRCD166]
スタジオ・ワンの貴重音源を紹介するソウル・ジャズの人気シリーズ最新作。アルトン・エリス「Breaking Up」、マーシャ・グリフィス「Feel Like Jumping」、ボブ・アンディ「Unchained」等のダブ・テイクを収録したアルバム。ダブとはいえハデなディレイ使いや激しい音の抜き差しは余り無く、かなりヴァージョンに近いミックスとなっているが、しっかりとした演奏と楽曲の良さで充分楽しむ事が出来る。[輸入盤](小池信一)
 
カリー・バッズ/カリー・バッズ
[ソニー/SICP1470]
「にせものでない。見せかけでなく実質があること」=「本物」=カリー・バッズ。この男。レゲエ先進国の現場で着火したバミューダ育ちの白人アーティストが、その“証”をここにドロップ。クールなのは外見ではなく、その視点。鍛え抜かれたリリカルな表現力と、真にシンガーでありDJという、世界のトップが速攻ラヴ・コールを送ったジャンル・レスに稀有な才能。問答無用に“惹く力”を持つ、瞠目のデビュー盤。(遠井なつき)
 
サクリファイス/アレーン
[エイベックス/AVCD-23304]
ドン・コーリオン全面プロデュースのデビュー作。ドン制作哀愁ワン・ドロップとその高音フェアリー・ヴォイスが抜群の相性を見せ、シーンに降臨した05年。ジョグリンTrk.も一聴でアレーンと分るオリジナル・チューンに仕上げる力量は確かなもの(本作ではマタランfeat.も)。でも何よりその歌唱の上品さと裏腹に、灼熱のゲットーに響き渡るシーンが似合うラヴ・ソングが秀逸。そのコントラストがたまらなく切ない。(遠井なつき)
 
トゥデイズ・スペシャル/キングストン・キッチン
[スカ・イン・ザ・ワールド/SIWI-78]
スカの実力派、Dr.Ring Dingがフランク・シナトラばりの喉を披露する新バンドのファースト作品。お仲間は、オランダの人気スカ・ジャズ・グループの面々。熟成されたワインを口に含んだような芳醇さを醸し出しています。ジャズをベイスにスカ特有の雑食性と多彩なリズムでフルコースが味わえます。知る人ぞ知る隠れ名店を見つけました。さりげなく、AC/DCをソフトにかヴァーするなんて粋だね。(磯野カツオ)
 
あっぱれ!!/ビガ・ライジ
[徳間ジャパン/TKCA-73224]
この巨漢にこの声、そしてあの軽やかなパフォーマンスはインパクト大。94年からマイクを持ったというヴェテランだが、04年のミニ・アルバム『意気揚々』や05年の「Road To 横浜レゲエ祭」への出演で全国的に知られるようになったはず。ファースト・フル・アルバムとなる本作は、90年前後のダンスホール風味の軽快なトラックに流暢なシングジェイを乗せ貫禄さえ漂う。きっとクセになる人も多いだろう。(大場俊明)
 
ひとりあそび VOL.0/アラレ
[P-ヴァイン/PCD-4383]
この脱臼感、脱力感……次々と飛び出すニュー・ジェネレーションの中でも、その風貌も含めある意味、異端児=アラレのファースト・アルバム。飄々としているが、彼のレゲエへのはまり込み度は深く、リリックを聞けば天然のレゲエ馬鹿と分る。ただ視点が他のアーティストとちょっとズレてるからこそ世代の違う僕でも思わずクスクスしてしまうのだろう。自らとぼけたMCを決めるミックスCD仕様というのもいい。(大場俊明)
 
ベリー・ゴー・ラウンド/9マイルス
[ハンドカッツ/メロディフェア/HJCR-96]
97年に結成と言うからもう活動歴10年となるロック・ステディ〜ラヴァーズ・バンドの2年以上振りとなるセカンド・アルバム。前作『9miles』は秀逸だったし、ライヴはほとんど行わない彼らだから待ちに待ったファンも多いと思うが、ご安心あれ、相変わらずと言うか気持ち良さは前作以上。強いて変化を言えば陰の部分はやや控えめか。その分、涼し気なそよ風風味&ナイス・メロディなチューン満載。(大場俊明)
 
ポエッツ・ダブ(ミックス・バイ・7サムライ)/V.A.
[ビート / BRPC038]
イーストエンダーズで知られるエスノ・ダブ・ビーツ〜ジプシー・ドラムンベースが一部で人気のレーベル、ポエッツ・クラブの10周年記念盤。レーベルの中心アーティスト7サムライがこれ迄のリリースをダブ仕立てでリミックス/編集し直した、文字通りの新感覚ダブ大全と言える内容。ジャッキー・ミットゥ他カヴァー曲(選曲も◎)や他レーベルのアーティストによるリミックスも多数収録され、バランスも良い。(飯島直樹)
 
ミス・ケリー/ケリー・ローランド
[ソニー/SICP-1468]
デスチャ解散後初となるソロ作。スコット・ストーチ、ポロウ・ダ・ドン、タンクらによる好戦的なトラック捌きとスヌープやイヴらの賑々しいサポートが相俟って、随所で自らの殻を破らんとする様な試みに出会えるのが楽しい。しかしながら、彼女が光るのは、ロックワイルダーやソウルショック&カーリンらによる流麗ミッドでの立ち姿だろう。癒しを振り撒きつつ凛としたパフォーミングには大きな成長をみる。(石澤伸行)
 
コパセティック・イズ/マイクリン・ロデリック
[Pヴァイン/PCD-23959]]
80年代後半以降のブラコン・シーンを彩ったバイ・オール・ミーンズの紅一点がソロ・デビュー。グループ解散後、行動を共にしていたラサーン・パターソンらが提供する甘酸っぱさ満点のクラシック路線や自作でのジャジーなアプローチ含め、全編にシルキーな雰囲気が横溢。彼女のパフォーマンスも実に表情豊かで、アニタ・ベイカー、シャーデー、ミーシャ・パリスと様々なソングストレスの顔が浮かんでくる。(石澤伸行)
 
ソウル・サティスファイド/ブラウンズ・バッグ
[Pヴァイン/PCD-17120]
シカゴ在住の兄弟ユニットによる本作は、既にリリースが済んでいる欧州シーンで獲得した大きな評価をふまえての邦盤化。アップにミッドにとオールド・マナーを溢れさせつつもきっちりタイトなバッキングを得て、彼の熱いヴォーカル・ワークからは、小気味良さも引き出されているような。既発曲のリミックス仕事を含め、シカゴの粋を集めたかのようなアーバニズムに酔いしれるのが、本作の正しい鑑賞法だろう。(石澤伸行)
 
ザ・バース・オブ・コーネリアス/コルネイユ
[ソニー/SICP-1432]
ドイツ生まれのルワンダ人による新作。カナダを拠点に地道な活動を展開することで、シンガーとしての地位を確立してきた苦労人だが、ルワンダ虐殺で両親を亡くしたというバックグラウンドは、彼の朴訥さと野味を含んだ歌声に、スピリチュアルな響きと重みをもたらしているような。何より楽曲の良さに非凡を感じさせるが、ロック的なアプローチを基調とした幅広な音世界こそが、彼の豊かな音楽性を支えている。(石澤伸行)
 
シンフル・イノセンス/コリー・リー
[ヴィレッジ・アゲイン/VAUR-0001]
ドイツ人と中国人を両親に持つカナダ出身の美形シンガーによる新作。新進のクリエイターを起用、USメイン・ストリームを意識しつつ、ポップな味付けを主体とした好トラックが連なり、サウンドの意匠を問わず伸びやかに立ち回る様は、“カナダのビヨンセ”なる異名に説得力を与える。アップでのまんまなアプローチも楽しいが、ミッドでの優美な振る舞いは、女性的な丸みを思わせるもので好感度も極めて高し。(石澤伸行)
 
ABC・オブ・ロマンス/ムーン・ベイカー
[ハンドカッツ/HJCR-94]
オランダはアムステルダム出身の女性シンガーによるデビュー作。キャンディ・ダルファーと共に世界を渡り歩いてきたという実力は、本作での歌いっぷりにもしっかりと反映されている。ヒップホップ、ファンク、ジャズとサウンドの表情は様々ながら、力強さと共に育ちの良さをも感じさせる彼女の華やかな歌声が、気鋭のビート職人、ニコレイによるドープ&メロウなトラックに乗って舞う様には、抗し難い魅力が。(石澤伸行)
 
JOURNEYMAN'S ANNUAL / DEADBEAT
MDM / SCAPE / SC46CD]
モントリオール在住アーティストによる、ダブ・エレクトロ名門Scapeからの4作目。これまでの作品も「Massive Attackが3rd以降進むべき音」と思わせるサウンドだったが、今作はそれを更に押し進め、ダブステップ的なアプローチも聴ける。アフロ・ビートの独自解釈ともいえる呪術的世界や、よりレゲエに接近したブリアル・ミックスmeetsグライム的展開もアリで、これ迄以上に多彩かつ芯の強い内容。[輸入盤](飯島直樹)
 
SURVIVAL OF THE FATTEST / PRINCE FATTY
[MR. BONGO / MRBCD052]
Acid Jazzの時代からそのキャリアをスタートさせ、リリー・アレンのヒット「スマイル」を手掛けた事で知られるプロデューサー/エンジニア、マイク・ペランコニのプロジェクト。スタイル・スコットやリトル・ロイ、ウィンストン・ファーガスらベテランも参加し、ビーツ・インターナショナルを生音化した様な、クラッシュや2トーンから脈々と受け継がれている英国白人不良大衆音楽の王道サウンド。[輸入盤](飯島直樹)
 
FLOATING HEAVY / ME & YOU
[TRU THOUGHTS / TRUCD129]
軽快なファンク〜ブレイクビーツを届けてくれるブライトンの優良レーベルから、その中心人物らによるプロジェクト。重心低めな南米音楽紀行(時空の乱気流多発)といった趣で、ジャジー&ファンキー・ハウス、カリプソ+ヒップホップ・ビート、ドラムンベース、バトゥカーダなダブステップ、ダブステップ+ソカ…と、様々なスタイルの音楽をユーモアも忘れずに聴かせる所は英国ならではの感覚だろう。[輸入盤](飯島直樹)
 
THIS WAS SUPPOSED TO BE THE FUTURE / THE NEXTMEN
[ANTIDOTE / ANTCD120]
歌姫アリス・ラッセルやジョー・デューキー、LSKらによるヴォーカルを全編にFeat.し、これ迄のブレイクビーツ・ユニットというイメージから一歩踏み出した傑作。ファンキー・ソウル、ダンスホール・レゲエ、ソウルフル・フォーク、ダブ×ブレイクビーツ……等、曲毎にスタイルを明確にし細分化へ対応している点は21世紀らしいが、全体の感触としてはヤング・ディサイプルズにも通じる“UKサウンド”。[輸入盤](飯島直樹)
 
PARA TODOD TODO / EKD
[FZMX / E.K.D.C.D.001]
下北沢のDJバーを拠点にイヴェントを開いている音楽集団=未来世紀メキシコの一員EKDのオリジナル・アルバム。レゲエ〜スカ〜ラテン〜クンビア〜サーフなどの多様な音楽スタイルを、現在進行形レベル・スタイルでミックスし、“Think Locally, Fuck Globally”を胸に、すべての楽器を一人で演奏。個人的には今年前半で最も衝撃を受けた一枚で、自主制作&販売店を限定するスタイルも含め、考えさせられる点も多い。(飯島直樹)
  
ゲッティン・ア・リトル・ヘルプ・フロム・ザ・ジョーンゼズ/エドガー“ジョーンズ”ジョーンズ
[ウィンド・ベル / WB12]
昨秋の来日公演ではMC第一声から観客の爆笑を誘ったという、元ステアーズのマジ男2nd。本作はそのライヴでの勢いも手伝ってバック・バンド、ジョーンゼズと制作した新作。前作での60年代風場末ロック/ジャズなムードはそのままに、オーセンティックなスカ〜ロックステディや、「サマータイム」のキッチュなカヴァー等、彼にしかできない世界を展開。日本盤ボーナスのエレクトリック・マイルスな長尺曲も必聴。(飯島直樹)

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