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Unmissable Story extra pieces from Ruffn' Tuff vol.9
Clevie Brownie

 
Interview by Shizuo "EC" Ishii / Translated by Mizuho Takahashi / Photo by Masataka Ishida
 

 
私の本名はクリーヴランド・ブラウニー。この世界ではスティーリー&クリーヴィの片割れのクリーヴィとして知られている。私の音楽キャリアは、32年前にブラウニー兄弟5人で「ブラウニー・バンチ」というヴォーカル・グループでデビューしたのが始まりだ。1972年のことだね。後に兄弟で楽器を演奏するようになり、私はドラムスを担当した。そのうちに、だんだん、兄弟それぞれが違うバンドでミュージシャンとして活動することが多くなったので、グループは自然消滅し、私はドラマーに転身した。キーボードの練習をしていた(ウィクリフ)“スティーリー”(ジョンソン)に出会ったのはその頃のことだよ。
 
長男のグレン・ブラウニーはジギー・マーリーやジミー・クリフやモンティ・アレキサンダーと一緒にやっていたベーシスト。守備範囲が広く、レゲエもジャズも自由自在だ。次男のダルトン・ブラウニーはフレディ・マグレガーのギタリストでビッグ・シップ・プロダクションの共同経営者。三男のノエル・ブラウニーはキーボード奏者で非凡なプロデューサーでもある。四男のダニー・ブラウニーは、以前はMain Streetのプロデューサーだった。今もMain Streetはあるが、音楽としてはゴスペルに転向した。シェヴェル・フランクリンを始めとする、現在ジャマイカで最高のゴスペル・シンガーたちをプロデュースしている。で、五男が私だ。  
 
ブラウニー一族は音楽の才能に恵まれているよ。どうやら、そういう血が受け継がれているらしい。例えば私の甥で双子のリチャード・ブラウニーとロバート・ブラウニー。リチャードはこの業界ではShamsで知られているね。T.O.K.なんかを手がけているダンスホール系の売れっ子プロデューサーだ。ロバートのほうはシャギーのギタリストだ。そのうちわかるが、Shamsの妻はシンガーで、フェイス・ブラウニーの名前で間もなくデビューすることになっている。グレン・ブラウニーの妻もシンガーだしね。私の子供たちがレコード・ビジネスに参入するのも時間の問題だろう。
 
※    ※    ※
 
スティーリーに出会ったのは、私がドラマーに転身したばかりの頃。彼もキーボードの修行中だった。多くの人がスティーリーと私が本当の兄弟だと思っているが、血はつながっていない。でも、本当の兄弟のようだよ。考えていることも同じだしね。彼とは1974年からずっとコンビを組んでいる。最初のレコーディングはオーガスタス・パブロのプロダクションだった。あのセッションでスティーリーがキーボード、私がドラムで参加して以来、ずっとコンビを組んでいるんだ。縁があったんだろうね。二人で膨大な数の曲を作ってきたよ。他の人がどう思っているかはわからないが、私はグルーヴがあるという点ではスティーリーの右に出るキーボード奏者はいないと思っている。スティーリー&クリーヴィという組み合わせは凄く独特で、その可能性は無限だ。どんなジャンルの音楽でも限界はないね。
 
※    ※    ※
 
80年から約8年間、私はサー・コクソンと一緒に働く機会に恵まれた。スタジオ・ワンの専属ドラマーだったんだ(※80年代に「スタジオ・ワン・バンド」というバンドがあったが、こちらの実態はフレディ・マグレガーのバック・バンド。クリーヴィがドラマーとして参加していた。当時、スタジオ・ワンに縁のあったミュージシャンで結成されたグループだったため、この名前が付けられた)。スタジオ・ワンは私にとっては学校だよ。あの当時はレコードで音楽を聴くと、ハッキリと細かいところまで聞こえない部分があったんだが、スタジオ・ワン(のスタジオ)ではマスター・テープから直に音を聞くことができたんだ。私はそれにオーバーダブをしたり、昔の曲を今風にアレンジしたりといった作業を任せられ、とてもよい経験になったね。私もスティーリーもオールド・スクールの音楽が好きだったから、よくトレジャー・アイルやスタジオ・ワンやランディーズなどの古い音楽を一緒に聴いたよ。あの時代の音楽には影響を受けたし、後に、それが自分達が創る音楽の中で重要な味付けをするスパイスになってくる。
 
スタジオ・ミュージシャンとしてドラムを叩いているうちに、時代は流れて、コンピューター・テクノロジーの時代がやってきた。バンドに参加してツアーに出たり、もっとライヴ・パフォーマンスをすればよかったのかもしれないが、私はそうしないで、ドラマーとして自分が感じることを全てコンピューターに打ち込んでいった。スティーリーも同じだ。でも、そのおかげで、私たちのプログラミングは独自性が高まったと思う。サウンドを作るのは確かに機械だが、そこに自分のフィーリングを加える。そうすると、例えば、Dawn Pennの「No, no, no」のような曲になるんだ。あれはプログラムした音にライヴの音を加えたものだが、それによって人間臭さという要素が加わって、暖かい感じの音になっているだろう?[次号に続く]
 
 
■DVD
「Ruffn' Tuff 〜 Founders of The Immortal Riddim」DVD
監督:石井 "EC" 志津男
[Dex Entertainment / DXDS-0064]


  
■CD
「Ruffn' Tuff 〜 Founders of The Immortal Riddim」
O.S.T.

[Overheat / OVE-0100]
¥2,625(tax in)カリプソ、スカ、レゲエなど全16曲のベスト・セレクション。

 
■BOOK
「Ruffn' Tuff:ジャマイカン・ミュージックの創造者たち」
監修:石井“EC”志津男
A5判/192ページ

リットーミュージック¥1,890(tax in)

出演者の中から13名のインタヴュー+石井、石田、落合のエッセイ集。

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