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Ryo the Skywalker
One-Der Land
 
Interview by Naohiro Moro Photo by Akira Okimura(D-Cord Management Ltd.)
 

待望のレーベル移籍第一弾となる通算の4枚目のアルバム『ONE-DER LAND』を引っさげて、ゆっくりと、確かな足取りで最前線へと帰還したRYO the SKYWALKER。“成すべきこと”への自覚と、自信に満ちた語り口で最新作について語ってくれた。
 
●いい感じにスケール・アップして。
RYO the SKYWALKER(以下R):はい。出来たかなと。多少他ジャンルのゲストに重心を置きつつ、半分はそういうスタンスで。半分は今まで通り、“自分”というところで何が出来るか、っていうことを追求して。
 
●前作の『COME HOME』から、今回のアルバムのリリースまで、たっぷり時間を取らせてもらったというか、いい準備が出来て制作に入れたんじゃないですか?
R:そうっスね。フィールドを新しく “RIDDIM ZONE”っていうレーベルに移してやらせてもらったっていう割には、結構アルバムまでをゆっくりやらしてもらいました。『HOW TO HUNT IN THE BUSH 2』っていうコンピを挟ましてもらって。そういう我が儘も聞いてもらって。ま、だから今回の制作にはプレッシャーを今まで以上に感じたりもしつつ、それでもゼロの状態から最短で、ここまでのものを作ることが出来たかなとも思います。
 
今までは書き留めておいたリリックがある程度あって、みたいなとこやったんが、『COME HOME』あたりである意味吐き出してしまったというか、相当出し切ったというか、絞り出した感があったんで、逆にこう、今回は、ゼロから短期間で書き上げたリリックなんで、今の感じが詰まったもんになったんちゃうかと思いますね。
 
前作を出した頃から、ここ2、3年は、レゲエのイベントが数万人規模まで大きくなって、世間の関心を惹いてきた時期でもあって、日本的なレゲエも大分出来上がりつつ、そん中にジャマイカをどうやって残して、じゃあ、“今、何が作れる。何を作るべきか”、みたいんが自分的にテーマやったりして。そんな中で最初に出来たんが「晴れわたる丘」やったりするんですけど。
 
『HOW TO HUNT IN THE BUSH 2』を挟ましてもらったんも、実はああいうものこそ、メジャーでやる意味があると思ってて、“シーンにはこういうアーティストがいて、こんな感じですよ”という背景を見てもらって、そん中にオレという存在もおる、というところからまた始めたいという気持ちもあったんで。新たなフィールドだからこそ、そういった自分の背景を改めて示して、一般の人にもレゲエに説得力を持たせたいみたいな。
 
自分的に前作までが最初の3部作的な部分があって、そこに区切りをつけ、更にそこからスタートする自分のアルバムやから、さっき言った通り“何が出来るか”ってとこで、今回は、他ジャンルの人ともっと積極的に混ざってみたいって考えて、辿りついたんが、トータス松本さんやったり、マボロシさんやったりなんですよ。今までのフィーチャリングは、乱暴な言い方すれば、“レゲエを知ってるオレがいる。だからあんたがレゲエを知らんでもええ”みたいな、“オレやったらこうあるべき”みたいなんがあったと思うんですよ。ジャンルの違うものと出会ったら、如何にそれをダンスホールにするかみたいな。でも今回は、如何に上手に混じり合おうか、っていうスタンスで、今まで以上に自分を解放してやれたんじゃないかと思います。
 
●それはMCのスタイルが確立されたってことと、余裕が出来たってことじゃないですか。スタイルが完成されたMC同士は両立するというか、その存在感でジャンルを越えるというか。ところでアルバム・タイトルの『ONE-DER LAND(ワンダーランド)』に込めた意味が教えて下さい。
R:さっきも言った通り、前作までで1回自分を出し尽くして、新しいフィールドで新たな挑戦っていうのもあって、自分にとっても分からない“WONDER”な領域に入るなっていう感じがあったんですよ。そうやって作っていくうちに、もちろん“ワンダーランド”っていう楽しい、遊園地的なっていう意味と同時に、自分にとっての“1”から再出発とか、聞く人にとって“1番”の作品であって欲しいとか、“オンリー・ワン”の作品であって欲しいとか、更に言えば“みんなと1つになりたい”っていう。“イチ”という言葉が思い浮かんでつけました。
 
アルバムの中に「For 10 Years」って曲があって、10年後の自分に呼びかける部分があるんですけど、オレも33にもなって、30過ぎると、10年っていう単位が見えてきません? これからその時間の中で何をやろうか、みたいなことを考える様になって、10年前の自分に感謝し、10年後の自分への期待みたいなもんを肝に銘じる様になって。ライヴでみんなで10年後の自分に呼びかける遊びみたいなんをレゲエを使ってやりたいな、なんて思ってて。そんなんしてみんなで思い出を共有出来たらええな、とか思ってるんですよ。
*    *    *
 アルバムは聴きどころが多い。前述のトータス松本や、マボロシとの曲もそうだが、ハードなメッセージが熱い「SOLID GROUND」、ガナリ声のまま歌モノに挑戦した「忘れておしまい」、素晴しいラヴァーズに仕上がったBirdとの「光りの海へ」等々。緩急つけた展開が、最後に大きなひとつのうねりとなり、クライマックスを迎える。“エースの自覚”。本人は無意識でも、責任感と誇りに満ちたそんな感覚を、このアルバムからは感じることが出来た。
  
CD+DVD『ONE-DER LAND』
RYO the SKYWALKER

[Universal / UPCI-5046]


CD「ONE-DER LAND」
RYO the SKYWALKER

[Universal / UPCI-5046]

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