Ackee & Saltfish
BREDREN
 
 
Interview by Thunder Killa / Photo by SpyMaster TOKAI
 

準備期間を含め3年の歳月を掛け、自らのキャリアの中で関わりの深いアーティストを多数ゲストに招いて遂に完成させたAckee & Saltfishの最新作『BREDREN』。今回はまさにこの作品が完成する瞬間=マスタリング最終段階のスタジオに2人を訪ね、この『BREDREN』の事、そして恒例となった夏のビッグ・イヴェント「愛知Reggae Breeze」にあの大物が決定!などの話を聞いた。
 
●今、改めて『BREDREN』を聞かせて頂いて、制作に3年掛かったって言うのが分る、密度の濃い充実作ですね!
Ackee(以下A):ただサボってた、ってだけなんだけどね(笑)。
Saltfish(以下S):3年前に日本で100%制作した4枚目のアルバム(『Stilla Struggle』)出したもんだで他所行けるなって、またジャマイカとか行けるなって、じゃあ下見に行こうか、2、3ヶ月……が半年になって(笑)。
 
●1曲ごとの密度が高いから大変だったんじゃないですか?
A:ん〜ん、でも相手もプロなもんだで、そんなもんは「ああ、いいよ!」みたいなもんでね。
 
●この参加アーティストは「愛知Reggae Breeze '05」の招聘の際に録ってたんですか?
A&S:全然違う!
S:(ジャマイカで)録ったもんだで呼ぼうか、みたいな感じ。
A:最初にシンギング・メロディと一緒に録って、昔からお世話になってた人達……僕達が今あるのは彼等のお陰だで、誰と録ろうかって話して、あの人を入れなあかん、じゃあ声かけてみようかって、こう自分達の歴史を辿って、次は彼、彼もって。
S:ジャマイカでこれを録り出す1年前に「愛知Reggae Breeze」を始めてたんで、どっちにしろ一度日本に帰らないといけないもんだで、だったらメロディ呼ぼうかって。スペシャル・ゲストでね。で、チャック・フェンダに会ったら「行こう」って。じゃあモーガン・ヘリティジも呼ばなきゃ(笑)。
A:3組も呼ばなあかんくなった。
S:メロディとモーガン・ヘリティジは本当にもう一緒に生活してたくらい世話になってたから、絶対に呼ばなあかん(笑)。で、チャック・フェンダは一人だから一緒に連れていけると思ってたら、丁度その時の事務所(5th Element)がリッチー・スパイスと一緒だったから、リッチー・スパイスも一緒に連れてってくれって話になって。いつの間にか4組になってた(笑)。全部で25名位。
A:どう考えても赤字ですよ(笑)。それでもやらん訳にもいかないし。
 
●観客にしてみれば最高の流れですけどね。それが2回目で、去年がブジュ・バントンを招聘した3回目。
S:今年はスーパー・キャット!
一同:エエッ〜。
S:渋いでしょ?
 
●2006年の「Sting」への出演はどうでした?
A:もう凄い前みたいに感じるね。「Sting」はまあ、お客さんともやり取り出来て。盛り上げたいところで盛り上げて。
S:「Sting」に出るからって、流行ってた“Taxi”リディムに乗せて作ったのが(本アルバム収録の)「Go Thru」。
 
●2人は昔からジャマイカやNYの現場で、パトワを駆使して正面から盛り上げてた歴史があるからこそ出来る事ですからね(本CDの特典DVDには92年のNYでのパフォーマンスの映像が字幕付きで収められている)。今回のこのアルバムはそうした2人の歴史を振り返るようなメンツ、作りにもなっていますよね(自分達のレゲエに関わる歴史をリリックにした、実はタイトル曲だった「BREDREN」が分解され、インタールード的にアルバム中に振り分けられ、リリックの進行に合わせて親交のあったアーティストが登場する流れになっている)。
A:パトワでやってるけど、海外向けじゃないのは、僕達だけの楽曲じゃなくて、ブジュにしても、フェンダにしても皆コンビネーション、彼等と僕達で作ったものだから、やっぱり僕達のフル・アルバムって感じじゃなくて。だからコンセプト・アルバム。
S:ちょっと変わった感じのオムニバス・コンピレーション。
A:あんまり今まで僕達がやってきたアルバムの、僕達のカラーは出てない。ちょっと引っ込んだ感じ。
 
●競演したアーティストのそれぞれの曲にしても彼らのオリジナル・アルバムに入っててもおかしくない位のガッチリ組んだ曲ばかりですよ。
S:作る時はもちろん話し合ってコンセプトとか決めていくんだけど、基本的に各アーティストにリードをとってもらって一緒にやってくって形でやったから。「来てちょっと歌ってくれ」じゃなくてね。
 
●メジャー・マックレルは昔から日本人との繋がりが深いし、2人にとってもかなり親交のあるアーティストですよね。
S:マックレルに関してはね、まぁ今回のアルバムは関わってもらった曲が多くて、「Jamaican Girl」も一緒に作った曲だし、コンビネーションも2曲入ってるし。そういう意味でも僕達のバック・ボーンにはマックレルの力が相当ある。
 
●そのマックレルにしても、ジョニーP&フォクシー・ブラウン(!)にしても縁を感じさせる人選ですよね。
A:そこがきっかけだからね。あと対訳も付くんで、僕達がこんな事やっとったってのが分かると思うんで。
 
●最後に『Riddim』読者にメッセージを。
A:このアルバムは本当に今まで僕達がやってきた、ファースト・アルバムに近いって言えば近いんだけど、ジャマイカでの集大成。日本に戻って来て僕達を形成してきたモノと言うか、僕達のレゲエ人生の中でお世話になった人達と一緒に作り上げたアルバムで、これで僕達の昔からやって来たことの…全てじゃないけど…見れるんじゃないかな。ま、次にアルバム、5枚目が出来ますので待ってて下さい。そして「愛知Reggae Breeze」は僕達が憧れてきたアーティスト、同じ歳でビックリ(笑)のスーパー・キャットが来るんで、ホントに来るの?って位の大物が来るんで楽しみにして下さい!
S:さっき話しちゃったからな(笑)。「愛知Reggae Breeze」も『BREDREN』もヨロシクお願いします。
 
『BREDREN』
Ackee & Saltfish with Fridends

[錦 Communications / KSKR503]

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